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 評価:60点/監修:坂本勝/ジャンル:歴史/出版:2005年


 『図説地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀』は、タイトルの通り、『古事記』と『日本書紀』の解説書である。
 
 「青春新書INTELLIGENCE」の編集で、監修の坂本勝氏は、法政大学文学部教授。

 専任は、上代文学で、「古事記」「万葉集」等の著作、監修がある。

 『古事記』『日本書紀』は、日本古代史の知識の無い人が、現代語訳であっても、直接、読んで、理解することは、難しい。

 特に、明治維新以前の令制国、大和=奈良県、出雲=島根県、日向=宮崎県等の知識が無いと、地理感覚が、掴めない。

 また、親子・兄弟等の血縁関係に関して、系図がないために、把握と理解が難い。

 本作は、総頁の半分近くが、地図、系図、写真、比較表などの図であるため、古代史の初心者にとっては、非常に理解し易い。

 特に地図に関して、令制国名と現在の都道府県名、日本地図の中の位置関係が把握できるため、地理感覚を掴み易い。

 本書は、『古事記』と『日本書紀』を、二部構成で、別々に、取り扱っているが、両書の重複する部分は、『日本書紀』では、省略している。

 本文は、基本的に、記紀の流れに沿い、要点のみを解説しているため、初心者向きである。

 本書を読みながら、あるいは、本書を傍らに置きながら、『古事記』『日本書紀』を読むと、非常に理解できる。

 ただし、あくまで、初心者向けのため、筆者の様に、既に『古事記』『日本書紀』を読み、令制国名と位置が、頭に入っているなど、日本古代史に精通している人にとって、本書の価値は、正直、余りない。

 地図と系図が、多少、便利な程度である。

 また、本文内には、監修の坂本氏の追記なのか、『古事記』『日本書紀』の内容に関する、見解が記されている。

 しかし、戦後の日本古代史学界の風潮である、『日本書紀』の記述の否定に基づく、見解であるため、初心者を誤解に導く、恐れがある。

 筆者が、本書を重宝したのは、地図と系図である。特に、地図に関しては、大国主命の足跡などを見ると、本書には記載されていないが、矛盾を孕んでいる点が、よくわかった。

 例えば、木国=紀伊国=和歌山県に逃れた、大国主命が、次に、須佐之男命の支配する、根堅洲国に赴くが、黄泉の国の入口、黄泉比良坂は、島根県に比定されているのである。

 ただし、本書では、根堅洲国と黄泉の国は、別の場所とする、図を掲載している。

 神武東征については、『古事記』に日向から大和に至るまでの経路が詳述されているが、日本地図を掲載し、その順路を線で示してくれているため、理解し易い。

 また、「欠史八代」の天皇の陵墓の場所の地図も、大変、参考になった。

 系図に関しては、父系の系図を調べることは、簡単であるが、本書では、母についても、系図に掲載しているため、同母兄弟か、異母兄弟かが、理解し易い。

 特に天皇家の系図は、皇別氏族が、祖となる天皇は誰かを知るためには、参考になった。

 本書は、古代日本史に興味を持つ、初心者にとっては、オススメの書である。




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