愉しい寄り道

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 影響力の武器「返報性」の次は、「コミットメントと一貫性」です。

 これは、人間心理には、「コミットメントと一貫性」という思考回路があり、本当は違うことを考えているにもかかわらず、「一貫性を保つ」という理由から行動や判断をする傾向がある、というものです。

 著者はこのように言っています。

 自分がすでにしたことと一貫していたい(そして、一貫していると見てもらいたい)という欲求によるものなのです。ひとたび決定を下したり、ある立場を取ると、そのコミットメントと一貫した行動を取るように、個人的にも対人的ににも圧力がかかります。そのような圧力によって、私たちは前の決定を正当化するように行動します。
 例としては、馬券を購入する前よりも、購入した後のほうが、その馬が勝つような気になっている、ということがあげられています。自分のパートナーや子どもに「大好きだよ」と伝えたり、同僚や部下に「期待している」とかいうと、そのような気分が大きくなってくるというのも、一貫性からくる面もあるでしょう。早稲田ファンになると慶応に負けるのだけは許せなくなる、というような心理状態も関係あるかも知れません。

 この本では、戦時中に中国がアメリカ人捕虜の考えを改めさせる方法として、「共産主義の良い点をひとつだけ書くように」というような課題を出して、それに回答していくうちに、アメリカ人捕虜は、中国に対しての印象をよくしていったという事例も掲載されています。つまり、本意でないコメントであったとしても、「一貫性を保つ」という方向性に人は引っ張られてしまうというのです。

 なぜそのような傾向になるかということについて、コミットメントと一貫性についての著者の分析は次のとおりです。

 第一に、一貫性を保つことによって、社会から高い評価を受ける。
 第二に、公的なイメージに及ぼす影響は別にしても、一貫性のある行為は、一般的に日常生活にとって有益である。
 第三に、一貫性を志向することで、複雑な現代生活をうまくすり抜ける貴重な簡便方略が得られる。

 すなわち、以前の決定と一貫性を保つことで、類似した状況に将来直面したときに、関連するすべての情報を処理する必要が少なくなり、以前の決定を思い出して、それに一貫するように反応しさえすれば良いことになる。
 「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」というのと同じで、「一貫していなければならない」という思い込みから生じる偏った見方ということもあります。ビジネスの世界では、このような傾向を利用して、交渉術で「小さなYesを言わせつづけて、大きなYesを勝ち取る」という方法がありますが、これも、一貫性を持たせることで相手がYesを言いやすくなるという性質を利用しているようです。

 そうした「コミットメントと一貫性」という理由から誤った判断をしないための方策として、著者が防衛策として紹介いるのは次のことです。

^澆ら送られるサイン
 自分でやりたくないと分かっていることをやらせようとする要請を受け入れてしまいそうになっているのに気づくと、胃のあたりから合図が送られる。

⊃瓦留底からのサイン
 馬鹿げた一貫性に従おうとしているとき、心の奥底ではそのことに気がついている。
 こうしたサインを感じているのが自分の本心であると確信して適切な対応をとるべき、ということでした。

 この本には書いていないのですが、一貫性ということからも、「自分の信念は公言する」とか「嘘をつかない」ということが重要なのかもしれません。言葉にして発するかどうかはともかくとしても、自分の中では明確にしておくことは大切なんだと思います。そうすることで、胃からのサインや心の奥底からのサインも出やすくなるのかも知れません。

 以上が、この章に関する要約です。
 上述の記載内容に大半は納得できるし、思い当たるところもたくさんあります。

 ただ、蛇足ではありますが、少しは自分の考えも書きたいので、個人的に気になる3点を記載します。

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 コミットメントや一貫性というものがありつつも、実際の場面では「裏切り」が生じています。胃や心の声で裏切りをしたということなのかも知れませんが、一貫性がある傾向は強いものの、場合によっては一貫しないという傾向もあるのかも知れません。自他ともに、こうした「一貫しない事象もある」ということを理解しておくことも必要だと感じます。

不思議な調和
 現実社会には、例えば、「個人的にはいい人でも、管理職としてはダメな人」というような人がいるわけですが、その人の一貫性はどんなものなのかがよくわかりません。「人はいいんだけど・・・」ということが、仕事上に反映されないというような事例はあると思います。そうした多様性なり幅があるという人間の見方をしておくことも必要な気がします。

9佑方による防衛策
 一貫性を保ちたい要求への防衛策は「胃からのシグナル」と「心の奥のメッセージ」ということですが、「返報性」のときのように、「搾取には搾取を」というような考え方による防衛策も提示してほしかったです。僕なりに考えると、コミットメントや一貫したことへの「例外を認める柔軟さ」いうものであってもいいように思います。一貫性を強調しすぎる雰囲気を「硬直的」というように考える風土もあるので、例外を設けるという対応の仕方もあるように思います。

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読んでみたいなぁ。おもしろそう。 削除

2012/5/15(火) 午前 4:08 [ ぶち ] 返信する

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面白い本ですよ。おそらく図書館にもあると思うので、帰国したら存分に読んでもらえたら、と思います。

2012/5/15(火) 午前 5:18 ( ^^)Y☆Y(^^ ) 返信する

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おぉ!!ブログのリンク、ありがとうございました。
寄り道ファンとしても嬉しい限りですよ。
図書館にあるのですね。読んでみたいです。
これからも、お勧めの本、音楽、食べ物を
寄り道で紹介してください。

こちらは、昨日、「ナクバ」で盛り上がっていました。
日本の大切な人たちへ、つぶやく前に、
幼少時代過ごした、広島の平和教育をつぶやいたので、
また、もし良かったら、リンクを張ってくださいね。
トランプ隊員+グルメ隊員のお友達と、共通の話題ができるのも
楽しそうです。
寄り道しっぱなしですね。最近。
ちょっと本道にもどらなくっちゃ。
ではでは、ブログ内容5月15日のナクバの日に
戦争と平和を考える 1980年前半広島市 削除

2012/5/16(水) 午前 4:32 [ ぶち姐 ] 返信する

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