「百錬自得」 剣道 達人への道

「守 破 離」を実践、稽古の中から剣道理論の考察

ビデオ撮影

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ここ10日ほど投稿しなかったのは自分の稽古を数回撮影しそれを稽古後に観ているとイメージと違うところが多すぎ何を書いていいものかと思っているうちに今日になりました。

少し原因とその因果関係がこうではないかという点がありましたので書いてみたいと思います。

左握りを小指半掛けをやめ深い目にしっかり握るよう変更したことは書きましたが、小指半掛けで握る場合竹刀を持ち上げるのに自分が思っていた以上に右手使っていたようで、現在左手で竹刀の重量のほとんどを持つぐらいしっかり握っているのですがどうも半掛けの時の右手の使い方になっているようで、右手で握りすぎているようです。

その対策として出来るだけ軽く右手を使うようにしているのですが指使いを変更する必要があるようです。
今、一つアイデアがあるのですが検証段階なので今回は触れませんが、
前回試合のビデオを観て感じた、足幅(前後)がイメージより広いという点が広くとるようにしてもそんなに開いていないに変わりました、足を開くということはあまり評価されないでしょうが現実問題実戦では右踵ラインが左親指ラインというわけには行きません、自然に歩む歩幅という方もおられますが剣道を科学するでは0Cm。20Cm、65Cmと足幅と打突時間についてデータを取っていましたが(上部グラフ参照)どの間合いも広い方がはるかに速い結果が出ていました、40Cmも測定してほしいところですが。

私自身も55Cmから60Cmぐらいは開いていると思います、これはわざと広くするように悪いとされることを現在試合ではしています、しかしそれは足だけを広くすればよいという単純なことではありません、それによる技術の変化が必要と考えています。

話は長くなりましたが私は足幅が広いことは実戦においては決して悪いことだと現在は思っていない、広い足幅を取るにはその技術が必要であるということです。

第5のテコ

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全体的な考え方に大きく影響を与えた第5のテコという考え方。
第4のテコで左手で竹刀を持ち上げる時に生じるテコを書きましたが、私はこの左手の掛が重要だと考えていました、上の写真は右手ですが同じような位置に左手の支点があると考えていました、この左手の支点を使い竹刀の重量を支え右手に竹刀の重量を掛けないことにより右手は打つなどの動きに専念でき竹刀を持ち上げる力を使わない分素早く動作出来力みがなく起こりがよくなると考えています。

しかし最近右手にもこの効果が生じるのではないかと考え考察しています。

第4のテコ

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3つのテコについて以前に書きましたが、第4のテコがあるのではと。
上図のように竹刀を持ち上げることにより体を上に引き上げる、または竹刀を引きつけることにより体を前に押し出す方向に力が生まれるのではないでしょうか、ある本には体の力を内力、外から受ける力を外力と表現していましたが、外力の一番は重力です、重力を上手に利用することも技術の一つだと感じます。

その本の代表的外力(重力)の使い方は、体を前傾に倒すことにより重力で床方向に力が働きます、その力を前方に進む力に返還させると書かれていました。

感覚だけなのかもしれませんが第4のテコがあるのではないでしょうか。

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◆竹刀についての考察(2)
鍔についての考察
私は鍔を3種類使っています、それはそれぞれ重さが違うからです、35g、45g、55gと10gづつ異なります。特に35gと55gの鍔では竹刀につけた時全く異なった、別物である感覚があります。試しに20g程度の重りを付けてみると体感できると思います。

実際重い鍔が良いか、軽量のものが良いかは分かりませんが、剣道に大きく影響するのは感じます。

話は変わりますが、先日イチロー選手のインタビュー番組で現在使用しているバットを選んだ経緯が述べられていましたが、彼はバット工場で直感的に現在のタイプを多くの中から選び、これで打てないのは自分が悪いと考えたらしく、それ以来他のタイプのものは手に感覚が残るので握るのも避けるようです。

私は色々試さないと気がすまない方なので、どうなのでしょうか・・・

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打突動作の考察(4)

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◆打突動作の考察(4)
素振りのタイミングの考察で述べました、図(6-3)(6-4)では後ろ足は引きつけ終わり、左後ろ足に十分体重がかかり振り下ろし、全身のテコが有効に作用することが必要だと考えていることを述べました。

しかし私が見るに多くの方が左後ろ足が引きつけ終わる前、まだ開いている状態で振り終えているのを多く見ます、これでは腰が十分入った素振りにはならないと考えています。

剣先に力を十分伝えるためには、例えば日本刀で上から下に切り下ろす又は、斧で木を割る時など作用点に大きな力を働かすためには、前傾姿勢で振るよりむしろ後方にそるような形の方が大きな力が生まれるのではないでしょうか。

全剣連の指導者講習会で実際面を付けすり足での面打ち等での注意点で、(6-4)の形の時にその地点で止まる、溜まるようにすることが言われ、打突後体が前に流れないよう指導を受けたことがあります。

では実際踏み込んで打つ場合後ろ足が引きつけられ打つことは出来ません、(7-3)の形の時、(6-4)と同じ全身のテコを使うことになります。
この事により打突ポイントが相手との線上どこでも可能となり、相手の動きに臨機応変に対応することが出来る、近間、遠間、中間全てで有効打突を繰り出せると考えています。

逆に(7-3)のポイントで打突と同時に右足が着床する場合、打突ポイントが点になり、つぼにはまれば最大の力を発揮するでしょうが、相手の動きに対応が難しく、特にそういう方は近間に弱く、踏み込めないと打つ機会を見出せないことを感じます。

しかし打突と同時に右足が着床する場合が決してないのではありません、ただ私の場合基本を図7の流れにイメージしています。


打突動作の考察(3)

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◆打突動作の考察(3)
打突のタイミングの考察

ここで一番述べたいことは、図(7-3)打突の瞬間踏み込んだ足の状態です、初心者の時こんな指導を受けませんでしたか、「打つ時に踏み込み足右足が床に着くに合わせて打ちなさい。」、最近読んだ指導書には、「踏み込む足の音と面を打つ音がひとつになるのがいい面打ち」と書かれていました。

はたしてこれは正しいのでしょうか、図(7-3)は打突の瞬間を絵で示したものです、打突の瞬間には右踏み込み足は床についていません、現実多くの打突の瞬間をとらえた写真は右踏み込み足は床についていません。

たびたび本文からの抜粋でご紹介しています、「剣道科学的上達法」の気剣体の一致では「剣道中級者以上では打撃後右足の着床が見られ、初心者は着床後打撃する傾向にある」
また、「運動学的に考えれば、右足着床は前進にマイナスに働き前進を妨げる要素となる、それに比べ中級者以上は左後ろ蹴り足により得た速度をそのまま利用して打突しその直後に右足が着床する」

現実普通に稽古を積めばそのように打突しているのです。

ここで問題にしたいのは、頭にある認識と、実際行われていることの「ズレ」についてです。

現実図(7-3)のように打突しその直後に右足が着床する動きをしているのに、頭では打つ時に踏み込み足右足が床に着くに合わせて打つイメージの方が意外に多いのではないでしょうか、私はそうでした、これにより様々な弊害があると考えています、それについて述べたいと思います。

特に分かりやすいのは「面に対した小手を打つ場合」相手の面に対して右踏み込み足が打突と同時に着床した場合、体が沈み後ろ足が残ったり、打突の冴がなく有効打突になりにくい、また打突後体の動きも止まりやすくなります。

簡単な実験をすれば分かりやすいと思います。
椅子に腰をかけ、構え、面がくるとイメージして、それに対して小手を打ってみて下さい、打って後引き上げる時に足が着床しませんか、また手足を同時に合わせて打つと腰が曲がりませんか、どうでしょう。

私の言わんとすることがご理解頂けたでしょうか、私がご説明したように「打突後に右足が着床する」現実はそのように動いているのに、頭のイメージでは同時にしようとしている、これは問題ではないでしょうか。

実際に相手と向かい合いゆっくりの動作で面に対して小手打ってみて同時にした場合1本となるような形になるでしょうか。一度試してみてはどうでしょう。

図7についての全体的な動きについて。
(7-1)から(7-2)ついては足については自由に動かしてよいと思います、ただし(7-2)の時点から打ちにかかる時は十分左後ろ足に体重がかかり重心を支える感じにして下さい。(自由に動いてよいという事に関しては又別の機会に考察します、今回はそこまでふれずにおきます。)

(7-3)は上記で述べたように着床前に打突、その時重要なことは、腰が伸びテコについての考察で述べた全身のテコが使えていることが重要です、この時腰が曲がりつんのめるようになるとその後動きが不可能になります。

打突後右踏み込み足が着床する時には後ろ足はすでに引きつけにかかり、(7-4)の竹刀が跳ね返り直後にはすでに左足は引付をおえ、左足に体重がかかり次の動作に十分な姿勢となることが重要だと考えます。

この動きを簡単に説明すると、左後ろ足で蹴り、右足が着床同時に左足を引きつけ、左足に体重を速やかに移し、右足を上げる動作をすれば分かりやすいと思います。

また実際の面打ちでは(7-4)の時点で左足が右足を追い越し前に出し、その左足で再度大きく前に出るような動きをしてみると、体重移動と前進の感じが分かりやすいと思います、また打突後の速やかなぬけを体感できると思います。

(7-3)の時点で右踏み込み足が着床していると体は前傾姿勢を戻すのに余分な力が必要となり、その姿勢から左足が開いた時間が長くなり引付が遅くなる、打突後も前傾の姿勢のまま動き、右足に体重がかかる時間帯が長く、右足をスケートボードに乗せ後ろ足でおすようなイメージの前進となる。

打突後上半身を追い越すように下半身が動くにはこういった打突のタイミングが必要であると考えています。

コメントに実際、足と手がずれていると姿勢が悪く、次の動作に移行するのが遅くなります。とありましたので再度素振りのタイミングと打突のタイミングと全身のテコとの関係を示しながら説明したいと考えています。

Q.中学生の時は対戦相手からとても嫌がられる剣道でした 変な癖があるとかそういうわけではなく、応じ技が得意だったせいだと思うのですが、それが高校になって顧問の先生のお考えで「相手から見てやりにくい剣道をする人が勝つのは相手のレベ ルが低いからだ」と言われ、現在、剣道のスタイルを変えられている状態です、とにかく前に出て相手の懐に入る、後ろに下がると怒られると言います。面返し胴が得意だったのですが今は、全く打てなくなっています。

A.非常によくあることだと思います。
ご子息の剣道を拝見したこととがないので一般論というか私の考えを述べさせて頂きます。
高校生ぐらいですと待って相手の動きに応じた方が勝つ確立は上がると思います、それはその先生が言われたのと違うかもしれませんが、75%ぐらいの高校生はそんなにレベルは高くないと思います、だから不用意に攻めるより、相手が動いた、打ちに来たその隙を突いたり、そういう相手はあまり稽古を積んでいないので技と技の合間に打つ機会が多くあります、そういう機会を攻めた方が格下の相手とする場合リスクが少ないと思います。

兵法に、攻めて勝つには3倍の力必要であると記されたものもあるぐらい、相手が弱くても攻めるだけで勝つのは困難だと思います。

それがあるレベル以上になると待つとやられます、それは構えた時にある程度感じるものです、そこで色々な攻防が生まれます、それを制する後有効打突が生まれます。と言えばそこまでですが、剣道の場合ある意味飛び道具のようなところがあり、竹刀の先より速く動く人間はいません、だから必ず勝つという保証はない、だから怖さが誰にでもあります。

少し話がそれたかも知れませんが、基本は「構える→攻める→打つ→残心を示す」です、その攻めるということがここでひとつ問題になっているのだと思います。
攻めには様々なケースがあります、ご質問にある「面返し胴」の場合、面に来るのを待って返すのは簡単ですが、それ以外に攻められるとやられる可能性は上がります、自分から攻めを利かし相手が面を打つに仕向けそれを返すのは高等技術となります、見た目に同じ面返し胴でもプロセスが違えば大きく違ってきます。

ご子息は先に打つことを考えすぎて応じられなくなっているのでないでしょうか、攻めるということは先に打つということでは決してないと私は考えます。
私の高校時代の恩師は「弱い奴ほど先に打つ」とよく言われてました。

もうひとつ「下がる」ということですが、剣道では「下がるな」とよく言われます、私も実際よく言われましたし、よく言います。
そして下がることを私もよしとしません、それは精神的な要素が多分にあると思います、極端な例かもしれませんが、下がって逃げて結果1本拾って勝った、前に出て攻めて懇親の一打を出し敗れた、剣道だけでなく人間の行う何かはその人を映す鏡のようなものです、ひとつは剣道になにを求めるかで違いがあるのかも知れません。

しかし反面勝負は勝ちたいものです。

下がることは良いか悪いか、私には結論は出せませんが、剣道形で7本目では相手のあたりに対して引いて受けます、最近行われている「木刀による基本技稽古法」でも小手すり上げ面をする場合、すり上げるとき左後ろ足を引きます。

試合、実践において下がらないだけの力があれば良いのでしょうが、現実そうはいかないと私は思います。

Q.竹刀についてなのですが、息子は去年の4月から12月の9ヶ月で28本もの竹刀を割ってます 練習量はとても多いし、仕方の無いことなのかとも思いますが、私の高校の時はそんなに割れなかったので、スナップが利いてなくて、割れてしまうのかなと・・・不思議です 真竹を使っても同様です下世話な質問で恐縮ですが、先生はおいくらぐらいの竹刀をお使いでしょうか?

A.握りについての考察で述べましたが、「打つ時にしぼりなさい」と教えられていましたので、その時は非常に竹刀を折らない方でしたが、現在の握りや、テコの理論に変えてからは私も恐ろしいくらい折れるようになりました。

竹刀についての考察の続きで書こうと思っていましたが、まず価格から、2000円〜7500円(竹のみ)ぐらいまで色々使いましたが、折れると価格は全く関係ありません、私の経験での話ですがかえって高いものほどよく折れます、手を加えすぎなのでしょうか、現在一番よく使っているのは2000円程度のもので竹の感じはどちらかというと小学生が使うあまり乾燥させていないいわゆる安物です、これが一番折れないし、形的に胴張り、直刀型はなじみません、4000、5000円出しても一振りで折れるものは折れます。

いろんな理由であまりお勧めしませんが、カーボン竹刀を基本練習だけでも使うのも一手です、私も1本必ず入れています、基本練習をする稽古会では時々使います、特に突きや逆胴の基本練習を多くする稽古会では使います、また小中学生の相手をする時は使うことも多いです。

良い回答が出来ていないかもしれませんが、何かありましたらまた。

打突動作の考察(2)

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◆打突動作の考察(2)
素振りのタイミングの考察

図6は素振りの一連の動きを4つのポイントで分割した図です。
(6-1)は構えから下半身始動で少し前右足が前に出たところです。
ここでのポイントは下半身から腰、腰で突き上げるように竹刀が起きてくる、そんなイメージで始動します。

その時左手首を起こし、左手で持ち上げるイメージで、右手には竹刀を持ち上げる力を出来るだけ感じさせない、右手は振り上げる意識ではなく振り上げる動きの時も絶えず右手は打つ意識で(6-2)の形に至る。

(6-2)ではすでに全身のテコ(打突動作の考察(1)3つのテコ参照)が使われる準備が十分されていなければならない、(6-2)でのポイントは右前足が静止した時点では、すでに振りかぶる動作は終了し、左後ろ足をひきつけにかかると同じくして、振り下ろす動作に入る。

初期の場合このタイミングをつかむために、右前足が前に出てとまった時、振りかぶりの頂点にあわすように意識すると分かりやすいと思いますが、ゴルフをされる方は分かるかもしれませんが、ゴルフでトップの位置という表現をしますが、トップでは静止するのではなく、振りあがる最大のところでは、下半身はすでに振り下ろす方向に動き出し、竹刀が振りかぶる方向の動きが終わる前に体は打つ動作に入っているということです。

簡単に言えばトップの位置で止まるのではなく、切り返すということです、が最初分かりにくい場合、(6-1)から動きだし(6-2)の形を静止さしてみると分かりやすいと思います。

(6-2)から(6-3)は、上記でも述べましたが、後ろ左足をひきつけながら、振り下ろす動作に入り、ひきつけ終わると同時に振り終わるでも良いのでしょうが、私は(6-3)のようにひきつけ終わり左足、左腰に十分体重が移り、左後ろ足が軸となり、全身のテコ及びその他のテコも使い(6-4)をむかえる、この時握りについての考察でも述べましたが、絞るということはしません、「つかむ」という感覚ですので、そして竹刀のテコ、手の内のテコが作用し、剣先は止まるのではなく、ふるう感じとなります。

素振りにおいて最も私とはちがうタイプの方は上半身は(6-4)の振り終えた状態であるが、下半身は(6-2)までは開いていませんが、俗に言う後ろ足が残り竹刀を振り終えた後、左後ろ足をひきつける、こういう人は多くの割合でおられます。

事実私もそのように振っていました、上記説明のように変化した経緯は、全剣連の講習会での説明で、「ひきつけ振り下ろす」と(6-4)の打突地点(実際に面をつけすり足で打突)で体は前に流れず、「そこにたまるように」と説明がありました。その事かきっかけで現在のように変化しました。

現在の振り方に変えて大きく変化した事は、返し技、応じ技に幅が出来たと感じています、特に「面返し胴」は飛躍的に精度が上がったと思います。
返し技や近か間が苦手な方は素振りのタイミングを変えてみると解決すると思います。

ミーハーな言い方ですが、若い頃高段者の先生方が若い元気よい選手の素早い面をいともたやすく胴に返す、そんなことが出来るようになりたかったのは私だけでしょうか。

「一拍子の打ち」「打突のタイミング」はここで一緒に書くつもりでしたが相当長くなりそうなのでまた。


打突動作の考察(1)

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◆打突動作の考察(1)
打突動作でつかわれる3つのテコ。

全日本剣道連盟発行の剣道社会体育教本に「剣道技術構造論」基本打突の技術的要素という項目があり、そこにはこう記載されています。

「正しく竹刀を保持し、合理的に力強く、素早く打突するためには、‘テコの原理”を活用することが重要である。」

上図は教本に記載されたものに独自の考えをプラスした図です。

●第1のテコ(8-1)竹刀のテコ
私にとってこの図は衝撃的なものでした、それは竹刀は左手で持ち、右手で操作し打つという感覚がありましたので、図8-1の右手が支点、左手が力点とは逆の感覚でした、私には左手が支点、右手が力点の感覚がありました。

皆様はどうでしょうか。

私はこの図を見てからこういう質問を学生によくしました。
「竹刀はどちらの手で振りますか?」
私の経験では100%左手で振ると答えます。

つづけてこう質問します。
「左手でどのようしてに振りますか?」
学生は首をかしげたり、困惑したりしながら、左手を動かしたりします。

皆様はどうでしょうか。

私は、「竹刀は両手で振ると考えています。」

私の第1のテコの使い方は、構えた時には左手の方がしっかり竹刀を支え(支点)で右手は柔らかく持ち動作(力点)であるが、
打突に向かい右手は打突部位に向け押し出され、打突の刹那右手に支点の役割が起こり、左手は手前に引かれ力点の作用をし、
その後以前に握りについての考察で述べたように、右手は打突直後は少し開きぎみから、竹刀の跳ね返りをつかむ感覚になる、その時左手はまた支点の役割が強くなり、左手で持っている感覚になる。

よく分からないかも知れませんが、私はそんなイメージです。

●第2のテコ(8-2)手の内のテコ
先に述べた剣道社会体育教本では、支点の黒点は親指の上にうたれていました、私の場合握りについての考察で述べたように、中指を中心に握りますので、支点の位置は中指の位置に来ることになります。

ここで再度握りについて考えたいと思います。
このテコを使おうとする時、以前握りについての考察で述べたようにもともとは、小指から順に薬指、中指と力を入れ小指中心に3本の指で握っていました、現実そう握っている方は多いのでないでしょうか。

その場合、手の内のテコは使えないのではないでしょうか、私も十数年前にこの図を見たときは取り入れることは出来ませんでした。

現在このテコを使うことが出来るのは、握りを変えたからだと考えています。

第1のテコで述べた、私の打突時のイメージで支点の移りや、第1のテコを円滑に行うためには、第2のテコを使う必要があると考えています、そのため握りも現在の形に変化することが必然的だったように感じています。

●第3のテコ(8-3)全身のテコ
剣道社会体育教本では、支点を示す黒点は肩にのみありましたが、それだけでは成立しない感覚が私にはあります、肩を支点にする場合腰に支点がなければ剣道の打突動作では成立しない、作用点が剣先、もの打ちとすると肩が支点だけでは十分力を発揮できないと考えます。

私が考える全身のテコでは、支点は腰を中心に、肩、左足の踵の3点にあり、力点は腕の振り、背筋、足の蹴り伸ばしの一連の動きで、竹刀に合理的に力強く、素早い打突を実現できると考えています。

特に頭を支える首から足先に、板バネのように3つの支点が一体となる感覚が必要だと考えます。

もちろんこの第3全身のテコに連動し第1、第2のテコも円滑に機能することが重要です。

この事をふまえ実際の素振りや面、小手打突動作の考察をしたいと思います。


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◆握りについての考察(2)
ここでは左手の握り位置について考察します。

私の場合以前にも述べましたが、若い頃は小手からの連続技を得意にしていました、なので左手握り位置は、写真(1-6)のように柄頭を○内の位置に引っ掛けるようし、持つと言うより手首を使いテコの要領で竹刀の重量を支えていました、この事により左手で容易に竹刀を持つことが出来、また右手には竹刀の重量をあまり感じず、打突時に右手は打つことに専念でき、右手で竹刀を持ち上げるという動作に力を使わない分連続で速い打ちが出来たと思います。

現在では、写真(1-4)の○位置くらいに柄頭がくる「小指半掛け」写真(1-5)で握っています、この握り方は、警視庁の先生があるDVDで紹介されていたのを試したのが始まりでした。
しっくりするまでかなりの時間がかかったのと、試行錯誤を繰り返しました。この握りにすることで様々なところに変化がでます、特に違ってくるところは肩関節のように手の内で動き、剣先の動く幅が大きくなります、逆に動きすぎてそのために相手につけこまれることが初期段階では多くありました。

「小指半掛け」で握る場合、柄は太いものを使うのをおすすめします、これは握りについての考察(3)「どの指で握るか」にも関係しますが、もともと左手小指に掛かり易い細めのものを好んでいましたが、現在では太いものを好んで使用しています。

余談ですが、相手の出ばなに合わす片手突きが得意とまではいきませんが、有効打の一つでした、以前の握りだと突いた瞬間握りがずれましたが、半掛けにするとずれることはなくなりましたが、反面剣先の安定感が悪いのでしょうか、突きを捕らえる率は低くなりました。
半掛け以外の持ち方で片手突きする場合、突く瞬間、親指、人差し指、中指で握ると意外にしっかるするのではないでしょうか。

一般的には写真(1-7)のように小指が柄頭にくるのが多いのでしょうか、現代小学生高学年以上に説明する場合、柄頭が小手から飛び出さない位置から半掛けの幅をもたせて説明しています、「後は自分で考えろ」と言ってます。

ある講習会で、ある八段の先生がこうおっしゃっていました、「剣道はこうでなければならない、ということはない。」
ちょっと気が楽になりませんか?
小指半掛けも、八段の先生方でも賛否があるようです。

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