日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ・・・・、

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騙される者が悪い

 第二次世界大戦が終わった後で、「私たちは騙されていた」という声がそれこそほうはいとしてわき起こってきました。それについて映画監督の伊丹万作がエッセイに書いています。
「だまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。このことは、過去の日本が、外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実、個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた事実とまつたくその本質を等しくするものである。そして、このことはまた、同時にあのような専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである。」(伊丹万作『戦争責任者の問題』)
いま、「特定秘密保護法」を前にして、日本人は文字通り「歴史はくりかえす」というその歴史の現場を通過しているようです。そして、その伝で言えば何年か十何年後かに、私たち日本人は再び「誰によってだまされたのか?」という論争をしていることでしょう。
その答えは、歴史年表を繰りながら安倍晋三という人に騙されたというのかもしれないが、それは違う。彼にかくも強大な権力を与えたのは国民であることを、来たるべき残酷な歴史を前にして今しっかり確認しておく必要があります。そして伊丹万作が言うように「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」ということを今こそしっかり確認し合ったうえで、この法律が生産するであろう歴史の結果を個々人の一身に引き受ける覚悟をすべきでありましょう。
 
Blogは、今日(日米開戦記念日前日)をもって無期限休載とします。長い間、ご愛読ありがとうございました。2013127日 筆者敬白
 
芭蕉のことなら
制作著作 伊藤 洋 http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/itoyo.html

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伊藤洋先生
該博な知識と鋭い批判精神に貫かれた「日々是好日日記」にいろいろ学ばさせて頂きました。長らくの健筆に敬意を表します。
ちょっと悲観的な最後の「騙される者が悪い」を読んで、マルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』の第1章、冒頭の「ヘーゲルはどこかでのべている。すべての世界史的な大事件や大人物はいわば二度あらわれるものだ、と。一度目は悲劇として、二度めは茶番として、と…」を思い出しました。恐らく安倍晋三は国民を騙しきる前に2度目の不本意な退陣になるのではと思います。 削除

2013/12/7(土) 午前 10:51 [ 浅川 保 ] 返信する

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