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H.103【五稜郭】弐

 福沢諭吉を演じるのは、中村雅俊。

 本作では、福沢は、「維新の冷徹な傍観者」として登場し、積極的に行動するのは、最後の榎本の助命嘆願の時のみである。

 薩摩藩士の新政府軍の参謀、後の第二代総理大臣、黒田了介(清隆)を演じるのは、西郷輝彦。

 本作は、1988年12月30日、31日の二日間に渡って、放映されたため、二部構成になっている。

 一日目の「前篇 第一部 <江戸最後の日>―男たちの選択―」では、オランダに留学していた、榎本が、開陽丸と共に帰国するところから、物語が始まる。

 第一部は、幕末の最終段階、大政奉還から、江戸無血開城までを、駆け足で描いているため、第二部のための解説的要素が強く、物語性は薄い。

 第一部の物語の中心は、主に、榎本と勝の衝突であり、徹底恭順派の勝に対し、榎本は、葛藤しながらも、勝に従う。

 しかし、江戸無血開城後、徳川家の処分が決まると、遂に榎本は、幕府艦隊を率い、脱走する。

 そして、仙台を経て、蝦夷地に至るが、榎本達の「夢の船」である、開陽丸が、江差沖で、あっさり、沈没するところで、第一部が終わる。

 その間、榎本と多津の結婚が描かれると同時に、榎本及び、多津の実家である、佐藤泰然の佐藤家の様子が描かれている。

 二日目の「後篇 第二部<幻の蝦夷共和国>―函館戦争―」は、文字通り、維新の最終段階、最後の戦いである、五稜郭の戦いに、二時間以上使用している。

 榎本は、あくまで、朝廷に対し、敵対するのではなく、旧幕臣と北方の防衛のため、蝦夷地に政権を創ろうとする。

 率直に言えば、榎本は、海戦を除けば、実際に戦いに参加する場面は、非常に少ないために、主人公ではあるが、物語上、榎本に感動することは、余りない。

 箱館の捕虜の解放と、新政府軍の参謀である、黒田了介に、万国法の写しを贈った場面程度である。

 本作において、最も感動させられる人物は、予想通り、副主人公格の土方歳三である。

 榎本は、当初、土方を「死にたがり」と呼び、土方も、榎本を「西洋かぶれ」と呼んで、そりが合わなかった。

 しかし、徐々に、互いに理解し合うようになり、土方は、最終的に、大塚霍之丞に対して、「榎本を死なすな。奴は、こんな戦で、死んでいい男ではない」と厳命している。

 土方は、宮古湾海戦のアボルダージュにおいて、甲鉄に乗り移り、敵のガトリング砲を奪って、大暴れする。

 史実では、土方は、アボルダージュに参加しているが、甲鉄に乗り移ってはいない。

 しかし、物語としては、ガトリング砲を乱射する、土方の姿は、非常に盛り上がった。

 土方は、本作では、常に、左手に「誠」の旗を持ち、右手で刀を振るって、新政府軍の兵達を、次々と斬り殺す。

 鬼の新選組副長のイメージ通りである。

 そして、壮絶な戦死を遂げる。

 本作では、土方を愛する、元会津藩士の妻、井上ちか子が登場し、土方の哀しいまでの生きざまと死に様を、際立てせている。

 ちか子が、土方の遺骸を抱き、泣き叫ぶ場面は、涙無しには見られなかった。

 本作では、伊庭八郎が登場し、非常にカッコイイ。

 筆者は、伊庭が、映像化された作品を、他に知らない。

 「異人嫌い」と言っていた、伊庭が、フランス人のカズヌーブに対し、最後の銃弾を使い、介錯を頼む場面は、非常に感動したが、史実ではない。

 本作は、最後の数分、「エピローグ ウラルを越えて」と題し、降伏後の榎本が、明治新政府の高官になり、全権公使として、ロシアへと赴き、帰路、シベリアを横断する姿が描かれる。

 榎本が、五稜郭で死んだ、仲間達を想う、本作らしい、終わり方であった。



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