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 評価:65点/作者:アリステア・ホーン/ジャンル:歴史/出版:2017年


 『ナポレオン時代〜英雄は何を遺したか』は、イギリス人ジャーナリスト、アリステア・ホーンによる、ナポレオン・ボナパルト及び、その時代に関する、歴史解説書。

 翻訳者は、オハイオ大学及び、ハワイ大学大学院修士課程を修了した、翻訳家の大久保庸子である。

 ホーン氏は、ケンブリッジ大学に進学後、第二次世界大戦に空軍士官として、従軍する。

 1944年〜1947年に、英国諜報部付士官として、中東に駐在する。

 その後、修士号を取得し、1952年〜1955年には、『デイリー・テレグラフ』特派員として、ドイツに滞在した。

 ホーン氏は、1955年以降は、執筆活動に専念して、二十冊以上の単著を発表している。

 フランス史に関する、著作が多く、1993年には、フランスのレジオン・ドヌール勲章を、授与されている。

 同勲章は、ナポレオンの制定した、栄典制度である。

 2003年には、エリザベス女王から、「騎士」に叙任されており、「サー」の称号を持つ。

 イギリスとフランスの両国において、爵位及び、勲章を授与されたのである。

 ホーン氏は、本書の日本語版が出版される、七カ月前の2017年5月に、91歳で死去した。

 本書の特徴は、ナポレオンの事績の中で、最も顕著な、軍事的要素の記述は、わずかで、ナポレオンの時代の建築・文化・芸術及び、パリの様相などに焦点を当てている点にある。

 タイトルの通り、「ナポレオン時代」のフランスについて、解説している。

 ホーン氏は、「ナポレオン時代」を、実際に、ナポレオン・ボナパルトが、第一統領及び、皇帝として、フランスを支配した、1799年〜1815年ではなく、1795年〜1820年までの25年間としている。

 1795年は、ナポレオンが、「ヴァンデミエールの叛乱」を鎮圧して、パリの政界と、フランス人にとって、英雄となった年である。

 1820年は、ナポレオンが、セントヘレナ島にて、死去した年で、その25年間を「ナポレオン時代」としている。

 ホーン氏は、ナポレオン・ボナパルトが、その時代を通して、戦い続けた、敵国である、イギリス人であるためか、ナポレオンに関する、評価は低く、偉大な英雄と見てはいない。

 本書の中には、フランス人とナポレオンへの皮肉が溢れている。

 イギリスが、ナポレオンを、セントヘレナに島流しにしたことを、「このように立派な、フランスの英雄に、有罪判決を下し、あれほど、荒涼たる島に、追いやってしまうとは、イギリス人は非情過ぎた。

 ナポレオンも、射撃隊の前に立たせて、のちのち生じる問題を、減らしておくのが、情けある処遇ではなかったろうか?」と記している。

 正直、筆者は、ナポレオンを「偉大な英雄」と見ているため、本書には、不快に感じる、箇所が多いが、上記の文章に対しては、怒りさえ、感じた。

 ただし、ナポレオンの業績を、正当に評価している点もある。

 「ナポレオン法典」は無論、「パリを世界一美しい町にする」、大規模な都市計画、ルーヴル美術館の創設などである。

 本書は、ナポレオンの軍事以外の業績及び、その時代の文化に興味のある人には、オススメの一冊である。



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