外車修理とスローロリスの冷汗と油汗

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ベンツ&BMW専用スキャナー

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エラーを表示しない故障探求はハードル高いです。

最近の車は非常に良く出来上がっているとは思うが、その反面エラー表示無しでも不具合が出ていることが時としてある。

先日拝見したAMGのR129SL6.0はその典型的パターン。

エラーとしてメーカーが認めないレベル。
 
要するに表示するには至らないが感覚的には非常に気分がよろしくない。
そんな場合我々はどう対処するか?
 
今回はエンジンのフィーリングと振れだった。これはライブデ−タを見ながら色々なことを推測し判断しなくてはならないと思う。
どのセンサー数値も問題ないレベルには納まっているがやはり気になる。
オーナーさんも同じ気持ちだろう。
新車に近い走行距離と長年の休眠生活が尾を引くのか?
まだまだ角が取れないエンジンフィーリングである。
これはエンジンやミッションの場合、味となって表現できるレベルのものであるからまだ救われる。
味と言っても必ずしも良いことばかりではない現実もある。
 

しかし、電気回路の不具合はどうだ?
 
先日E46BMWのワイパー関連のトラブルとそのシューティングテクニックを質問された。

この場合、当初ディーラーに点検依頼をしたがエラーコードが出ていないから即座に判断できないとの事。

ディーラーの見解もわかる。
しかし、自己判断とスキャナーを繋がずにする作業は非常に困難な問題を余計に誘発してしまうことを理解しないとディーラーの言い分を飲むしかない。
 
何故ならバッテリーを外す度にエラーを増やし、ヒューズを外す度にこれまたエラーを増やす。
 
そして懸命に点検したつもりが単なるエラーを増やす行為に過ぎない場合があるのが昨今の車でもあり、これらをスキャンすると途方も無い数のエラーが読み取れてしまう。
 
そうなれば無限にあるエラーをどう解釈して次のステップに進むかも判断に困る。
 
そこでディーラーはエラーが読めませんとか決定的な物がわかりませんとか苦るしい発言を強いられるわけだ。
 
その説明をフロントはどうしたのか詳細は不明だが、ぼくなら正直に「色々手を施しませんでしたか?エラーが多くて判断に時間がかかります。」と言うしかない。
 
良かれと思ったことが必要以上の遠回りとなることが多々あるのも事実だ。
 
かなり以前に書いた記事だがBMWの時計に隠された大切な連結構造。
 
このような電子的デバイスを多用するシステムに取り組むには最初にスキャンを実行し何処にどんなエラーが出ているかはっきり把握することが本来のスタート地点だ。
 
そこから事を進めるごとにエラーの変化を見極めることも大切だ。
丸一年以上もスキャンチェックをしていない車両はまず健康診断をするのがぼくの流儀だ。何もせずにとにかくスキャンが大切。
そこで出たエラーコードに対してどのように判断するかは、その担当技術者のレベルに頼るところが大きい。
 
見慣れている車両なら、どれとどれは同じ原因から出てくる可能性が高いコード。
 
これは非常に重要で注意しなくてはならないコード緊急を要しないが今後の展開を気に留めておく必要があるコードなどと全てのエラーを見るわけだ。
 
そしてとりあえず消去して、しばらく色々動作させながら試乗するのが流儀。
 
そして再度スキャンする。
 
そこでまた同じエラーがすぐに出ていればその対応、即ち本格的追及となる。このように簡単に書くが必要な時間はそれなりに必要である。
 
ジャッキアップしただけでもエラーが増える車両もある。
 
「○○を交換して機能が回復した!」などと喜ぶのはぬか喜びに過ぎない場合も多々ある。
 
脅かしではなく本当のことだ。
 
きちんと整備するしないはユーザー次第であり恐怖心を煽り立てるつもりはまるでない。
 
本当の事実を書いたまでのことだ。
 
ぼくも初めて手を入れる車両には慎重だ。
 
どんなエラーが何処に隠されているのか?
 
時々星の数ほど出てくる車両があり開いた口が塞がらないこともある。
 
でもそのハードルを越すと次回からはその線引きが出来上がり非常に対処しやすくなる。だからこそかかりつけの所を見つけておくと後々安いと思う。メンテナンスリセットなんて言わなくてもやる。
 
ここまで長く書いてしまったがそれぞれのメーカーの考え方とそのモデルの特性、システムや関連ハーネスなどを把握することが基本でありこれらを見極めておかないと、どんな優秀なスキャナーでチェックしても完全なシューティングには至らなかったり多大な時間を要してしまうこともある。
 
ぼくはエラーが出ていない場合の電子的トラブルに対処する場合上記の方法と、過去に蓄積してきた(などと書くとカッコいいが)エラーファイルとその対処方法を膨大なファイルから引き出してみることをする。
単純にその場で「解決できておめでとう!」「よかった、よかった!」ではあまりに悲しい、悲しすぎる。それにそんなに記憶力良くないし。
 
その中には、「ファイル無し○○の作動不良」などと言うものも多くあり、モデルの系統立てが不十分で探すのに時間がかかることも多い。
 
しかし、これは絶対に役立つと思いいつも簡単に消去せずファイリングはしている。
これがぼくの業であり糧でもあるからだ。
と、言いながら今夜もまたファイル探しの旅に出ます。(笑)
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エラーが直接的不具合として表れない事も多くあるのが現在のプログラムである。

この仕組みやシステムが開発、発展した経緯はやはり公害対策の壁をどう乗り切るかにあったと考察できる。
それでは何故こんなにシステムが複雑で膨大なプログラムになってしまったか?

簡単に説明しておくとこうだ。

皆さんが日常使われているパソコン、通常Windows。
これを余すことなく使い切る方は少ない、いや皆無に等しいはずである。

車の中にあるECUも同じである。データの通信速度と容量は飛躍的に上がり、緻密な制御が瞬時にできることを利用し必要最低限の燃料やタイミングを決めどんな条件でも環境や人間に優しい優れた車作りを目指す為に発展した。

その基本的な通信体形と制御技術の高速化をいいことに、他のECUとリンクして同時にそれを反映させる仕組みが随所に見られ、壊れた時の診断、修復に時間を費やす事が多くなり我々の足を引っ張っているのも事実である。

また最近のECUは使い捨てに変更された物もあり、コーディングを受け付けないタイプも出てくるなど我々を悩ませるのもこれまた事実。

この場合、以前必要であったメモリーはどこかに統合化され存在しているとしか思えない。

例えば以前記事に書いたように中古のECUを書き換えて行う作業が無理であったり新品でのテストは不可=使ったら最後、使用済みと判別されてしまうなども困った問題だ。

その理由など相方と色々議論してはみたがデータがCAN通信になり単体ECUがメモリー機能を有しない構造であるのではないかと考えた。

そうなると当然ECUの単体価格も下がる。

しかし喜べないのは我々技術者で、今まで以上にメーカー独自のシステムやプログラム構築方法を熟知する能力が必要と思われる。

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毎日の積み重ねで多くのエラーデータを蓄積して次回のトラブルに備えることは非常に大切と以前書いたことがある。
ここに来て過去の資料をひっくり返す必要がある修理があった。

OO年式のこのモデルにこのシステムは搭載されていたのか?
そんなことあったかな?

こうなると基本的部分に立ち返る必要が出てくる。

長きに渡りスキャナーを使っているとどうしても忘れてしまうこと。

それは古くなってきた車輌(あまり接する機会がない)に多くあるトラブルの追求方法である。

過去を振り返り思い出すがすでに記憶は薄い。
当時のデータはまだいい加減なもので今となっては悔やまれる部分でもある。
95年式M.ベンツ。93年式キャデラック、エルドラ。こんな車輌に限って重なるものだ。
当時は多く見てきたのにここ数年忘れかけていたキャデ....

OBD2以前の年式は点検方法からして違う。M.ベンツもしかりである。

最近のシステムに馴染みすぎている情け無い自分。

致し方なく北米サイトを検索して情報収集したりして時間がかかる。
検索するうちに記憶が蘇り事なきを得たのだが、多くの経験が足を引っ張っていたのも事実である。

当時の各メーカーの考え方を思い出せばもう少し早くたどり着けたのだろう。

また、北米などは非常にオープンで的確な情報も手に入れやすい。

ただ、気をつけなければいけないのは、すべて日本国内を走る該当車輌と同一の物が搭載されているとは限らないことだ。

似ていて非なるものとは正にこのことだ。
逆に落とし穴に落ちることもあるので注意したい。

一見ペプシみたいなカラーの飲み物、実はコカコーラ製品で味は完全なルートビアだ。(多分嫌いな方が多い飲み物である)
もうひとつは日本で言うところのファンタオレンジだ。(これを最初に飲んだらルートビアの缶も雰囲気で飲めそうに見えてくるのだがそうはいかない)

carsoftでは日本語化(ローカライズ)して使いやすい物を目指しているのだが、やはり的確な日本語表示ではない部分も見受けられこれを訂正させるのもぼくの仕事である。

OBD2オンラインスキャナーも同じである。
決められたバイト(分量)の中でどう的確に表現するか?
これで理解できる表現か?
この表現に関する仕事はプログラムを組む人間にとって難関中の難関である。
まあ当たり前のことだ。
彼らは自動車の構造や専門用語、日本で根付いている和製英語(カタカナ)などの表示表現方法を学んでいるわけがない。
だからこそ作業現場の人間が真剣に取り組み解決してやらなければ、いいスキャナーなど生まれてこないと改めて感じた。




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W215のCL600の2000年型
最近まで元気に走り回っていたと言う。

何の不具合もなくごく普通に動いてはいたらしい。

「近頃少しだけエンジンの振動が多くなった気がする。」「ついでにオイル漏れも気になるから...」などとご依頼を受け出張で健康診断を実施することとなった。
スキャナー(診断機)によるものである。

ショートテスト(簡易的なトータル診断)では何年もの間スキャンされた形跡はなくエラーコードを山ほど連発してくれた。
現状で20個もあったので全てを詳細にシングルテストするのにもかなりの時間が必要だったのは事実だ。

しかし、いつも書くようにエラーコード全てが今後致命的なものへと変化するものばかりではない。

それをひとつずつ見極めるのも我々の大切な仕事である。

また同時にメカニカルな部分も拝見した。
簡単ではあるが不具合の部位の特定も出来たが詳細はお預かりしてからになると思う。

何の不具合も異音もなく元気に動いてはいたのだが結果は惨憺たるものである。

ME(エンジンをマネージメントするECU)には点火不良を裏付ける内容が目白押しに出てきた。

社外品のAV(ナビなど)を導入してからコーディングしていないのかそのままか?
メーター関係も不具合が出ていた。
現在の車輌はコネクターひとつ外してもエラーは完璧に記憶され残り続ける。
オーディオ専門店で取り付けたからと言ってもそこまでしっかり把握してエラーを消去後納車してくれるところは少ないと思う。

積もり積もったエラーの中から本当に重要なものは何か?と選別していくには時間がかかると以前記事に書いたように、今夜はこれから拾い上げたエラーファイルを再度見直して関連性や重要性など総合的に判断する作業が待っている。

前に書いたようにその場で判断できない(安易にするのは間違えと思う)。

最近の車輌に対してスキャナーを操作している方々なら関連項目に問題がないか、など気になる部分ではないだろうか?

ぼくはユーザーさんに、不具合を説明する時にエラー項目は当然ではあるが、これに関連する項目やECUの上下関係なども踏まえて理解できるようにお話しさせていただいている。

エラーコードと内容を見せて「ここが悪いです」では何とも情けない話し。
今後起こりうる不具合の予測などをお話しして予防策まで提案させていただいている。

それでも診断料は同じ。(利益があがりませんな〜(苦笑))

今回も活躍したスキャナーは、深くまでスキャンできるcarsoftだ。
このW215CLが車輌に残した記録、(灰皿のライトバルブが切れたことまでエラーとして記録している。)
そこで「ついでに灰皿のバルブ切れ直しておきますよ」と簡単に言えれば利益は上がるのかな?(笑)


上記は前回のお話し。

あれから急いで廃車予定の車輌に再度トライした。
やはりcarsoftではメータークラスター内にマイレージやシリアルを埋め込むことはできない。
当然である。
いとも簡単にできたらそれこそ犯罪の温床となる。
少し知恵があればかなり色々なことができてしまう。

古いデータを新しく同じものに移し変えることはできる。
例えば古いメーターのデータを新しいメータにとか古いDMEデータを新しいDMEに移すことはできる。(コーディング)
今回はLCMのみにデータがあり、それをその他に書き込むことが必要なので親密に付き合いのあるディーラーの方にお願いした次第である。
問題の無い廃車予定車をベースに(ハーネスは完璧と思われたので)作業していただいた。

見事にすべて復活をしたのだ!
しかし、最後の難関。
何故問題の車輌ではデータのコピーは取れてもそれを入れ込むことが出来なかったのか?先日も書いたようにやはりデータ読み合わせ専用のラインが存在する。(恥を忍んでディーラーに聞いてみた)

確証はつかめた!そのデータラインに問題がある!修復されたボディを分解してハーネスを詳細に調べたら被覆は大丈夫だが一度衝撃で伸びて中が断線したものがみつかった!
これが問題のラインであった。これさえ大丈夫なら最初から遠回りすることもなかったのだろう。

普段は問題なく動いていても書き換えなどの時に起きるトラブルは非常に奥が深く恐ろしいと強く感じた事例であった。
スキャナーだけではわからなかったし、自分の頭の中身に新しい回路が出来上がったとも思えるような出来事であった。

聞けば現在のBMWは上書きの回数まで制限があり無制限にアップデートすることは不可能だと言う。

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