華麗に舞った剣士たち

剣道で記録と記憶に残る少年〜青年〜中年剣士を追いかけます

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2017全国高校選抜を振り返る

九学の3回戦の相手は浜名。
浜名は、「全国選抜をうらなう」でも書いたが、楠、長田という強力な2枚看板を有し、
静岡勢としては初の全国選抜入賞も目指せるチームとして注目してきた。
しかし、この全国選抜において浜名は不運にも、
極めて過酷な組み合わせに直面していた。
1回戦が龍谷、2回戦が土浦日大、3回戦が九州学院。
決勝トーナメントと間違えてしまうレベルだ。

さて浜名は1回戦の相手、龍谷に対し、
副将の長田が中山にメンを決め、この1本で勝利した。
選抜は1回戦で沈んだ龍谷だったが、
この数日後の魁星旗では、王者九州学院に、
4大大会において4年ぶりに土をつけ一躍、大注目のチームとなる。
その龍谷を完封した浜名を褒めるべきだろう。

浜名の2回戦の相手は土浦日大。
土浦日大は、続く魁星旗では3位入賞を果たしたやはり実力校。
副将の長田に回ってきたところで0-1のビハインド。
しかし、浜名の真骨頂はここからだ。
副将の長田で追いつき、
楠がなんと、あの強い比佐に対してメン・コテの2本を奪って
見事な逆転勝利を勝ち取ったのには驚いた。
この2人がいれば、もしかすると九学にも対抗できるのでは。
多くの人がそんなふうに思ったのではないだろうか。

3回戦 九学vs浜名
今日の近本は、たとえ誰であろうとも触れば火傷するレベルの強さだ。
先鋒引き分けの後、近本がストレート勝ち。
次鋒の2本勝ちはチームにとってズシリと重い。
中堅が引き分け。
九学リードのまま、副将の長尾が登場。
ここで浜名の長田が1本でも返しておけば、あるいはという場面だったが、
九学の長尾は強かった。メンと反則で長田を退けた。
この段階で浜名の春は終わった。

しかし、浜名は確かに、春日井に春の旋風を巻き起こした。

そして、もう一つの静岡代表の磐田東がすごいことをやってのけていた。
本大会でも屈指の優勝候補だった島原を1回戦で下してしまったのである。
しかも5人全員が1年生というから驚いた。
島原戦は、先鋒から大将まで5引き分け。
代表戦は、島原のあの志築に対し、磐田東は1年生の野瀬俊也である。
野瀬は大阪の蒲生中出身。中学時代は大阪2位、全中では個人戦BEST16。
この野瀬の執念のコテが炸裂!!!
代表戦をものにした。

しかし続く2回戦で水戸葵陵に大将戦で惜しくも敗れる。
1回戦が島原で2回戦が水戸葵陵とは、浜名にも劣らぬ過酷な組み合わせ。
何か静岡に恨みを持った人が決めたような組合せだ。

しかし、その逆境をものともせずに頑張った浜名と磐田東は、
静岡の星であり、今後がますます楽しみなチームである。


さて九学の準々決勝の相手は育英。

育英は選抜では8年ぶりとなる準々決勝進出だ。
ここまで日本航空、高千穂、秋田商と強豪チームを破って勝ち上がってきた。
大将の横藤、そして1年生副将の松澤の2人は鉄壁のコンビ。
さらに今回中堅に入っている1年生の榊原がよい。
日本航空を相手に、育英は榊原の1本で勝利した。
また前半戦のヤマだった高千穂戦は、大将戦で横藤が清家からメンを奪って勝利した。

さて、この育英に対して九学は、
先鋒が引き分けの後、
次鋒は絶好調の近本が、
高橋がメンにくるところ、しっかりと受けてドウを返す。
近本の反応はすこぶるよい。
圧巻は2本目。
高橋が剣先を下げてグッと間合いに入る。何かを狙ったのだろう。
しかし、その間合いは近本にとっては一足一刀圏内だった。
素早く飛んでメンを打ちぬいた。

剣風は決して似ているとは言えないが、
このスピードは父譲りなのではないだろうか。

私は、父の近本巧氏をかつて日本最速のメンを打つ男と勝手に認定した。
あの凄まじい稲妻のようなメンを間近で見たら驚愕しか覚えない。
2003年の全日本選手権の近本巧選手のメンはまさに神技。
私は雲の上の人を見るように、遠くから憧れの眼差しを向けていた。
それだけに、数年前に大阪で初めて巧氏と話ができた時には大変嬉しく思った。
全日本選手権のあの衝撃の時、息子の太郎選手はまだ3歳。
父の日本一の雄姿を覚えているのだろうか。
太郎選手は父を尊敬していることには違いないだろう。
何かのインタビューで太郎選手が、
「将来は愛知県警に入って全日本選手権で優勝したいです」と言っていた記憶がある。
父とはタイプは違うが、九学での地獄のような武者修行が彼を大きく伸ばしているに違いない。

今さらだが九州学院はとんでもなく選手層がぶ厚い。
岩切、長尾の後ろ2人はまず不動だろう。
そして昨年からのレギュラーである黒木と
2年生エースの重黒木が中堅あるいは次鋒に入る。

先鋒を誰にもってくるかというところが問題だ。
昨年の先鋒は鈴木雄弥が八面六臂の活躍をした。
一昨年は2年生の梶谷が史上最強の先鋒と言っても過言ではない強さを見せた。
先鋒が勝つというのは、九学の勝利の方程式であったはずだ。

しかし、今年はその先鋒に悩む。

岩切、長尾、黒木、重黒木ともう一人。
候補は大勢いる。
近本太郎に加え、九学中出身の今福、師岡。そして児島の新3年生。
さらには、新2年生には、九学中出身で全国道場選手権個人2位の深水皓斗、
そして東松舘大将の小川大輝もいる。
考えてみればとんでもない贅沢な悩みだ。

しかし、今回の選抜の様子を見れば、
近本が先鋒として、昨年の鈴木に匹敵する仕事ができると確信する。


さて話を戻そう。

育英戦、
中堅が引き分けて、
副将は長尾の登場だ。
相手は松澤尚輝。1年生の中では全国屈指の選手だろう。
松澤は茨城の結城尚武館出身。そう、国士舘大の宮本敬太の後輩である。
茨城から遥々育英に剣道留学だ。
しかしここは長尾が一枚上手、二段打ちのメンを見事に決めた。
大将戦を待たずして九学が勝利を決めた瞬間である。

大将はこれも屈指の大将である横藤が、
岩切の出端にコテを決め1本勝ちする健闘を見せた。


さあ、全国選抜もいよいよ大詰めに入ってきた。

九学の準決勝の相手は、久しぶりに3位以内入賞を果たした桐蔭学園。

桐蔭学園は大将の森山竜成が絶対的な存在だ。
堂々とした剣風。何よりも肝の座り方が違う。まさに大将の器である。

森山は歴代の大将の面々、そう、例えば、
菊川省吾、杉本健介、雨谷武蔵、田中達也、成田辰訓、村上雷多、田島純一といった錚々たるメンバーにも肩を並べる実力とポテンシャルを有していると思う。

今回の選抜でも、
初戦の青森北は、4-1の大差で勝利したが、
2回戦からは、大将の森山が奮闘し僅差を制してきた。

2回戦の星稜戦は大将まで5人が引き分け。
代表戦となるも森山が落ち着いて鍋谷にメンを決め勝利。

3回戦の長野日大戦も先鋒から5引き分け。
本日2度目の代表戦を森山がやはりメンで制した。

そして準々決勝の佐野日大戦。
この試合も副将まで4引き分け。
大将戦で、やはり関東屈指の大将である但馬をメンで倒した。

3試合連続で森山が決めた。
逆に言えば、3試合で勝ったのは森山だけという
若干の不安を残して九学との対戦を迎えた。


九学vs桐蔭学園

面白いと思ったのは、この試合を戦う10名の中に、
2014年全中団体優勝の潮田中(神奈川)メンバー4人が入っているということだ。
当時の潮田中、
大将の森山、副将の南波、中堅の北村、先鋒の重黒木の4人が
つまり安房に行った佐藤蓮以外が、九学と桐蔭学園に集まってしまったのだ。

さて試合の方であるが、先鋒が引き分け。
そして次鋒戦では、本日絶好調の九学・近本がメンで先制する。
この1本のまま、大将戦を迎えた。

3年前の全中個人チャンピオンの岩切と
全中団体チャンピオン大将の森山。
さらに言えば3年前の関東中学校大会、個人チャンピオンと2位の2人。
中学時代から、まさにこの学年の代表する2人である。
団体戦としてはもちろん、個人的にも非常に興味深い試合だ。

さて、勝負の行方は。

(次回に続く)
【文中敬称略】

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2017全国高校選抜を振り返る

だいぶ遅くなってしまったが、春の2大大会について
とにかく書き残しておきたいことをつれづれなるままに記すことにする。


まずは全国選抜。
九州学院が5連覇という偉業を成し遂げた。

それはおいといて、
今年から全試合トーナメントとなって何が変わったか。
リーグ戦でもトーナメントでも1試合の重みはそう変わらないと思うのだが、
代表戦が18試合もあったことは、
もしかするとこの試合方式の変更と何かの因果関係があるのかもしれない。

今年は64チームのトーナメント、試合数はn-1=63試合。
そのうち18試合、実に28.5%が代表戦という代表戦オンパレードだった。
昨年までの48チームのリーグ&トーナメント方式の試合数も計63試合で、
今年も昨年も全く同じ試合数である。

そこで過去5年間の全国選抜とインターハイの代表戦の数を調べてみた。
予選リーグには代表戦がないため、
両チーム引き分けに終わった試合は代表戦だったと仮定して計算した。

2016年選抜が12試合、IHが6試合。
2015年選抜が16試合、IHが10試合。
2014年選抜が10試合、IHが8試合。
2013年選抜が9試合、IHが4試合。
2012年選抜が6試合、IHが3試合。

今年の選抜の代表戦18試合というのは圧倒的に多い。
トーナメントでは1回でも負ければそこで終わり。
つまりはそれだけ慎重にならざるを得なかったとも考えられるし、
また、いつも以上に各チームの力が均衡し接戦だったことを物語っている。

圧倒的に強い選手がいるチームなら代表戦は有利だ。
ちなみに、今大会、代表戦を2回戦った選手が4名いる。
桐蔭学園の森山
東福岡の中山
明豊の武蔵
東海大浦安の元吉だ。
そのうち森山と中山が2連勝でチームを救った。
すごい精神力だと思う。

そして、今大会印象的だった代表戦を2試合紹介しよう。
1試合目が、3回戦の佐野日大vs筑紫台戦。

副将までで筑紫台が2(2)-1(1)とリード。
しかも筑紫台の大将は福岡屈指の強い強い百田だ。
百田は1回戦では酒田光陵の小松を、
2回戦では四国の雄である帝京第五の山崎を
いずれも大将戦で破って勝ち上がってきている。
大将戦にめっぽう強いあの百田に対して、
佐野日大は1本勝ちでようやく代表戦。
ところが佐野日大の但馬がとんでもない力を発揮した。
さらに代表戦でも同じ対戦。ここでも但馬が勝負強さを見せた。


そしてなんと言っても、圧巻は
準々決勝の水戸葵陵vs東海大札幌。

先鋒・次鋒が引き分け、
中堅は岩部と廣澤。
岩部は1年生としては全国3本指に入るだろう。
ここまでの3試合は全勝だ。
対する廣澤は昨年の新人戦では1年生にして北海道チャンピオンで
小田とともに今年の強い東海大札幌のツートップを形成する。
これはいい勝負になると思った。

ところが、勝負というものはわからないものだ。
なんと岩部が2本取られて敗れたのだ。

続く副将戦は引き分け。

あらら、えらいこっちゃ。
大将戦で、葵陵は寒川が2本勝ちしてようやく代表戦。
相手は小田だ。
そう簡単に勝たせてくれる相手ではない。
どうやってあの小田から2本獲れるのか。
ほとんど絶体絶命。

寒川vs小田
はじめの合図と同時に小田がグイと踏み込みメンに飛んだ。
早々に1本決めてダメ押しを狙ったか。

しかし寒川が冷静にコテで押さえた。
まずは1本。

しかし、1本負けでもいい小田が長身を活かして攻める攻める。
攻めこそが最大の防御でもあると言わんばかりに。
鍔迫り合いから離れ際。
寒川が真っ直ぐ下がる、
そしてメンだ!
綺麗な引きメンだ。
赤旗が挙がった。

なんと、寒川が小田から2本獲った。
そして代表戦。
水戸葵陵はもちろん寒川。
そして札幌は先ほど2本勝ちを収めた廣澤だ。
勝負は五分と五分。
代表戦も延長となった。
廣澤が一歩踏み込んだ。
一旦竹刀を担いでからメンに飛ぶ。
これに対して寒川が刺しメンで応じる。
相メンを見事に寒川が制した。

何という事だ。
絶体絶命の地獄の淵から這い上がった水戸葵陵。
寒川の勝負強さは半端じゃないぞ。
この後、いかなる強豪チームが来ようと、
寒川まで回せば水戸葵陵に軍配があがろう。
そう思わせるような強さだった。


さて、代表戦話はこのくらいにして。
優勝した九州学院であるが、
1回戦から僅差の勝負となった。
相手は本庄第一。
結局は次鋒の近本が取ったドウ1本で勝負が決まった。
5連覇がかかる初戦は特に緊張したに違いない。
しかも相手の本庄第一は地力のあるチームだ。
現に本庄第一は続く魁星旗では東海大札幌を破ってBEST8入りをしている。

続く2回戦の九学の相手は中央学院。
先鋒は重黒木と宮内。
重黒木は2人の兄をずっと見てきたが、
とにかく3人とも皆、打突のタイミングが絶妙
ただ、同じ高校時代を比較すると末っ子の祐介に最も力強さを感じる。
宮内の出端に放った見事なコテ。
最近の選手がよくやる体をぐっと持って行って刺すようなコテ。
ではなく、上から叩きつけるようなコテだ。
これが見事に決まる。
2本目は兄弟のDNAを受け継ぐような絶妙のタイミングの相メン。
うーん強い。
相手の宮内も続く魁星旗では、13勝1敗4引き分けという獅子奮迅の働きを見せる。
この宮内を完封した重黒木。
九学の先鋒として最高の働きを見せた。

続く次鋒の近本。
伊藤に対して、タイミング外し角度をつけたメン。
昨年の梶谷を彷彿とさせるテクニカルな1本だ。
近本は結論から言えば、選抜6戦して1本も奪われることなく全勝。
優秀選手に選ばれたが、間違いなく九学5連覇の最高の立役者となった。

次鋒までで2-0。
九学圧勝かと思われたが、
中央学院の副将・栗田がコテの2本勝ちで意地を見せる。
九学の大将・岩切は、よく前年の怪物・星子と比較されるが、
いずれにしてもとんでもない大器であることには違いない。
もちろん実力は全国1・2位を争うトップレベル。
あとは大将としての実践を積むことによって、
どんな状況で自分に回ってきても
最大のパフォーマンスと結果を残せるまでになれるか
というところにかかっているだろう。

一方、中央学院の大将・藤田は
前回も書いたが、これまた隠れた大器。
もしかすると、ということも考えられたが結果は引分けで、九学が3回戦に進んだ。

(次回に続く)
【文中敬称略】

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■魁星旗2日目雑感

魁星旗2日目雑感(走り書き)


書きたいことは山ほどあるのですが、
とにかく驚いたことをメモ代わりに書きます。
おそらく、全国的にはあまり見られていないであろうチームの話です。


魁星旗2日目が終わり、
BEST16が出そろった。
九学、水戸葵陵、島原、筑紫台、東海大札幌、奈良大附属など
強豪校が順当に勝ち上がる。
明日が楽しみだ。

しかし、波乱がなかったわけではない。

東福岡が初戦で敗れるという大波乱。
相手は、白鴎大足利。
栃木県では佐野日大、小山に次ぐNo.3。
しかし、上位2校がきわめて強いため、
全国的には白鴎大足利を知る人は少ないのではないだろうか。

白鴎足利は昨日の1回戦では先鋒の野村が相手を全員撃破。

そして2回戦の相手は選抜3位の東福岡。
白鴎の先鋒・野村が東の先鋒・竹中に勝利、
そして次鋒と引き分け。

ここまではまだありうる展開かもしれない。
ところが次の2人も引き分け。
ついに東福岡の大将・中山が引っ張り出された。
しかし、中山はまだ1年生だが、
今回の全国選抜でも、代表戦を2度も制し、
凄まじい勝負強さを発揮した。

副将の川島は引き分けでも勝ちだが、中山ならきっと逆転するだろう。
多くの人がそう思ったのではないだろうか。

ところが川島、引き分けるどころか中山からメンを2本奪ってしまったには驚いた。
「東福岡が初戦で負けたぞ」
「相手はどこ? え? 白鴎足利?」
こんな会話が全国津々浦々でかわされたのではないだろうか。

さらに3回戦の相手は、これまた強豪の立教新座。
立教は昭島中央少年剣友会出身の中嶋を中心に全国レベルのチームだ。
もっと言えば、先日の関東近県大会では、白鴎は立教に0-4で完敗している。
その立教相手に、先鋒野村が怒涛の3人抜き。
さらに副将と引き分けて、次鋒の小野のところで中嶋を引っ張り出した。
小野が引き分けで、なんと3人残しで勝利。

これは白鴎足利、このまま水戸葵陵までをも喰ってしまうのか。
そんな気すらしてしまった。

続く4回戦の相手は中央学院(千葉)だ。


中央学院は、今年初の全国選抜出場を果たした。
私は、中央学院の選抜の戦いぶりにも感動した。
ここで少し中央学院の話になる。

中央学院は、
林佐登美、井谷栄人という強力な2人の日体大OBが指導する。
林佐登美と言えば、鹿児島商工(現樟南)でIHと玉竜旗で優勝している、
私にとってはその当時から知っているスター選手である。

また中央学院と言えば、2008年IHで2年生の槇貢がBEST8に入ったことで注目を集めたが、
意外や意外、団体での全国出場はこの選抜が初めてだった。

選抜予選で大活躍したのは、中央学院を引っ張る藤田瑞輝だ。
本命の安房と、さらに学館浦安をいずれも大将戦で破った男である。
身長185cmの大柄で頼りになる選手に大きな可能性を見た。

その中央学院が、
選抜の初戦では、全中準優勝チームの高知と対戦。
そしてここでもまた大将戦となり、藤田が東野を相手に勝利を決めた。

2回戦の相手は、王者九州学院。
先鋒・次鋒と重黒木・近本の黄金コンビにやられるも、
なんと、副将の栗田が黒木に2本勝ち。
1-2で大将戦に持ち込んだ。
藤田は岩切をも撃破するかと期待されたが、引き分け。
惜しくも王者の前に敗れた。

結果を言えば選抜2回戦敗退チームだが、価値ある試合をした殊勲チームだと思う。

長くなったが、この中央学院と白鴎足利が4回戦で対決。
今日、ここまで鬼のような強さを見せた白鴎足利だが、
中央学院の先鋒宮内にいきなり3人抜きされ、3人残しで敗れた。

白鴎足利は、今回の魁星旗ではBEST32だったが、
このチームにも殊勲賞を与えたい。素晴らしい活躍だった。

そして、中央学院。
明日は水戸葵陵と対戦する。
どこまでやるか。

【乱文乱筆注意】
【文中敬称略】

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2017全国高校選抜をうらなう

とりあえず昨日の続きで注目校について書いていく。
走り書きにつき、誤字脱字、読みにくい文章などあったら申し訳ありません。

■島原高校

島原は毎年「昨年よりもチーム力は劣る」と言いながら、
毎年毎年、本当によく鍛え上げてくるものだと感心する。
昨年の絶対的大将であった松崎。
彼の抜けた後はどうなるかと思いきや、なんのなんの、
さすがは島原、すごい選手が出てくるものだ。
志築柊威である。

地元長崎県の長崎市出身。
中学時代は長崎3位で全中にも出場していない。
もちろん昨年度IHから出場した志築の存在は知っていたが、
あまり結果を出せずに終わっていた。

ところが、先日の九州選抜では準々決勝で錦江湾、
準決勝で福工大城東の大将を相手にいずれも2本勝ち、
決勝でチームは九学に敗れはしたが、
志築は岩切と互角に戦った。

また直近の大霧島旗では、
やはり決勝を九学と戦い敗れたものの、
志築は長尾にメンを決め勝利している。
ここ半年間で異常なほどに勝負強さが身についている。

また、先鋒を務める1年生の黒川雄大がいい。
(昨年島原から慶大に行った黒川大樹選手の弟さんなのでしょうか?)
福岡の須恵剣友会出身で中学時代は九州個人3位の実力者。
そして、長崎県の新人戦では1年生にして個人2位となっている。
今年の島原の有力なポイントゲッターだ。

そして、副将の林田拓朗。
新人戦の個人戦では志築が途中で敗れる波乱があったが
林田がしっかりと個人優勝を果たした。

島原は九州選抜で2位。
大霧島旗でも2位。いずれも九学に敗れているが、
地力はかなり上がってきている。
今大会では、順当に行けば水戸葵陵と2回戦で激突する。
ここを突破すると、
また決勝戦は九学×島原という黄金のカードとなる可能性は高いのではないかと思う。


■浜名高校

昨年インターハイでは、2年生の楠が大将、長田が副将。
予選リーグでは、この2人が快勝。
特に長田は見事なツキを決め、楠はドウ・メンの2本勝ちだ。
2人の2年生コンビの活躍で決勝トーナメント進出を果たす。
そして、迎えた決勝トーナメント1回戦の相手は優勝候補の麗澤瑞浪。
浜名はこの麗澤をあと一歩というところまで追い詰めた。
最後は稀代の大将・小角に2本勝ちで敗れ逆転されるも、
浜名の活躍は印象に残った。

そもそも、私が驚いたのは昨年のIH静岡予選だ。
なかなか、全国の上位に名を連ねることの難しい静岡だが、
もしかしてこの2人がいれば、と思わせたものだった。

2年生の2人が副将・大将と後ろ2枚を務める。

準々決勝の相手は翔洋。
まずは副将の長田。
開始1秒でもの凄いメンに飛び1本。
そしてその後にドウを決め勝利。
長田を見ていると試合場をところ狭しと暴れまくるという印象だ。

続く大将の楠。
長田と同じように初立ちで飛び込みメンを決める。
いやあ飛ぶわ飛ぶわ。
あろうことか2本目も「はじめ」の合図と同時に飛び込みメン。
これは決まらなかったが
その後に今度は転がりながらもメンを決めて勝利。

準決勝の相手は飛龍。
ここで長田がグイと踏み込んでツキを決める。
渋い突きだ。

決勝戦の磐田東戦では0(0)-1(2)のビハインドで、
副将の長田に回ってくる。
ここで長田が、伝家の宝刀のツキ!
その後、審判の「はじめ」の合図と同時に、
またまた一歩で飛び込んでメンを鮮やかに決めた。
会場がどよめく。

同点となって大将・楠の登場。
手堅くじっくりとメンを決めて優勝を掴み取った。

この2年生の2人はいったい何者なのだ?
まさに自由自在にはじけまくり、
いつの間にか勝利している。

衝撃を受けた私は、
野田和孝監督に連絡を取って取材をしようと試みるも
残念ながらメールは届かなかったようだ。
浜名は今回の静岡予選も1位通過ながら、
東海選抜では3位に留まった。

今大会浜名は1回戦で龍谷と対戦する。


■桐蔭学園

2012年に平井・加納・村上・神野・田中という超豪華キャストで臨んだIH、
圧倒的な勝率で優勝を果たし、観る者すべてに衝撃を与えた。
長きにわたり高校剣道界を席巻してきたと言っても過言ではない桐蔭学園。
しかし、全国大会での3位以内の入賞はというと、
2013年に田中芳がIH個人戦で3位となったのが最後である。

昨年も期待されつつ選抜、IHに出場。
選抜では決勝トーナメント1回戦で龍谷に敗れる。
IHでは島原と同じ予選リーグに入ってしまい、
途中2-1とリードしたのだが大将戦で敗れた。

しかし、いよいよ今年こそ復活の狼煙を上げる。

何と言っても大将の森山竜成が強い。
潮田中の大将として全中団体優勝を果たしている。
おそらく、九学の岩切、水戸葵陵の寒川、
全国屈指の彼らに肩を並べる、あるいは凌駕する大将と言っても過言ではない。

また森山と同じ潮田中の優勝メンバーの北村拓丸。
森山とともに昨年から活躍してきた。
そして1年生は、いば少出身で関東2位の磯崎紘希、
秋田山王中出身で東北チャンピオンの高橋舜、
森山・北村と潮田中優勝メンバーの南波賢人らがいる。

桐蔭学園は先週3/19、
関東私立高校選抜剣道大会で98チームが参加する中、堂々の優勝を飾り、
本大会への期待が高まる。


■東海大札幌

小田宗治と廣澤快のツートップは脅威でしかない。
昨年は奥村という強い選手がいたが、
その奥村を差し置いて、2年生にして北海道チャンピオンとなった廣澤。
廣澤は大阪・高槻の出身。中学時代は大阪チャンピオンで、
都道府県対抗でも優勝をしている。
そして昨年新人戦では決勝で廣澤を破って優勝したのが小田だ。
小田は砂山剣友会出身で中学時代は和歌山チャンピオンである。

この2人、昨年の選抜・IHにも出場。
IHでは決勝トーナメント1回戦で奈良大附属に敗れるも
廣澤は3戦全勝。小田も2勝を挙げ、チームを引っ張った。

新人戦では小田・廣澤に次ぐ3位入賞を果たしたのが
栄花将輝と川口翔太郎の2人だ。
さらには小田と同じ砂山剣友会出身の松下聖。
昨年の東海大札幌も強かったが、
今年はさらにワンランク上を目指せるのではないだろうか。
今大会の1回戦の相手は小禄(沖縄)、南北対決となる。


■日本航空

彼らは2年前から1年生チームとして活躍してきた。
そして昨年は1年生チームで全国選抜に出場、2年生になりインターハイに出場。
ともに予選リーグで敗れるも1勝を挙げ、将来が楽しみなチームだと思った。
その彼らがついに最上学年となって登場してきた。
大将を務めるのは東松館出身の河合麗司だ。


残念ながらここで時間が来てしまった。
今年の高校剣道も見どころは盛りだくさん。
明日からが楽しみだ。


【文中敬称略】
(明日に続く)

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2017全国高校選抜をうらなう

皆さま、大変ご無沙汰しており申し訳ございませんでした。
毎日来られる方のイライラ感、そして連載が途中で途切れている気持ち悪さ
よーくわかります。
私も自分に嫌気がさしてきます。
本当にすみませんでした。

ギリギリになりましたが、
明後日に迫った全国選抜について駆け足でまとめてみました。
今日と明日に分けて投稿予定です。

---------------------------------------------

今大会の優勝候補は、
なんと言っても九州学院。
それを追うのが水戸葵陵
あるいは島原か。

トーナメントから見た注目校は、

1.左上ABCDグループ
九州学院
高千穂
奈良大附属
西大寺
育英
日本航空
浜名
土浦日大
高知

2.左下EFGHグループ
桐蔭学園
筑紫台
帝京第五
佐野日大

3.右上IJKL
球磨工業
明豊
東福岡

4.右下MNOP
水戸葵陵
島原
東海大札幌
東海大浦安
国士舘

というところか。

打倒九学の最有力候補である
水戸葵陵と島原が
なんと同じMグループにいて、
順当に行けば2回戦で激突する。
これは両校にとって厳しい。
序盤戦最大の見どころだ。

また、Cグループは
西大寺、高千穂、育英、日本航空の4校という、
強豪ひしめく死のグループ。

そして、
1回戦で激突する国士舘と東海大浦安。
関東大会じゃあるまいし、1回戦から
東京と千葉の隣接県でぶつかることないじゃないか。と思ってしまう。


さて注目のチームについて見て行こう。


1.九州学院

何と言っても優勝候補筆頭。
全国選抜5連覇、高校4大大会14連勝を目指す。
星子、梶谷という超強力2枚看板を擁し、
史上最強と言われた昨年の九学だが、
実は昨年2月の九州選抜では優勝を逃している。
一昨年もそうだ。
しかし今年は3年ぶりの優勝を果たし幸先のよいスタートを切った。
個人でも岩切が九州チャンピオンとなり、長尾が3位入賞している。

今年の九学チームは中学までの実績だけを見ると、
ここ5年間でも最強のスーパースター軍団とも言える。
なんせ全中個人チャンピオンが2人、
岩切勇磨(2年)と重黒木祐介(1年)。
ちなみに全中チャンピオンが
2人同じ高校のチームにいるというのは奇跡に近く、
過去の高校剣道史上1度しかない。
それは、2014年の玉竜旗大会、
中根(3年)率いる水戸葵陵で
高木(1年)が2試合のみ出場したという記録である。
しかし今年の九学は、岩切、重黒木2人とも
中心メンバーとしてフル出場するだろう。

そして、道連全国大会優勝の九州学院中からは、
大将の長尾和樹(2年)と師岡昭徳(2年)だ。
そして、昨年から選手登録され出場経験もある、
黒木裕二郎(2年)と近本太郎(2年)。

私の率直な感想を言えば、優勝候補筆頭は九州学院で間違いないが、
圧倒的かと言えば、決してそんなことはなく、
他チームにも十分にチャンスはあると見る。

昨年の星子・梶谷という最強コンビの役を
岩切・長尾が担えるか。
昨年、圧倒的な実績を残した切り込み隊長の鈴木の役を近本が担えるか。
重黒木が昨年の岩切以上の働きができるか。
そしてもう一人、黒木あるいは諸岡が、確実に後ろに繋ぐ剣道ができるか。
そのへんにかかっているのではないだろうか。
今回の選抜大会、1回戦で本庄第一と対戦する。


九州学院・栄光の記録

   選抜 魁星 玉龍 IH 
2013 優勝 3位 × 優勝
2014 優勝 優勝 優勝 優勝
2015 優勝 優勝 優勝 優勝
2016 優勝 優勝 優勝 優勝
2017 ?
(×は3位以内に入賞できず)

とんでもない記録を更新中だ。
もちろん過去にもないし、
おそらくこの先100年間は破られないであろう
空前絶後の大記録と言えそう。

   九州選抜   全九州  IH
   団体 個人 団体 個人 個人
2013 優勝 優勝 2位 2位 2位
2014 優勝 優勝 優勝 優勝 2位
2015 ×  優勝 優勝 優勝 2位
2016 3位 優勝 優勝 優勝 優勝
2017 優勝 優勝

IH個人4年連続決勝進出も大記録だ。

しかし、この記録は選手たちに重く重く
プレッシャーという形でのしかかる。
そのプレッシャーをはねのけ、勝ち続けることができるか。


2.水戸葵陵

水戸葵陵については、1月12日の記事で詳しく紹介したので
ここでは詳細は割愛する。
九学の連覇を止めるとすればやはり最有力候補は水戸葵陵だろう。
しかし、3月5日に開催された関東近県選抜大会では、
準決勝で小山と対戦。
2(4)-1(3)とリードで迎えた大将戦。
寒川が敗れ、代表戦でも敗れ、まさかの2連敗でチームが敗れた。
この大会は小山を褒めるべきであろうが、
絶対的な大将である寒川の想像しがたい結果に驚いた。
しかしこれが剣道。
この結果を教訓として寒川はまた一回り大きくなったに違いない。
青木、貝塚、岩部、杉田、寒川と、
水戸葵陵の歴史の中でも屈指のメンバーを揃えた今年度。
全員の力を結集して、打倒九学に燃えて欲しい。


3.島原については明日掲載します。




剣キチの選んだ注目校


■明豊高校

昨年のインターハイはオール1年生で出場という
皆の度肝を抜く鮮烈デビューを果たした大分代表の明豊。
別府大学と姉妹校である明豊を鍛えるのは、
日田を優勝に導いたあの岩本貴光(現別府大学監督)と、
岩本の秘蔵っ子、阿部剣征(明豊高校監督)がタッグを組み、
まさに怪物を作り上げようとしている。

昨年オール1年生で臨んだ初のインターハイの舞台では、
予選リーグで、東海大札幌と清風に
叩きのめされ全国のレベルの高さを知った。
しかし、彼らのスタートはここからだ。
ここ数年勢いをつけてきた別府大学の先輩達の胸をかり、
全力で真正面からぶつかり、見る見る地力をつけてきている。

2月の九州選抜では、準々決勝の筑紫台戦、
副将の武蔵が勝利、そして大将の山口武士が
福岡屈指の大将・百田に勝利し、
3-1で破るという活躍を見せた。

準決勝で九学に1-2で敗れるも
深田捺巳が諸岡に勝利、
武蔵、中尾は、九学の長尾、岩切に互角の戦いを展開した。

そして、武蔵治斗は個人戦に出場し、
準々決勝から九学との3連戦。
準々決勝で九学の黒木を破り、
さらに準決勝では九学の長尾を破って、
決勝で九学の岩切に敗れるも、1年生にして九州No.2となった。

明豊には、この3人に加え、
杵築中出身の山口武士、
岩本が館長を務める光明館出身の釘宮拓海、釘宮朋葵らがいる。
この1年生軍団、IH時よりもはるかに強くなっている。
これからどうなっていくのだろうか。
今回の選抜では1回戦で島根の大社と当たる。
持てる力を全て発揮できれば、
上位に勝ち上がる可能性も秘めていると思う。


■球磨工業

今年から参加チームが64校に、16チーム増えた。
このことによって、今まで地元の愛知県以外は
各都道府県1チームしか出場できなかったのが、
昨年のIHで予選を突破した都道府県からは
2チーム出場できるようになった。

これは、特に熊本のように圧倒的に強いチームがいる県にとっては
モチベーションが上がる制度だ。

昨年の鎮西なども全国でもそうとう上位に食い込める力を持っていながら、
九学の存在に泣いた。
また福岡のような超激戦区においても嬉しい試みだ。
もっとも福岡からすれば2チームではまだ足りなく、
4チームぐらいは出してあげたいところだが。

前置きが長くなったが、
熊本からの念願の2校目出場が球磨工業である。

選抜熊本予選の決勝戦を九学と対戦し1-2で敗れたが、
非常に鍛えられた野武士的なチームだという印象を持った。
九学相手でも一歩も引かない。

特に大将の向坂浩哉は昨年から大将を務める。
玉竜旗では和歌山新宮の次鋒に引っ張りだされるも4人抜きで勝利。
続く香椎には中堅に引っ張り出されるが3人抜きで勝利。
さらに麗澤瑞浪にはまたもや次鋒に引っ張り出されここは無念に引き分け。
2年生大将として7勝0敗1分けという活躍だった。

昨年の全九州大会では、2年生で個人戦に出場し、
2回戦では何と、1ヵ月後IH個人でBEST8入りをした高千穂の多田に勝利。

今回の選抜予選の決勝では、九学の大将・岩切に対して、
はじめの合図とともに飛び込みメンを決めてそのまま勝利。

この向坂浩哉という非凡な選手が大将を務める球磨工業は、
他のチームにとっては不気味な存在であろう。

【文中敬称略】
(明日に続く)

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