日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ・・・・、

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大手ゼネコン鹿島建設が請け負った倉敷のJX日鉱日石エネルギー(株)水島製油所の海底トンネル工事落盤事故には労働安全衛生法違反や、地質調査の手抜きなどを含む業務上過失致死傷容疑もあるようです。5人の死者を出してしまいましたが、新聞報道によればこの死者には当の請負企業鹿島建設や発注元のJX日鉱日石の社員は一人も含まれていませんでした。もとより請負や発注企業の社員が含まれていなくてはいけない道理はありませんから、それはそれで良いのですが、何か釈然としないものを感じます。それというのも、この種の事件では常にこういうパターンにしかならないからです。

この事件では、二つの工場間で生成過程の流体(石油等)をやり取りするために既存の海底トンネルが作られていて、その時の地質データをもとにして、別の場所に第二トンネルを作ったということのようです。つまり、第一トンネル建設の経験から水深30メートル下でトンネルを掘れば地盤が決壊することはないという前提を鵜呑みにして着工したということのようです。ここには、コストをできるだけかけずに工事を始めようという思いが見て取れます。このことは同時に危険をもコスト削減の中に呑み込んでしまったということを表しています。

危険を呑みこんだコスト削減を実現するには、下請け・孫請け企業に仕事を課していくことで可能となるということだったのでしょう。こうして命を失うのは下請けの労働者ばかり。報道を見ている限り、被害者然としている発注企業(JX日鉱日石エネルギー)が居ますが、元を正せばここが安いコストの発注をしたところから一連の不幸な構造が出来上がっていくということも忘れてはなりません。

こういう構造は、原子力発電所の定期検査などにおける危険な労働なども全く同じです。あそこで、被爆労働を強いられているのは給与の高い電力会社の正社員ではなく、何重もの段階を経た最下層下請の名も無い組織の未組織労働者です(樋口健二著『これが原発だ 〜カメラがとらえた被曝者〜』岩波ジュニア新書)。

つまり、このことは、私たちの社会を持続的に維持していくには、「ヒトの上にヒトをつくり、ヒトの下にヒトをつくる」仕組みが無ければならないということを表しています。こういう仕組みが無ければ成り立たない社会の先に明るい未来があるとは思えません。

こういう事件をきっかけにして、格差に依存しない社会原理を考えていきたいものです。

 

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