日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ・・・・、

玄洋庵文庫

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稲作について面白い話を聴いた


猛暑に音を上げる人間様を尻目に我が世の夏を謳歌しているのが田んぼのイネたちだ。実に良く分蘖(ぶんけつ=根元付近から新芽が伸びて株分かれする事)して、一株に多いものでは100本もの茎が育っている。文字通り「一粒万倍」である。このまま、天変地異に晒されなければ今年の秋は豊作間違いなしであろう。

いまや、日に一人当たり60円分しかコメを食べないという日本人にとってコメの豊作が良い事かどうかは疑わしい。が、出来栄えの良い田んぼを見るのはいつでもこころ安らかな気分にさせてもらえるからありがたい。筆者にとって、よほど戦後の飢餓時代の記憶が潜在意識を占有しているのであろうが、その後遺症に今さらながら驚く今日この頃ではある。

そんな立派な作柄の田んぼの持主の若いお百姓さんが水見に来ていたので、ここまで成功した秘訣を田の畦道で聞いてみた。そのポイントはこうだという。

彼は、それまで大事を取って田植えの際、植え付ける苗の本数を3本以上としていた。しかし、農協から買ってくる苗代の代金もバカにならないので、2本、1本と年来減らしていったという。すると少なくすればするほど分蘖数が増えたというのである。どうやら、稲は他人同士を束ねて密植すると相互に戦い合って栄養分を取り合うためか、おたがい疲弊してしまうらしい。一人で伸び伸びと根をはびこらせられるようにしてやるとその方がずっと結果的に多くの本数に育つというのである。つまり、アツガイは分蘖量が少なくなってしまい収穫量も減少するというわけだ。学校の教室でのいじめなどもこれと同じで、アツガイにすると子供たちの知的生育が悪化してしまうかも知れない。

深刻な財政赤字に悩む政府は、小中学校のクラス編成「35人学級」を「40人学級」に復活させたい意向を持ち続けている。しかも、過疎地の学校を統合して、今まで通学距離の限界を小学校4キロ・中学校6キロメートルとしていたのを延長してよいとか、つまり、学校統合を進めたいのである。あの、坪井栄の「24の瞳」の学校の撲滅である。

イネと人間を同一に論じるわけにもいくまいが、やはりアツガイは良くないのではないかと、稲妻の鳴り響く夕暮れ時、芳香をさかんに発する稲穂を見ながらひとしきり考え込んだのだが・・・・

 

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