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No.812【日本書記】壱

 評価:65点/現代語訳:宇治谷孟/ジャンル:歴史/出版:1988年


 『日本書記』は、日本に現存する、最古の正史で、『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三大実録』と続く、の六国史の第一である。

 日本最古の歴史書、『古事記』と共に、「記紀」と並称されることが多い。

 『古事記』は、冒頭の「序」に成立の経緯が記されているが、『日本書紀』は、「序」が存在せず、巻一の「神代」が始まるため、本書内では、成立の経緯が不明である。

 六国史の第二、『続日本紀』に、天武天皇の皇子、舎人親王が、天皇の命を受けて、『日本紀』の編纂に当たり、養老四年に完成したことが、記されている。

 書名は、上記の通り、当初は、『日本紀』であったとの説と、最初から、『日本書紀』であったとの説がある。

 編纂の要因は、『古事記』と同様、中大兄皇子と中臣鎌足による、蘇我入鹿の殺害、乙巳の変の際、入鹿の父の蘇我蝦夷が、邸宅を焼き、自害した時に、それ以前に編纂された、数多くの歴史書が失われたためであるとされる。

 『日本書紀』は、全三十巻から成り、巻一と巻二は、「神代」を上下に分け、「上」は、天地開闢から、大己貴神=大国主命の「出雲」の支配まで、「下」は、出雲の国譲りから、天孫降臨、日向三代までを記し、神日本磐余彦尊=神武天皇の誕生で終わる。

 巻三以降は、各々の天皇の治世期間の出来事を記した、歴史書であり、一巻に一人毎の天皇の治世を記している。

 例外は、巻四が、綏靖天皇から開化天皇までの八代を一括し、他に数巻、二人の天皇の治世を記した、巻がある。

 また、天武天皇については、壬申の乱を「上」、即位後を「下」とする、上下二巻に別れている。

 『古事記』と『日本書紀』の違いは、『古事記』が、推古天皇の治世で終わるのに対して、『日本書紀』は、凡そ、百年後の持統天皇の治世までを記している。

 また、『古事記』は、武烈天皇以降の記述が、極度に少ないのに対し、『日本書紀』は、逆に武烈天皇以降、特に、欽明天皇以降の記述が、それ以前に比較して、極度に増加する。

 奈良時代の『日本書紀』の編纂時点では、百余年前の欽明天皇の治世の頃からの記録が、豊富に残っていたため、詳細に記すことが可能だったと考えられる。

 『古事記』は、「神話」、『日本書紀』は、「歴史書」であることを実感する。

 『古事記』は、僅かに注釈が存在するのみであるが、『日本書紀』は、「一書にいう」と、本文の記述内容とは異なる、数多くの別説を掲載している。

 特に、「神代」に顕著であり、余りに多くの類似内容の別説を延々と掲載しているため、正直、若干、飽きる。

 別説には、国内に伝わる諸説のみならず、『百済紀』等の朝鮮半島の書物、「魏志」等の中国の書物の記述も登場する。

 特に中国の『三国志』の「魏志」の内容を神功皇后の巻に掲載しているため、邪馬台国の卑弥呼は、神功皇后であると暗に匂わせている。

 神功皇后の治世は、「魏志」の卑弥呼の治世と年代を一致させている。




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