日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ・・・・、

全体表示

[ リスト ]

このニュースは、多くの人々に相当な驚きをもって聞かれたのではないでしょうか。ついにここまで来たかという驚きをもって。

思い起こせば、我が家に初めてTV受像機がお目見えしたのが日立製の木製コンソール型受像機でした。昭和34年(1959)秋のこと。この年918日に甲府放送局がJOKG-TVというコールサインで放送開始。そこで勇んで買ってはみたものの、山が邪魔して映るのはゴーストだけ。音声もマルチパスを通過して受信されるためにビリついて何をしゃべっているのか全く不明。仕方なく、甲府より早く導入された長野県の美ヶ原から5chNHK総合)と11ch(信越放送SBC)のノイズだらけの映像を受信したものです。

そんな筆者にとっては思い出深き日立製TV受像機の生産がついに停止するという。その限りでは些細な個人的ノスタルジーに過ぎないのですが、国家レベルで言えばこれは大変な「事件」ですし、歴史的な大事件でもあります。時あたかもTVの地上波デジタル化が完成して、歴史が一掃されたその時に天下の日立製作所がドル箱商品から撤退するというのですからこれは尋常一様なことではありません。

もとよりこの会社は総合電機メーカーという重電を主力として成長してきたトップメーカーであって、家電は後から参入してきたという意味では小回りに難のあるぎこちなさはあったかもしれませんが、技術力では他の追随を許さないトップを走っていたのも事実です。結局ボリュームゾーンへの参入に失敗したということなのでしょう。つまり、韓国メーカーの追い上げに敗北したということだと思います。

この「事件」は、日本の同業他社にも間違いなく感染することでしょう。そして、それがTV受像機に限ったことではなく、様々な家電製品やIT関連商品においても起こってくることだと容易に想像されます。なぜこんなことになってきたのでしょう。

今や、「モノを造って売る」というだけでは先進国のメーカーは生きていけません。その「モノ」の設計製造のためのイノベーションが停滞するのは時間の問題ですから、停滞が始まると後発国のメーカーが追随してきます。時間と共にその絶対距離が縮小してしまうからです。

モノを作って売るのと同時に、消費者にわたった「モノ」が「コト」を起こすように作られた商品である必要があったのです。日立のTVはすぐれ「モノ」でしたが、「コト」を起こす力が皆無である以上、残るはコスト競争のみ。韓国製やがて中国製に敗北するのは早晩時間の問題だったのです。
 
 

制作著作 伊藤 洋 http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/itoyo.html

 

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事