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 評価:65点/作者:ピエール・リシェ/ジャンル:歴史/出版:1974年


 『蛮族の侵入〜ゲルマン民族大移動時代』は、ローマ帝国の末期から、西ローマ帝国の滅亡後のゲルマン民族による、新たな国家の建設を描いた、歴史解説書である。

 冒頭では、ゲルマン人の習俗・文化・生活などの解説と、ローマ帝国の末期的症状を解説することで、西ローマ帝国の滅亡の要因を、帝国内部にも求めている。

 文庫クセジュは、フランス大学出版局のコレクション=クセジュで、日本では、訳書を白水社が出版している。哲学・歴史・言語など、フランス人の視点で書かれた本が多く、ヨーロッパの歴史を研究する者にとっては、宝の山である。
 
 本作は、ある意味では、18 世紀の英国の歴史家、ギボンの『ローマ帝国衰亡史』の一部抜粋及び、ダイジェスト版と言える。

 更にドイツ人、S・フィッシャー=ファビアンの著作、『原始ゲルマン民族の謎』の続きとも言える。

 上記二作品と、本作の著者との関連性は、皆無であるが、『原始ゲルマン民族の謎』を読み、本作を読んだ後に、『ローマ帝国衰亡史』を読むと、ローマ帝国の末期から、ゲルマン民族の国家建国過程が、理解し易い。

 本作は、フン族からの東ゴート族の逃走による、ゲルマン民族の大移動時代が始まるが、その後の西ゴート族とヴァレンス帝、テオドシウス帝との戦いは、簡潔な記述のみである。

 そして、スティリコの活躍に関する記述は、非常に少ない。

 西ゴート族のアラリック王のローマの略奪については、若干、詳しく描かれている。

 アラリックのローマの略奪は、410年であるが、本作は、その後、一度、406年に遡って、ガリアへのゲルマン民族への侵入について、解説している。

 406年の最後の日、ゲルマン人の三つの集団、シリング=ヴァンダル族、ハスディング=ヴァンダル族、スウェーヴ族、及び、イラン系集団のアラン族が、ライン川を渡って、ガリアに侵入する。

 そして、409年には、蛮族は、イスパニアへと侵入し、スウェーヴ族は、その地に王国を建国する。

 西ローマ皇帝ホリノウスは、西ゴート族の王、アタウルフと同盟を結び、公邸の妹のガラ=プラキディアが、アタウルフと結婚している。

 上記の様に、本作では、西ローマ帝国が、ブリタニア、イスパニア、アフリカなどが、次々と喪失する過程を、簡潔に記述している。

 そして、フン族のアッティラのガリア侵入を描いているが、アエティウスの記述は、非常に少ない。

 西ローマ帝国の滅亡については、簡潔で、オドアケルが、東ローマ皇帝のためにローマ帝国の統一を回復したと記している。

 本作は、ブルグント族、アラマン族、フランク族、ヴァンダル族による、王国の建国を記述した後、ゲルマン民族の大移動後の西欧の変動について、解説している。

 その後は、ゲルマン諸族の各国家について、記述し、ランゴバルト族のイタリア侵入で終わる。

 本作は、限られた、ページ数の中で、ゲルマン諸族の全てを解説しようとしているため、味気無さを感じるが、入門書としては、最適と思われる。



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