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 評価:75点/作者:フィリップ・コンラ/ジャンル:歴史/出版:2000年


 『レコンキスタの歴史』は、八世紀〜十五世紀に、イベリア半島のキリスト教諸王朝が、イスラムの王朝を駆逐した、国土回復運動=レコンキスタに関する、歴史解説書。

 本書は、フランス大学出版局の文庫クセジュの一冊で、白水社による、日本語訳である。

 本書の作者、フィリップ・コンラは、「訳者あとがき」によれば、1971年に、パリに近い、マント・ラ・ジョゼリのリセ・サン=テクジュペリで、歴史と地理を教えた。

 一方では、雑誌を編集し、記事を書く、ジャーナリストでもある。

 本書の訳者である、有田忠郎氏は、歴史家ではなく、フランス文学専攻で、多数の著書・訳書がある。

 本作は、レコンキスタの歴史を五章構成で、解説している。第一章は、「イスラムの覇権」と題して、711年に始まる、イスラムのイベリア半島侵入から、その征服、更に、コルドバのカリフ国の成立及び、同時期のキリスト教徒の状況を解説している。

 第二章は、「コバドンガからトレドへ」と題し、西ゴート族の貴族、ペラーヨが、722年、ムスリム軍に初めて、勝利した、伝説的なコバドンガの戦いから、1085年、西ゴート王国の首都、トレドを、カスティーリャ王国が、奪還するまでを解説している。

 第三章は、「イスパニア十字軍」と題し、モロッコのベルベル人の王朝、ムラービト朝、ムワッヒド朝とのキリスト教諸王朝の戦いを解説している。

 1212年、ラス・ナバス・デ・トロサの戦いで、キリスト教諸王朝は、勝利を治め、アンダルスの大部分を取り戻した。

 第四章は、「国土回復運動の社会」と題し、「戦争のために組織された」、イベリア半島の独特な社会について、解説している。

 レコンキスタでは、多数の騎士団が、結成された。

 また、征服した、イスラムの領土への「入植」が、展開された。

 第五章は、「グラナダの戦いからモスリコの追放まで」と題し、イベリア半島における、イスラム系最後の王朝、ナスル朝グラナダ王国と、キリスト教諸王朝の最後の戦い及び、1492年のレコンキスタの終了後、キリスト教への改宗者=モスリコの追放を解説している。

 本書を読んだ、感想を言えば、「レコンキスタ」の歴史を、172頁のみで、解説するのは、不可能である。

 キリスト教対イスラム教の戦いは、単一の王朝同士が、争ったのではない。

 イスラム教諸王朝は、781年の間に、激しい興亡を繰り返している。

 キリスト教諸王朝は、アストゥリアス、カスティーリャ、アラゴン、バルセロナ及び、ポルトガルなど、多数の王朝が、登場する。

 更に、アストゥリアス王国が、レオン王国に名前が変わるなど、余りに複雑で、全てを覚えるのは、難しい。

 更に、状況を複雑にしているのは、キリスト教諸王朝間の争い、イスラム系王諸朝間の争いによって、単純に、キリスト教対イスラム教の構図にはならない。

 キリスト教王朝とイスラム教王朝が、同盟関係を結び、他の同派の国と争うこともある。

 本書は、政治史が、大半を占めるため、複雑で、難解ではあるが、面白いと思えた、一冊である。


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