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 評価:80点/作者:桜井俊彰/ジャンル:歴史/出版:2010年


 『イングランド王国前史〜アングロサクソン七王国物語』は、日本人のエッセイストで、歴史家の桜井俊彰による、英国史の解説書。

 桜井氏は、國學院大學文学部史学科卒業後、コピーライターを経て、四十五歳の年に、英国に留学すると、ロンドン大学ユニバシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)史学科大学院中世学専攻修士課程を修了している。

 桜井氏は、学者ではないため、日本の西洋史学会には、所属していないと思われるが、本書は、日本における、西洋史の解説書史上、画期的な一冊である。

 著者自身が、本書の冒頭及び、最後に述べている様に、イングランド王国成立以前の英国、アングロサクソン七王国に関する、一般向けの解説書は、日本史上、初めてのためである。

 凡そ、小学生以上であれば、イギリスという国は、知っているし、日本人による、英国の歴史の研究書、解説書は、星の数ほど、存在する。

 しかし、1066年のウィリアム1世のノルマン・コンクェスト以前の七王国時代の解説書は、他に存在しなかったのである。

 英国史は、カエサルのブリタニア遠征に始まり、ローマの四代皇帝、クラウディウスは、ブリタニアをローマ帝国の支配下に組み込んだ。

 しかし、ローマ帝国瓦解後、ローマは、ブリタニアを放棄し、現地のブリトン人は、北方のピクト人の侵入に悩まされる。

ブリトン人の首長は、ピクト人を撃退するため、ユトランド半島、現在のデンマークのサクソン人、アングル人、ジュート人に救援要請した。

 そして、449年、ブリタニアの地に、ヘンギストとホルサのアングロサクソンの戦士達が、上陸するのである。

 アングロサクソン人は、当初は、ブリトン人の要請通り、ピクト人と戦うが、六年後の455年、ブリトン人に叛旗を翻し、ブリタニアの征服を始める。

 そして、建国されたのが、ケント、イーストアングリア、ノーサンブリア、マーシア、エセックス、ウェセックス、サセックスのアングロサクソン七王国である。

 本書は、上記の七王国の内、ケント、イーストアングリア、ノーサンブリア、マーシア、ウェセックスの五王国を、各々、章立てして、解説する。

 七王国時代の記録として、現在、残っているのは、ノーサンブリアの修道士、ベーダによる、『イングランド人民の教会史』、ウェセックス王国の編纂による、『アングロサクソン年代記』である。

 本書は、『教会史』『年代記』に基づき、日本人の知らない、アングロサクソン七王国の歴史を解説している。

 また、両書が、「八人の覇王」と呼ぶ、英雄達の内、エゼルベルト、レドワルド、エドウィン、オスワルド、エグバートについて、詳述する。

 その他、「覇王」には、選ばれていないが、有力な英雄、ペンダ、オッファを取り上げる。

 そして、最後に、イングランド史上、唯一の大王、アルフレッドについて、詳述している。

 本書は、世界史に詳しい、筆者でさえ、知らない歴史、英雄譚が、満載で、本当に面白い。

 世界史に興味がある人には、是非、オススメの一冊である。


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