岐阜の沖縄三線「八重山うた大哲会 岐阜支部」

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赤犬子

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「さんしんの日」のイベント会場である読谷村には
三線の祖といわれる「赤犬子」昇天の地の拝所があります。

赤犬子(あかいんこ・あかぬくー)は三線の祖といわれる人物で
読谷村楚辺の地で昇天しました。
没したのではなく、多分仙人でいうところの羽化登仙のようなものでしょうか
大衆の前で白日昇天したことになります。
また赤犬子は五穀の神でもあります。
その数奇な出生や、不思議な逸話が多い伝説の人物です。
古謡「おもろそうし」には
「歌と三味線(さみせん)のむかし始まりや 犬子(いんこ)音(ね)あがりの神の御作(みさく)」
とあります。
解釈や先の出生のエピソードなども諸説あります。

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三線の祖ということで、沖縄芸能をたしなむ人にも信仰される場所で
「さんしんの日」にはここでも芸能が捧げられます。

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関係ないですが恐ろしく視線を意識させる配置です。
左右から見られまくります。まさに結界。

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少しでも唄三線が上手くなりますように。

さんしんの日2

今日は仕事を終えて即帰宅し
RBC琉球放送のインターネットラジオちゅらじおにアクセスしました。
第三部の私の先生の舞台を聴くためです。
今年は第一部にも兄弟弟子が出演しています。

20時ラストの「かぎやで風」も聞けました。
その時間には上海、ブラジルからの中継がありました。
地球の裏側からの演奏、異郷の地での三線どぅしぐゎに感激しました。

今はWebでもラジオが聴けるので便利ですね。
色々な民謡を聴くことができ、
うちなーぐちの軽快な進行に、
提供の台詞さえも懐かしい気分でした。

さんしんの日

明日、3月4日は「さんしんの日」です。
「ゆかる日まさる日さんしんの日」と題して
毎年、読谷村文化センター鳳ホールでイベントが行われ、
一日中ラジオで生中継されます。
「さんしんの日」は
沖縄の放送人にして沖縄芸能の語り部である上原直彦氏が提唱され、
今年2010年で18回を数えます。

ステージでは入れ替わり立ち替わり、有名な民謡歌手が自慢の唄を披露されるほか、
日本全国各地、さらには海外からも中継を結んで、
沖縄から遠く離れた地で唄三線を学んでいる人たちの声を届けます。

当日、正午の時報と共に、
古典曲「かぎやで風(かじゃでぃふう)」が演奏されるのですが、
このとき舞台背景には大きな工工四が登場し、
ステージ上ではもちろん、
客席でも、観客持参の三線が鳴り響きます。

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この瞬間、沖縄中、世界中で時を同じくして、
三線の音と声がひとつに合わさっています。

人頭税

四十八(よんじゅうやー)ちぬ
御用物船具(ぐゆーむつふなぐ)ば
納(うさ)めー穀上納(くくじょうのう)ぬ、
七、八俵(ななやーだら)ん、
御用布(ぐゆーぬぬ)ん調整(しだ)し
納(うさ)めてぃん命(ぬつぅ)ばあそう、
我(ば)が力(つから)やあらぬ、
天神(てぃんがみ)ぬ御助(うたすき)きどぅやる

(訳)四十八種類の人頭税を首尾よく納めて今なお生命を保っていられるのは
奇蹟であって人間業ではなく神霊の加護の故である。

人頭税(にんとうぜい)に関しては様々な研究がされていますが
その制度と歴史はまだ不明の部分が多く見解が異なる場合があるようです。
手元の資料の内でしか語ることができませんが、簡単に説明します。

〈人頭税とは,15歳から50歳までの男女一人ひとりに,
田畑の面積とはかかわりなく,頭割りに税を課す方法である。
宮古・八重山では1637年に制度化され,
1659年には人口の変動によらず,
毎年の納税額を一定にする定額人頭税になった。〉
(「高等学校 琉球・沖縄史」新城俊昭)より

琉球を支配した薩摩藩は沖縄本島・離島で新たに検地を行い
貢納高を決めました。
新たな出費を求められた琉球王朝は増税をするために
先島(宮古・八重山)には人頭税という制度を強いました。
つまり、食うにも困るほど生活が苦しくても、
働けようが働けまいが、頭数に入っていれば
税金を一定額納めなければいけないという解釈です。

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この人頭税らしき税の取り立て方は、薩摩が侵略する以前から存在し、
「宮古史伝」には仲宗根豊見親(なかそねとぅゆみや)の頃に
すでにあったと記されているそうです(が、その裏付けはない)。
平良市には「人頭税石」という142〜145cmの石が立っており、
この石と同じ背丈になると課税が始まったと言う伝承がありますが
そのころ宮古の戸籍制度はちゃんと機能しており、
これもはっきりした事実関係は不明です。

余談になりますが、伊計島にも似たような格好の石で
「ウスメーグヮ・ハーメーグヮ」というものがありますが
こちらはフーチゲーシ(厄返し)の意味が伝えられており、
人頭税の話は後付で、元々は同様な意味のものではないかという説もあります。
(下は伊計島のウスメーグヮ・ハーメーグヮ)

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〈(人頭税石は)なんらかのおがみ石か
魔除け石等の変容したものではなかろうか。
宮古の野原御嶽の霊石や伊良部元島の霊石、
今帰仁城跡の霊石にも注目しておきたい。〉
(「沖縄の魔除け獅子」長嶺操)

この税制は明治時代まで続き、「悪名高き」納税法として知られています。

(続く)

漲水ぬクイチャー

♪張水(ぴゃるみず)ぬ舟着(ふなつぎ)ん白砂(する)んなぐぬよ ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユ 白砂んなぐぬよ ニノヨイサッサイ

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沖縄の宮古島のクイチャーといえば
本島のカチャーシー、八重山のモーヤーに例えられる
宴の最高潮で踊られるシメの定番です。
声(クイ)、合わす(チャース)でクイチャー。
雨乞いの踊りから、集落・家庭のお祝いまで
皆で輪になり声を合わせて踊り
喜びを表現する伝統的な宮古の芸能です。
その数あるクイチャー曲の一つに
有名な「漲水(ぴゃるみず)ぬクイチャー」があります。

〈「漲水の船着き場の白砂さえも,
粟になり米になり上がって来るだろう,
宮古中,30ヵ村の男たちはピラ(手鍬)さえも取らず,
鍬も使わずに,豊かになるであろう,
大神島の富士干瀬に折りなす波でさえも,
絹糸になり綛(かせ)になり上がってくるだろう,宮古中,
30ヵ村の女たちは??(う・ブー)割き作業や
綛かけをしなくてもゆたかになるだろう」
というすばらしい表現にわたしは驚嘆し,
その音楽性に圧倒されたものである。〉※

〈「人頭税廃止のクイチャー」は,現在では三線伴奏が入り,
一般に「漲水のクイチャー」とも言われている。
これは最初の部分の歌詞は省略し,4番からうたわれるからで,
しかも最後までうたわれることはあまりない。
以前は1番の歌詞をとって,「保良真牛(ぶらまうす)ぬアヤグ」
とも言われていた。〉※

♪保良真牛 沖縄(うきな)から上(ぬぶ)り参(ンみゃ)ばよ ヤイヤヌ
ヨーイマーヌーユ 上り参ばよ ニノヨイサッサイ

(続き)
〈宮古皆の 三十原の 男達や ぴらとらぬ
金うさぬ富貴そば
(保良真牛が沖縄上り参れば
宮古全島の村々の男達は
鍬をとってたがやす苦労も忘れ
金をもうけ、ゆたかな島になるだろう)〉
(「宮古島庶民史」稲村賢敷/三一書房)

「漲水ぬクイチャー」の元々は「人頭税廃止のクイチャー」といい、
その名の通り、人頭税という税制にかかわる唄ということです。
保良真牛(たいらもうし)は人頭税廃止運動に携わった人の名前です。

※(「近世琉球の租税制度と人頭税」人頭税に関わる宮古・八重山の歌謡 杉本信夫/沖縄国際大学南島文化研究所 編/日本経済評論社)より

(続く)

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