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 金星。英語名:ヴィーナス。日本語の「金」星は、中国の五行思想に由来することは、水星と同様である。ヴィーナスは、ローマ神話のヴェヌス、ギリシア神話のアフロディーテで、即ち、美と愛の女神である。

 明け方の東の空に輝く、明けの明星、金星は、その美しさと明るさから、西洋では美の女神の名前が、東洋では土中に光輝く「金」(金属)の名が当てられたのである。

 金星は、水星の次に太陽に近い惑星で、水星と地球の間の軌道を公転している。太陽からの距離は、約10,800万km=0.72天文単位で、太陽と地球の距離の約3分の2に当たる。

 即ち、太陽系の惑星は、約5,000万km強の間隔で、水星・金星・地球が並んでいる。

 金星の赤道面における直系は、12,103.6kmで、地球の95%程度で、ほぼ、同じ大きさである。質量は、地球の約82%、太陽系全体に対する比率は、わずか、0.00024%である。

 太陽系の8個惑星の内、大きさと密度が、最も地球に類似しているため、地球の姉妹惑星とも呼ばれる。なお、水星と同様、金星にも衛星は存在しない。

 金星は、太陽から10,800万kmの距離を、224.7日で公転する。即ち、金星の1年は、224日であるため、地球の1年(365日)と比較すると、約3分の2である。

 故に、金星と地球の会合周期(金星と地球が最も近付く周期)は、584日となる。

 太陽系の惑星の中でも、金星の際立った特徴の一つが、自転の向きである。水星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星は、全て、同じ方向に自転している。

 地球上では、太陽が東から昇るのと同様、他の惑星でも、太陽は東から昇る。しかし、唯一、金星のみは逆向きで、金星上では、太陽は西から昇り、東に沈むのである。

 加えて、自転の速度も遅く、金星の自転周期は、116.8日。金星の1日は、地球時間では、116.8日=2803時間となる。

 金星は、太陽と月を除けば、地球上から最も明るく輝く星である。最大光輝は、マイナス4.7等。ヴィーナスの名を冠するに相応しい美しさである。

 金星が明るく見える理由は、地球からの距離と大きさ、そして、厚い雲である。金星と地球の距離は、約6,000万km。最大で、4,000万kmまで接近する。

 また、記述した様に、金星の赤道直径は地球の95%の大きさで、火星よりも大きい。更に、金星は、厚い雲に覆われている。その雲の反射率は、0.78と非常に高い。

 故に、金星は、その厚い雲によって、太陽の光を最大限に反射し、光り輝くのである。

 その金星を覆う厚い雲の正体は、濃硫酸である。硫酸(H2SO4)は、酸性の液体で、硫黄の化合物である。特に濃硫酸は、強力な酸化力や、脱水作用を有するため、モノを溶かし、人間の皮膚を火傷させる。

 その濃硫酸の雲の下には、二酸化炭素を主成分とする、大気が広がっている。大気圧は高く、90気圧。地球の水深900mの深さに相当する。

 膨大な量の二酸化炭素と、濃硫酸の厚い雲に覆われているため、温室効果が生じて、金星の地表の平均温度は、摂氏460度に達する。

 金星よりも太陽に近い、水星の昼の平均温度が、摂氏400度のため、金星は、水星よりも高温の世界が広がるのである。

 余りにも高温のために、濃硫酸の雲から、硫酸の雨が降るが、地表に達する前に蒸発し、液体では存在できない。実際、金星の地表には、水は存在しない。

 美の女神と称えられ、東の空に輝く「明けの明星」は、硫酸と二酸化炭素に覆われた、生命にとって過酷な世界なのである。


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