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H.014【花の乱】弐

 本作の主人公、日野富子は、実は、日野富子ではない、という設定である。

 富子の母が、酒呑童子にかどわかされて生まれたのが、椿で、日野重光の娘ではない。

 異父妹が、本物の富子であったが、彼女は、盲目になってしまったために、幼少時に姉妹が入れ替えられ、異父姉の椿が、日野富子として生きることになり、足利義政の正室となった。

 一方、盲目の本物の富子は、森侍者と呼ばれて、荒廃した京を流浪することになる。

 以上の様に、日野富子が、日野重光の娘ではないという、大胆な設定が成されているが、日野富子自体の知名度が低く、元々のイメージが皆無のため、正直、あまり意味のない設定になってしまった。

 日野富子が、悪女と呼ばれるのは、酒呑童子の血を引くからであると言われても、納得する人は、余りいないであろう。

 本作は、全体的に暗い基調で描かれている。オープニングの曲も、幽玄な雰囲気と共に、哀しい気分にさせる曲である。

 主人公の日野富子を筆頭に、足利義政・細川勝元・山名宗全等の幕府の中心人物達は、政争と戦争を繰り返して、国を荒廃させるが、下層の民は、逞しく生き抜いている。

 その筆頭が、ルー大柴の演じる、骨皮道賢である。

 本作において、最も躍動しているのは、史上最初の足軽大将と言われる、骨皮道賢であろう。

 一方、日野家の荘園では、日野富子の幼馴染で、役所浩司の演じる伊吹信綱が、惣を結成して、山城国一揆を起こす。

 この過程は、筆者の歴史観に重要な示唆を与えてくれた。

 筆者は、文明は、集権と分権を繰り返すと考えている。

 日本の律令国家は、天皇を中心に、諸国の国司を任命する、中央集権国家であったが、墾田永年私財の法によって、土地の私有化が認められると、荘園の発展と共に、律令国家は崩壊し、分権化が進行する。

 分権化の進行とは、日本という国に全ての権力が集中するのではなく、荘園領主、もしくは守護に権力が分散する過程である。

 律令国家の解体は、室町幕府の時代に更に進行し、応仁の乱に至り、「惣」と呼ばれる、農民達の自治組織が誕生する。

 権力は、遂に村単位にまで分権化が進行したのである。

 それこそが、文字通りの戦国乱世である。

 しかし、約一世紀に及ぶ、戦国時代を通じて、村単位の権力は、次第に統合を始めて、戦国大名の許への集権が始まる。

 そして、その戦国大名を束ね、天下統一を果たしたのが、豊臣秀吉であり、徳川家康である。

 即ち、日本において、最も権力が分散した時期こそが、応仁の乱の時代であり、本作、『花の乱』が描いた時代なのである。

 本作は、応仁の乱を描いた作品である。

 しかし、応仁の乱は、敵と味方が猫の目の様に変わるため、実にわかりにくい。

 八代将軍足利義政の後継者争い、細川勝元と山名宗全の対立に加えて、三管領家の一つ、畠山家を筆頭に、諸大名家の家督争いが加わる。

 しかし、市川團十郎の演じる足利義政、佐野史郎の演じる足利義視、野村萬斎の演じる細川勝元、萬屋錦之介の演じる山名宗全を除けば、著名な俳優がほとんど出演していないため、誰が誰なのか、わからなくなってしまう。

 しかも、敵と味方が入れ替わってしまうため、話の流れが余りにも掴みづらかった。

 視聴率が低かったのも、納得できる。

 応仁の乱は、日本史上でも重要な戦いであるので、「花の乱」で懲りずに、大河ドラマにおいて、再度、新しく取り扱って欲しい時代である。




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