日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ・・・・、

玄洋庵文庫

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軽い言葉で終わらない国会論戦を!


ようやく第196通常国会が始まった。「モリ・カケだ!、モリ・カケだ!」と聞くべき相手のいない荒野に向かって叫んで春夏秋冬を過ぎてみれば、「この上、まだそんな昔のことをやるの?」と言いたい政府与党の作戦が実に良く奏功して、「モリ・カケ」など叫んでいると時代の進歩から遅れているような気分になるから不思議なものだ。
事態は何も解決していないし、何も「進歩」していないのにである。しかし、お屠蘇を呑んで、顔を洗って国会が始まってみれば、首相の施政方針演説には「モリ・カケ」はもちろん、まして「スパ」も無し。まつろわぬ奥羽列藩同盟の民に向かって会津出身山川健次郎が後に東大総長になったことをもって、長州が創った「明治150年」を寿ぐ誘い水を散布するという離れ業、実に敵ながらアッパレと、筆者はまずはあきれはてた次第である。
「一般会計総額は17年度当初予算比03%増の977128億円と過去最大。安倍晋三首相の看板政策『人づくり革命』や『生産性革命』などの関連施策を盛り込んだ。3月末までの成立を目指す」(2018/01/22 時事通信)。
やけに「革命」がいたるところに散りばめられている。長州出身の安倍氏として、また岸信介の孫として、「革命」などという過激な言葉は<余の辞書には存在しない>と主張すべきところをいとも軽くさかんに使う。これもまた奥羽列藩同盟ならぬ共産主義者・左翼への言語堕落の誘いなのか?。
ちなみに「革命」をネット辞書にあたってみると、①天命が革(あらた)まること。前の王朝がくつがえって、別の王朝がかわって統治者となること。②被支配階級が、支配階級を倒して政治権力を握り、国家や社会の組織を根本的に変えること、とあって、安倍氏が喜びそうな意味は全く入っていない。そして、つけたりのように③急激な変革、「産業革命」「流通革命」などとある。
あえて言えば、安倍氏の「革命」は③の意味であろう。それにしても、「人づくり革命」とは恐ろしい。雑駁な演説からは学校授業料を公費でまかなうことを言っているようだが、もし本当に人づくりの「革命」というのであれば、恐ろしさに身震いする。人はつくるものにあらず、人は「なる」ものである。炊いたご飯に酢と砂糖をかけて寿司のイミテーションを作ってこれを東京寿司と呼んで誤魔化したのが現代の日本の寿司だ。寿司はつくるものではなく「なる」ものだと正岡子規がどこかに書いていた。人もまた教師や国が作るものではなく、寿司と同様「成る」ものだ。「人づくり革命」は御免蒙る。
「生産性革命」などはもはや時代錯誤も甚だしい。いま、この国の一見良い景気を作っているもの、それは他でもない、安い賃金で非正規で働く労働者が労働人口の半分を占めているからだ。彼らが安く雇用されるのは国内製品の輸出価格を下げるためだ。労賃の安さと、量的緩和で価値が4割減った日本のお金円のドル換算の安さで企業が挙げる利益が株価に景気をつけていることを好況と呼ぶからだ。しかし、その生産の中心はすでに日本を離れ、もはやアフリカ大陸に達しようとしている。単純なモノの生産社会はそこで行き止まりとなる運命にある。「生産性革命」の果てはアメリカのラストベルトの後を忠実に追うだけであろうと、筆者は考えるがどうだ?。
安倍氏は「全員正規雇用」とのリップサービスも施政方針演説でしゃべっていた。言葉面だけは大変結構だが、「生産性革命」のなれの果てに、ついに「非正規雇用」なみの給与所得の「正規雇用」が待っているのではないだろうか???。
いい加減な軽い言葉で終わらない国会論戦を求めたい。

 

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