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H.003【獅子の時代】弐

 平沼銑次の弟、鉱造は、下北半島での生活に嫌気がさして、東京に出ると、会津攻めの官軍の司令官、板垣退助の書生になっていた。

 しかし、徴兵によって、西南戦争に従軍し、戦功を挙げて、軍人として身を立てることになる。

 明治十年の西南戦争の頃には、最早、明治維新の敗者達の中にも、新国家に参画する、逞しい人物が登場していたのである。

 不撓不屈で、反骨精神の塊の様な、平沼銑次と、生真面目な理想主義者、苅谷嘉顕は、奇しくも、家族になるという運命の下にあった。

 大竹しのぶの演じる、銑次の妹、千代が、嘉顕と結婚するのである。

 銑次は、嘉顕を人間としては認めながらも、薩摩藩士であることが気に入らないのか、妹思いの度が過ぎて、様々な難癖をつける辺りが面白い。

 それにしても、菅原文太の演じる、主人公の平沼銑次の生命力は凄まじい。

 鶴ヶ城の攻防を戦い抜き、榎本武揚達と共に北海道に渡って官軍と戦い、更に極寒の北海道を彷徨い、脱出した後には、下北半島の冬を生き抜いている。

 そして、東京に出ると、人力車の引き手になったり、パリで知り合った、瑞穂屋卯三郎の許で、商人に転身しようとするものの、挫折する。

 遂には、物語中盤において、無実の罪で服役することになる。

 銑次は、何度も死地を潜り抜け、また、重傷を負いながらも、奇跡的な回復を遂げる。

 そして、北海道の樺戸集治監へ収監されるものの、その過酷な環境の中でも、銑次は持ち前の反骨精神を捨てずに、最終的には、樺戸集治監からの脱獄を果たす。

 脱獄した後は、妹の夫、苅谷嘉顕によって、戸籍上は死んだことに偽装された。

 本作を彩るヒロインは、パリにおいて、平沼銑次・苅谷嘉顕の両名と知り合った、大原麗子の演じる、もんである。もんは、旗本の娘であったが、明治維新前に没落しており、弟を養うために芸者となる。

 その弟を演じているのが、若き日の市村正規である。

 しかし、その弟が、自堕落なダメ人間で、もんを悩ませることになる。

 更に、もんは病の身となり、哀しい末路を辿ることになるのである。

 大原麗子のもんに継ぐ、本作のヒロインは、やはり、平沼銑次の妹で、苅谷嘉顕の妻、大竹しのぶの演じる、千代であろう。

 もんとは異なり、千代は、まさに会津の女として、真面目で実直な女性として描かれている。

 しかし、芯は強く、西南戦争後、息子の嘉顕を拒み続ける、嘉顕の母に認めてもらうために、嘉顕と共に鹿児島へ赴き、義理の母の頑なな心を開くために同居。懸命に努力するのである。

 苅谷嘉顕は、官職を辞して、野に下ると、本当の意味での民衆のための憲法を目指して、憲法制定の責任者である、伊藤博文に意見書を提出する。

 伊藤は、嘉顕の意見書を理想主義的過ぎるとして受け入れなかったが、嘉顕は、独自に憲法草案を書き上げる。それを伊藤に見せるために、夜会へと押しかけるが、官憲と争いになり、殺されてしまうのである。

 正直、最終回を待たずに、もう一人の主人公が死ぬとは、全く想像していなかった。

 一方、平沼銑次は、樺戸集治監を脱獄した後、秩父に辿り着いて、秩父事件に関わることになる。

 増税や借金苦に喘ぐ農民達を救うため、自由民権運動家が加わって起こした、反政府運動は、最終的には鎮圧される。平沼銑次は、秩父でも生き延び、強きを挫き、弱きを助ける、まさに不撓不屈の英雄として、国家権力と戦い続けてゆくのである。


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