【正義】と【平和】

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 マルクス・ブルータスは、カエサルが、ルビコン河を越え、ローマ内戦が開始されると、ポンペイウス派に身を投じて、ギリシアへと渡った。

 ポンペイウスは、彼の父を殺した、宿敵である。

 彼が、その宿敵の傘下に入ったのは、反カエサル派の急先鋒であり、元老院体制を堅持しようとする、叔父の小カトーの影響であったことは、間違いない。

 マルクス・ブルータスの母、セルウィリアは、カエサルに、息子を助けてくれるように、懇願していた。

 カエサルは、マルクス・ブルータスだけは、絶対に殺害してはならないと、全軍団に指令していたため、ファルサルスの敗戦後、彼は、無事に生き延びた。

 そして、逃亡先から、カエサルに手紙を送ると、自分の居場所を知らせた。

 カエサルは、安堵すると、マルクス・ブルータスの恭順を歓迎し、一切の罪を問わずに、護衛のための部隊を送って、その母のセルウィリアの許へと無事に送り届けた。

 その後、マルクス・ブルータスが、最も尊敬する、叔父の小カトーは、アフリカ属州で、カエサルとの再戦に備えるが、ブルータスは、アフリカには行かなかった。

 カエサルは、セルウィリアの願いを受け入れ、紀元前46年には、マルクス・ブルータスに、前法務官の資格を与え、北伊属州の属州総督に任命している。

 マルクス・ブルータスは、その年、三十九歳であったが、ローマの公職の経験は皆無で、無論、法務官の就任経験もなかった。

 その彼が、「前」法務官の資格を得て、北伊属州総督に就任したのは、カエサルの特別な厚遇による。

 マルクス・ブルータスが、北伊属州に赴任中に、小カトーは、タプソスの戦いにおいて、カエサルに敗北し、自害して果てた。

 マルクス・ブルータスは、属州総督の任期終了後、ローマに帰還すると、最初の妻のクラウディアと離婚した。

 そして、小カトーの娘である、ポルキア・カトニスと再婚したのである。

 ポルキアは、反カエサル派の急先鋒の一人であり、カエサルとは、同僚の執政官であった、ビブルスの未亡人であった。

 彼女にとって、カエサルは、父と夫の仇であった。
 
 二人の結婚に対し、カエサルが、異を唱えることはなかった。

 カエサルは、その後も、マルクス・ブルータスを厚遇し、紀元前44年には、首都担当の法務官に、任命している。

 カエサルが、生きている限り、彼の将来は、安泰であった。
 
 マルクス・ブルータスは、広い知識と教養の持ち主であると共に、清廉潔白で、廉直な人物として、声望が高かった。

 筆者としては、年利48%の異常な高利を貪っていた人物が、何故、清廉潔白で、廉直な人物なのか、甚だ、疑問ではあるが。
 
 マルクス・ブルータスが、ローマの枢要な公職に就いているのは、カエサルの一方的な厚遇によるもので、彼自身が、望んだわけではないことを、皆が、知っていた。

 マルクス・ブルータスは、野心、私欲に無縁な人物として、名高かったのである。
 
 カエサル暗殺の真の首謀者、カシウスは、清廉潔白、私心のない人物であると同時に、共和政ローマの創設者である、ルキウス・ブルータスの子孫、マルクス・ブルータスこそ、カエサル暗殺のシンボルに相応しいと考えたのである。





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