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 評価:80点/作者:屋敷二郎/ジャンル:歴史/出版:2016年


 『フリードリヒ大王〜祖国と寛容』は、山川出版社の「世界史リブレット〜人(Person)」シリーズの第55弾。

 後のドイツ帝国の皇帝家、ホーエンツォレルン家のプロイセン王国の国王であり、啓蒙専制君主として、有名な、フリードリヒ大王の解説書である。

 著者の屋敷二郎氏は、歴史家ではなく、日本の法学者である。専門は、西洋法制史で、一橋大学大学院法学研究科において、法学の博士号を取得し、同研究科教授を務めている。

 歴史の解説書である、本作を、法学博士が叙述したのは、フリードリヒ大王が、啓蒙専制君主として、現在に至る、法思想・国家思想に大きな影響を与えたためであろう。

 本書は、フリードリヒ大王の生涯を扱っているが、大王による、プロイセンの司法制度の整備及び、関わった人物の紹介など、法律関係の記述が多い。

 屋敷氏は、大王の法思想・国家思想、近代ドイツの家族法、特に夫婦財産法を研究対象としている。

 高校の世界史を学んだ者であれば、フリードリヒ2世(大王)は、必須の名前である。

 啓蒙主義思想によって、プロイセンの近代化を推進すると同時に、軍事的才能を発揮して、プロイセンをヨーロッパの第五の列強に押し上げた、文字通りの「大王」である。

 世界史上、欠かせない、英雄であるが、何故か、「フリードリヒ大王」に関する、単著の日本語解説書は、少ない。

 1993年に、飯塚信雄氏が、中公新書から、フリードリヒ大王の解説書を出版しているが、既に、絶版になったようである。

 本書は、ホーエンツォレルン家の歴史を記述した後、フリードリヒ2世の幼少期から、その生涯を順に辿っている。

 「世界史リブレット〜人(Person)」は、その人物の生涯を、淳に辿らずに、軍事・統治・文化などの項目別に分けて、記述しているものが多いため、正直、読みにくいが、本書は、順に辿っているため、分かり易い。

 本書は、全112頁の内、ホーエンツォレルン家に、26頁を割き、フリードリヒ2世が、誕生するのは、ようやく、27頁目である。

 しかし、ホーエンツォレルン家の歴史についての解説の存在は、後のフリードリヒ2世の政策を理解する上で、重要である。
 
 第一章の「ホーエンツォレルン家とプロイセンの伝統」の次の第二章は、「修行時代」と題して、フリードリヒ2世の誕生から、王太子として、エリザベート・クリスティーネとの結婚までを記述している。

 フリードリヒは、「軍人王」の異名を持つ、父との相性が悪く、18歳の時に、逃亡事件まで起こしている。
 
 第三章の「大王への道」は、歩兵連隊の連隊長就任から、プロイセン王としての即位、数々の戦争及び、国内統治についての解説である。

 フリードリヒ2世は、「修行時代」から、啓蒙思想家として、多数の著述があり、それを実践している。
 
 第四章の「寛容の祖国を求めて」では、七年戦争とその後の復興、法典の整備について、解説している。

 本書は、フリードリヒ大王の理解に、欠かせない、一冊である。


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