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 評価:75点/作者:岡田米夫/ジャンル:歴史/出版:1977年


 『神社』は、現在の東京堂書店の『日本史小百科』シリーズの第二弾。

 日本史小百科は、『天皇』『家系』『城郭』『暦』『庭園』など、全26冊に及ぶ、日本史研究には、欠かせない、シリーズである。

 なお、筆者は、地元の図書館で、1977年出版の初版を借りた。

 そのため、当時の出版社は、近藤出版社で、『神社』は、シリーズの第一弾である。

 筆者は、二カ月程の間、九州・山陰・山陽・北陸の神社、特に、一宮など、由緒の古い、古社を巡ったことがある。

 その時に、驚いたのは、稲荷神社、八幡神社等の、新しい神社を除けば、国土の開拓神、大国主命を主祭神とする、古社が、非常に多いことであった。

 その時、気付いたことは、国土の開拓とは、農耕の拡大を意味する。

 即ち、大国主命は、狩猟・漁労・採集などを中心とする、縄文人の神ではなく、農耕民族の弥生人の神である、という点である。

 即ち、「神社」そのものが、弥生人の文化ではないかと疑問に思った。

 弥生人の文化であれば、神社は、日本の土着民である、縄文人の文化ではなく、南方か、朝鮮半島経由で、稲作と共に、日本に入って来たということになる。

 その答えを探して、筆者は、神社の歴史の研究をすべく、本書を手に取ったのである。

 残念ながら、本書は、筆者の問いには、答えてくれなかった。

 本書によれば、原初的な神社の姿は、「神籬(ヒモロギ)」、即ち、神を宿し留める樹であったと言われる。

 そして、祭礼の際に、特定の場所に建築物を設けたが、祭礼の後には、撤去した。

 しかし、時代が進むと共に、人間に住居が必要ならば、神のためにも住居は必要と考え、宮殿を設けることが始まったと言われる。

 これが、現在の神社の姿、社殿の発祥である。

 神社は、人間の家と同様の意味で、神の宮殿として、誕生したのである。

 その場合、神社の建築物は、弥生時代以降に建てられたとしても、神籬が、弥生以前、即ち、縄文時代から存在していても、不思議ではない。

 縄文人が、神籬に土着神、または、氏族神が宿り、崇めており、後に弥生人が、自分達の神に、置き換えたのかもしれない。

 結局、確かなところは、わからなかったのが、残念であったので、研究を続けたい。

 本書は、「神社」の入門書と呼ぶべき、一冊である。

 前半の三分の一で、神社の基本的な知識として、「神社の建築」「祭神・神職・祭祀」「神社の社会的機能」を解説してくれる。

 その後の三分の二は、全国の著名な神社の祭神と歴史についての解説である。

 皇大神宮から始まり、賀茂神社、石清水八幡宮、伏見稲荷大社、八坂神社、住𠮷大社、熱田神宮、富士山本宮浅間神社、三島大社、氷川神社、香取神宮、鹿島神宮、建部大社、諏訪大社、気比神宮、出雲大社、宇佐八幡宮など、七十以上の神社を詳述している。

 また、付録として、上記の著名な神社以外の百近くの神社の概観を解説しているため、筆者は、古社を巡る旅において、お参りを行った、様々な神社についての知識が深まった。

 今後も、神社の研究を続けたいと思わせてくれる、一冊であった。



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