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 評価:80点/公開:2014年/米国/ジャンル:文芸/監督:リドリー・スコット


 『旧約聖書』の「出エジプト記」の実写映画化。タイトルのエクソダスとは、英語では、大量出国のことであるが、元来の意味は、「出エジプト記」のヘブライ人のエジプト脱出のことである。

 本作の物語は、同じく、「出エジプト記」を映像化した、1956年のセシル・B・デミル監督の『十戒』に近い。

 約60年の時を経て、VFX技術による、映像美の各段の進歩に期待しながら、本作を見た。

 本作では、赤子のモーゼが、ナイル河に流されて、エジプトの王女に拾われる場面は存在せず、最初から、成人のエジプトの将軍として登場する。

 モーゼと、ファラオの息子である、ラムセスは、兄弟の様に育った。

 老齢のファラオのセティは、モーゼを、実の息子同然に信頼していた。

 モーゼが、実在の人物であるか、否かは、歴史上、議論の的になっているが、ヘブライの民を統合する上では、宗教的指導者が、何らかの形で、存在したと考えられている。

 「出エジプト記」に登場する、ラムセスは、王国時代の第19王朝のファラオ、ラムセス2世と考えられている。

 ラムセスが、第19王朝のファラオであれば、その父親は、セティ1世である。

 ラムセス2世は、三千年のエジプトの歴史の中でも、偉大なファラオの一人であるが、本作のラムセスは、かなり、情けない存在である。

 本作の冒頭では、ラムセス2世が、紀元前1286年に、ヒッタイトに勝利した、歴史上、実在した戦いである、カデシュの戦いが描かれている。

 カデシュの戦いの最中、ラムセスは、モーゼに命を救われる。

 モーゼは、戦いの後、ヘブライ人の奴隷を監督する、ヘゲップ総督の下へ赴き、彼の不正を暴く。

 その時、彼は、老齢のヘブライ人と出会い、自身の出生の秘密を聞かされる。

 しかし、当初、モーゼは、それを信じなかった。

 セティの死後、ラムセスが王座に就く。

 自らの不正を暴かれることを恐れた、ヘゲップ総督は、ヘブライ人の密偵から得た、モーゼが、ヘブライ人であるという情報を、ラムセスに教える。

 彼は、真相を究明し、遂に、モーゼは、自らが、ヘブライ人であると認め、追放される。

 モーゼは、紅海を渡り、荒野を彷徨するが、ツィポラと出会い、結婚する。

 二人の間には、息子のゲルショムも生まれた。

 しかし、9年後、モーゼは、禁断の山で、一人の少年と出会う。

 少年が、神なのか、神の使いなのか、本作内では、明確にはわからない。

 ユダヤ教・キリスト教では、神の姿を表現することは、禁じられているため、本作は、思い切ったことをしたと感じた。

 神の言葉により、モーゼは、再び、エジプトに戻り、ヘブライ人の解放のための戦いを始める。

 本作は、『十戒』と内容が、ほとんど、同じため、同作を見た人にとっては、物語的には、新鮮さが感じられない。

 しかし、本作の魅力は、ここからの映像美である。

 神の怒りにより、ナイル河のワニが、人を襲い、河は、真っ赤な血の色に染まる。

 河から、大量のカエルが陸に上がって、エジプト人を悩ませ、更に、カエルの死体から、ハエとアブが発生して、エジプト人を苦しめる。

 「出エジプト記」の中で有名な、海が割れる場面は、残念ながら、本作では、登場しない。

 海が干上がり、ヘブライ人が渡った後、巨大な津波が、ラムセス軍を襲うのである。

 現代のVFX技術で、海が割れる場面が見たかっただけに、大変、残念だった。



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