日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ・・・・、

玄洋庵文庫

すべて表示

安倍政権の黄昏と共に原発の時代は終わる


「経団連の中西宏明会長は15日の定例記者会見で、東京電力福島第1原発事故後に停止している原発について『再稼働をどんどんやるべきだ』と述べた。エネルギー政策のあり方をめぐり国民的な議論が必要だとの認識も示した。中西氏は『(立地、周辺)自治体が(再稼働に)イエスといわない。これで動かせない』と強調。こうした状況の打開に向けて『電力会社の責任では片付かない。だから(公開で)討論しないといけない』と語った(2019/01/15 産経新聞)。

中西氏は、経営者としての自らの判断力の無さを隠ぺいしようというのであろう。イングランドウェールズ北部アングルシー島で計画されていた「ウィルファ・ニューウィッド(Wylfa Newydd)原発」のリプレース計画に乗せられて、瞬く間に3000億円の損失をつくってしまった経営者。その失敗を隠ぺいせんと強気の発言をして見せたのであろう?

そもそも彼は、この無謀な計画から撤退を表明した年初には、原発で発電してそれを売る商売の電力会社が儲からないというのであれば、原子力はもうだめだという否定的とも解釈できる見解を述べていた。それが突如180度違うことを言い出した。後ろに操り人形師か、脅迫者がいるに違いない。

色眼鏡を外してみれば見えてくる筈だが、もはや世界を見渡して、歴史的にはるか前を走っていた原子力メーカー、アメリカのジェネラルイエレクトリック(GE)社、ウェスティング・ハウス(HW)社を筆頭に、ドイツのシーメンス社、フランスのアレバ社、それに原発技術の元祖といえば英国、日本の原発技術はそのコールダーホール型原発からの技術で始まった。これら原子力エネルギーの歴史をリードした錚々たる先進国と企業がほぼすべてこのマーケットを後にした。筆者が大学入学直後に学内で開かれた「原子の火シンポジウム」に参加して胸をとどろかせた時代、これらの企業の技術紹介は魔法の輝きを放って今も胸躍る記憶となっている。

しかし、これら先進企業がすべて原子力業界から撤退を判断した動機はすべからく我らが<福島第一原子力発電所における「絶望的事故」>が起源となっている。その重大な責任を負っているこの国に日立・東芝・三菱と世界に無比の原子炉三大メーカーが存在していて、それらが展開してきた原子力ビジネスがことごとく失敗してきたというのにこの発言である。狂気の沙汰という以外に言葉が見つからない。

中西氏はそもそも原子力畑を歩いてきた人ではないが、それがここまで核に情熱をたぎらしてきたのは後ろに安倍晋三首相、経済産業省とそこに巣食う原子力ムラからのエンカレッジがあるためであろうが、もはやアナクロニズム以外の何物でもない。福島第一原発は沸騰水型(BWR)原子炉で日立・東芝はこの失敗原子炉メーカーである。その意味でも技術市場での売り口上に事欠く企業だ。安全対策を何重にも求められてしまうであろうからコストで太刀打ちできない。欧米先進企業が撤退した後に中国やインドなど後発国が受け継いでいくであろう原子炉市場、価格競争で勝てる見込みも皆無である。

件の中西宏明氏は多くの財界人が名を連ねる安倍首相の後援会「四季の会」や「さくら会」の有力メンバーだが、英原発計画も安倍氏の肝いりで継続していたもの。これがついに破綻したのである。どうやら原発の時代は安倍政権の黄昏と共に終幕に至る宿命にあるもののようだ。

その他の最新記事

すべて表示

記事がありません。


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事