華麗に舞った剣士たち

剣道で記録と記憶に残る少年〜青年〜中年剣士を追いかけます

高校剣道

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皆様お久しぶりです。
いよいよ選抜が明日に迫ったので、
自分のメモとして書き始めましたが、
ブログ掲載用の記事はやはり終わりませんでした。
投稿はやめようかとも思ったけど、
途中まででも掲載することにします。
中途半端でごめんなさい。

-------------------------------------------------


いよいよ全国選抜だ。

やはり今年も九州学院が強いことには変わりない。
西の横綱が九州学院に対して、東の横綱が佐野日大といったところか。

ただ上位はかなり肉薄しており、
現に九州選抜では九学は優勝を逃し、福大大濠が九州の頂点に立った。
福大大濠はその勢いで選抜優勝を目指す。
また、創部1年目、全員1年生にしてIH出場という衝撃のデビューを果たした明豊が、
いよいよ今年3年目を迎え、満を持して全国制覇を掲げる。
冒頭で東の横綱と表現した佐野日大は、3月に入って関東2大会を制すなど、
いよいよ乗りに乗っている。初めて全国のてっぺんまで上り詰めるか。可能性は十分にある。

この4チームに加え注目のチームは。
近畿では育英の強さがキラリと光る。
昨年、横藤を中心にあれだけ強いチームを作ってきた飯田監督だったが、
実は昨年の登録メンバー7人中5人が2年生。
育英はむしろ今年のチームだったのだ。もちろん先月の近畿選抜は優勝だ。
そして静岡代表として、
昨年は1年生主体のチームで島原を破ってアッと驚かせた磐田東。
静岡勢として昨年の浜名同様に、いやそれ以上に期待させられるチームだ。

そして常連である水戸葵陵と島原。
さらには、九州勢が各県代表ともに強い。
昨年IH優勝の高千穂
1年生中心だが龍谷を破って出場を決めた敬徳
島原を下し長崎を制した西陵
粒ぞろいの鹿児島商
いずれも上位進出の力を秘めている。

ここまでの記載をまとめる。

4強候補の注目チーム
○九州学院(熊本)
○佐野日大(栃木)
○福大大濠(福岡)
○明豊(大分)

上位進出の実力を持つ注目チーム
○育英(兵庫)
○水戸葵陵(茨城)
○磐田東(静岡)
○島原(長崎)
○高千穂(宮崎)
○敬徳(佐賀)
○鹿児島商(鹿児島)
○西陵(長崎)

さて、全校選抜大会の組み合わせを見ていこう。

全体を4つのブロックに分ける。

左上ブロックには、福大大濠と水戸葵陵がいる。
そして、西陵がどこまで上がってくるか。

福大大濠と水戸葵陵の2校は
勝ち上がると2回戦で激突するのがもったいない。

福大大濠は、
大将の木島を中心に粒のそろったチーム。
爆発的な勝利というよりも堅く繋ぐゲームメイクで勝利を重ねてきた。

福岡は激戦区というのは周知の事実だが、今年は超激戦となっている。
ライバルの東福岡とは、
なんと、福岡中部ブロック、福岡県大会、九州選抜大会と
すべて決勝で当たって、福大大濠が優勝を重ね、東福岡が準優勝である。

今回の全国選抜は残念ながら福岡は1チームしか参加できなかったが、
もし2チーム枠だったら、
中部ブロック、県大会、九州選抜、
そして全国選抜までも
すべて両校の決勝ということだってありえたかもしれない。

さて、福大大濠で大将を務めるのが木島飛翼。
宮崎県の神武館道場出身。中学時代は50回記念道連大会の全国チャンピオンだ。
ちなみにこの時の2位が光龍館の岩部で、現在水戸葵陵の大将である。
3位には九学の深見がいる。皆高校で活躍している。
木島はさぞかし高校進学の際に引っ張りだこだったろう。
ある監督も「ああ、木島がうちにいてくれたらなあ」とため息を漏らしていた。
先日の九州選抜では、決勝まで勝ち上がり、
最後は九学の重黒木に敗れるも、九州No.2の実力を示した。

東福岡の中山とは必ず当たる因縁のライバル。
九州選抜の決勝では大将戦となったが木島がメンの2本勝ちで決めた。
やはり大将の仕事は大きい。

新チームで副将を務めるのが長野和生。
如水館では大将を務め各種大会で活躍。神武館旗のチャンピオンだ。
満を持して登場してきた。
そして昨年からレギュラーとして活躍する中山寛大と井上亮太郎。
中山は福岡十生館出身で中学時代は道連大会個人ベスト8の実績を持つ。
井上は福岡の護国少年剣道部出身で
都道府県対抗少年大会に副将として出場し優勝。
この時の大将は、同じ福大大濠のチームメイト政野優樹だ。

また、1年生には龍虎がいる。
池田龍ノ介と池田虎ノ介だ。
もちろん2人とも出身は福岡如水館。
高校剣道で一番有名な双子なのではないだろうか。
とんでもないDNAを持った2人。そのプレッシャーをものともせず、
今年はまさに実力で全国に名を馳せようとしている。
こうしてみると、今年の福大大濠は確かに粒ぞろいだ。


さて昨年のIHでは、王者九学に黒星をつけた水戸葵陵。
日本一に限りなく近いチームだったが無念にも無冠に終わった。

今年の水戸葵陵はどうか。
新チームになってから、つくばね旗や大野旗で優勝するも、
茨城新聞社杯と、先日の関東近県高校選抜では、いずれも佐野日大に僅差で敗れる。
また、選抜茨城県予選では、決勝では土浦日大に大将戦で涙を飲んだ。

水戸葵陵の大将を務めるのが岩部光だ。
1年生時からその強さは手が付けられないほどで、寒川と双璧と目されていた。
そのプレッシャーからか、昨年から若干調子を落とし気味だが、
あるきっかけで覚醒すれば
他チームにとっては間違いなく脅威の存在となるだろう。

副将は棗田龍介。広島県の亀山剣道クラブ出身で昨年からレギュラー入り。
玉竜旗では3回戦で4人抜きを見せた183cmの長身選手。
1年生には阿見中出身で全中個人2位の鈴木龍生を中心に、
和歌山西浜中出身・新谷剛史と、群馬の藪塚本町中出身・木村恵都がレギュラーとして参戦。
3年生中心だった昨年の葵陵の完成度は、夏に向けて完璧に高まったが、
今年の葵陵はまだまだ発展途上、これからが楽しみである。


と、この調子で全ブロック書こうと思ったが、残念ながら時間切れのため端折ることにする。


左下ブロック
九州学院と磐田東に注目

九州学院はやっぱり今年も強い。
いや昨年の九州学院中学の実績も考えると、ここ少なくとも3年間は抜群に強い。
新年度を占う年末の若潮杯での優勝。
ところが、九州選抜では大濠に苦汁を飲まされた。
もっとも、史上最強かと言われた星子・梶谷らの2016年九学も、
九州選抜を逃しているのだから、まあそういうこともあるだろう。
3月11日に行われた、全国選抜の前哨戦ともいえる大霧島旗での優勝は
やはり九学強しを印象付けた。

大将の重黒木祐介は、九州選抜でしっかり個人優勝を果たした。
さすがは重黒木だ。やっぱり九学の大将を張ると勝負強さが格段に増すのだろう。
そして副将には深水皓斗か。この2人がいるだけで九学ズルいと言われそうだ。
さらに、先月の九州選抜で個人BEST8に名を連ねた池内暢斗。
東松舘大将の小川大輝。全中優勝メンバーの末永雄大。
1年生にも相馬、岩間など、その層の厚さは毎年のことだけど驚くばかり。
他チームにとって九学を破るのは至難の業であることは、
今年もなんら変わらない。

磐田東は、昨年2年生チームで大活躍してきた。
冒頭でも書いたが、昨年の選抜ではあの島原を破ってしまったのだから。
そして静岡県内では、浜名と激戦を繰り広げ、この2校の存在が、
静岡のレベルをグンと引き上げたことには間違いない。
昨年の国体4位入賞も納得だ。
今年の磐田東は間違いなく全国上位を目指せる。
特に大将の野瀬俊也の勝負強さは筋金入り。

あれれれ。

久々の投稿だと言うのに、ここでタイムアウトになってしまった。
(端折ってしまったチームには大変誠に申し訳ありません。)

右上ブロック
明豊と育英に注目。

右下ブロック
佐野日大と島原に注目。

中途半端でごめんなさい。

私は決算期末で、仕事の踏ん張りどころではあるが、
明日からの全国選抜、魁星旗はホントに楽しみである。

【文中敬称略】

1972年の凄い出来事

久々の投稿。

何度も訪れられた方には申し訳ないのですが、
おかげさまで、大好きな剣道についていろいろと考えたり
過去に遡って思い出を紐解いたりと
のんびり過ごさせていただきました。

コメントいただいていた方。
後でお返事させていただきます。
ありがとうございます。


今日は皆さんあまり興味はないかもしれませんが、
1972年の高校剣道で驚くべきことを知ったので、
当時の高3世代で活躍された選手たちの様子と併せて記することにしました。

昭和47年(1972年)。

この年の高3の同年代には、

後に警視庁に奉職し、
全日本選手権優勝3回の大記録を作った西川清紀範士(八代第一高出身)、

1980年の高鍋高校教員時代に全日本選手権優勝
教員として最後の選手権者となった外山光利(鹿児島商出身)、

そして外山と同じ東海大出身で世界大会個人2位、
全日本選手権2位と教員最強の一人としてあまりにも有名な古川和男(西海学園高出身)

また全日本選手権2位、世界選手権出場、日本を代表する選手として活躍し
熊本県警察首席師範をされていた亀井徹範士(九州学院高出身)ら

錚々たる面々がズラリと揃った年である。

上記の4人は全員が九州出身。

また九州と言えば、
国体優勝の鹿児島商工には鶴薗福夫、下薗千秋、花木博志らが、
玉竜旗優勝の長崎東の大将は現在慶應大学教授の植田史生が、
九州大会優勝の八代東には、IH個人3位、後の大阪府警首席師範となる椎葉隆徳が、
そして嘉穂にはIH個人2位となった池田逸夫が、
さらに島原には後の大学チャンピオンとなる平井節朗もいた。

「九州強し」の旋風が吹き荒れた年だったのではないだろうか。


しかし、インターハイでは、
決勝でPL学園が鹿児島商工を破って初優勝を飾った。

PL学園からは、
この時点ですでに福本英男(1964年)、蒔田実(1966年)という
2人のIH個人チャンピオンを輩出、
また1968年には団体3位入賞を果たしているが、
圧倒的な強さを誇ったPL学園の
怒涛の快進撃はこの年から始まったと言えるだろう。
そして高校剣道史に燦然と輝く黄金時代を築いていったのだ。

またインターハイ個人チャンピオンは安房の佐野正男。
安房はIH個人戦がスタートした1959年に吉田勝己が準優勝、
また団体では1969年に優勝しているが、個人優勝は初めてだった。
ちなみに、安房は2017年までに、団体優勝3回(1969、2005、2010)
個人優勝は佐野と千葉由樹(2010)の2人である。

準優勝は嘉穂の池田逸夫。
当時の嘉穂はここまで19回のIHにおいて
団体優勝3回の強豪中の強豪校として全国に名を馳せていた。

優勝の佐野が早稲田大へ、
準優勝の池田とBEST8の植田が慶應大へ進学した。
当時の早慶戦もかなり盛り上がった。
1年時は佐野が怒涛の8人抜き、
3年時は佐野が5人抜き。
最後の早慶戦も佐野がメメ-メで池田を下し、早稲田が勝利した。

IH個人3位の椎葉は国士舘大へ進学し主将として活躍した。


とここまで書いてきたが、
1972年というのは、私が小学3年生。
初めて竹刀を握りはじめた頃であり、
彼らの活躍をリアルタイムで見てきたわけではない。

まだ剣道時代も剣道日本も発行されていない時代だ。
もちろんインターネットなどもないので、全国の剣士の情報など知るすべもない。

ということで、この学年の高校時代のことは、
後から知ったことではあるが、
極めて興味深い面々に思わず興奮した。

やはり何と言ってもこの世代のその後の活躍も含めれば
西川清紀の実績が圧倒的だろう。

西川のいた八代第一高校は、
八代東、九州学院という熊本の厚い壁に阻まれてインターハイには出場していない。
国体代表となるも、当時西川の名は全国では全くの無名だった。

私が初めて西川選手を知ったのは、
昭和50年(1975年)、
私が中学1年生の時である。

私は全日本剣道選手権を見るために
心躍らせて日本武道館に向かった。
そこに若干20歳の選手が登場していたのである。
その4年前の1971年に、国士舘大学の川添哲夫が
21歳にして全日本を獲ったというニュースは知っていたが、
もし西川が優勝すれば史上最年少だなあなどと思いながら見ていた。

西川の初戦の相手は、国士舘大時代に学生チャンピオンとなった試合巧者の宮澤保信だ。
西川は豪快にそして、粘り強く戦ったが惜しくも敗れる。
この年の優勝者は、川添哲夫(高知学芸高等学校教員で25歳)、
そして2位が西川青年を破った宮澤だった。

緒戦で敗れた西川だったが、私には印象深かった。


とここまで話をしてきて、
なぜ、1972年のことを突然書きたくなったかというと、

先日、わが母校である茨城県立水戸第一高等学校剣道部の
新春大同窓会に参加してきたからである。

この時に初めて知り、腰を抜かさんばかりに驚いたことがあった。

それが1972年の水戸一高 3年生のことである。


この年、茨城では敵なしの圧倒的な強さを誇ったのが
名将・宮本安監督率いる水戸一高だった。


○新人戦 県優勝
○勝抜き大会 県優勝
○高校総体(IH予選)
団体戦 県優勝
個人戦 石井勉 県優勝

と圧倒。

そして迎えたインターハイ。
もちろん目指すは優勝。

予選リーグは無難に勝ち上がり、
いざ決勝トーナメントへ。
ところが、決勝トーナメント1回戦で当たったのが、
この年、地元国体を控え強化を図っていた優勝候補の鹿児島商工だった。
いやいや水戸一高選手も負けてはいない、
粘る粘る。
が、鹿商工の前に力尽きたのだった。
結果はBEST16。

しかし、これだけだったら
「ふーん、それで?」
という感じだろうし、私も母校だからと言って敢えてブログで取り上げたりしないだろう。

驚いたのはここからだ。
この強豪チームのメンバーの進学先を聞いて卒倒しそうになったのだ。

大将 石井勉 一橋大
副将 高安徹雄 北海道大(医学部)
中堅 矢吹俊吉 東京大
次鋒 小原芳夫 東工大
先鋒 生沼俊一 北海道大

こっ、これは。。。

なんと、5人全員が東大を含む超難関国立大ではないか。
どこかの予備校の特待クラスの合格実績と見まちがえてしまう。

2003年に、田中達也や高瀬武志らとともに最強桐蔭学園を支えた
太田桂が一橋大に進学したのには驚いたが。

文武両道にもほどがある(笑)

先日、大将の石井勉氏に当時の様子を伺った。

今の時代ではありえないのかもしれないが、
ただ一つ言えることがある。

それは「集中力」である。

稽古の成果は「質」×「量」だ。
短時間の稽古でどれだけ成果を高められるかは質の高さにかかっている。
彼らは日本一質の高い稽古をしてきた誇りと自信を持って試合に臨んでいた。


1972年の高校大会の結果

【インターハイ】
団体
優勝 PL学園(大阪)(先鋒から、猿渡、益田、蔵原、上辻、中嶋)
2位 鹿児島商工(鹿児島)(先鋒から、亀之原、鶴薗、岩田、花木、下薗)
3位 国学院栃木(栃木)
3位 小牛田農林(宮城)
BEST8  高知(高知)
BEST8  安房(千葉)
BEST8  嘉穂(福岡)
BEST8 琴平(香川)

個人
優勝 佐野正男(安房)
2位 池田逸夫(嘉穂)
3位 椎葉隆徳(八代東)
3位 植木邦男(樹徳)
BEST8 植田史生(長崎東)
BEST8 古川陵(湯沢商)
BEST8 太田進也(向陽)
BEST8 為谷昇(小松原)


【玉竜旗】
優勝 長崎東(長崎)(先鋒から、岡島、陣野・野副、宮崎、川島、植田)
2位 鹿児島商工
3位 糸島
3位 八代東

国体
優勝 鹿児島(鹿児島商工)(先鋒から亀之原、花木、岩田、鶴薗、下薗)
2位 香川
3位 千葉
3位 栃木

【文中敬称略】

高校剣道総括(2)

今年の高校剣道は紙一重
結果はじゃんけんに似ている。

私が今年の高校剣道の総括としてまず思ったのは、
強豪校の多くが、本当に紙一重だったということ。
一つ歯車が狂えば結果は全く違っていたかもしれない。

26年ぶりにインターハイ復活Vを達成した高千穂だが、
彼らの強さはまさに日本一に相応しいものだった。
決勝まで快進撃を見せた島原も驚くべき強さだった。
葵陵も札幌や九学を破った試合ではまさに天下無双の強さだった。
もちろん九学も個々の強さでは右に出るチームはなかった。
今大会、特にこの4校は極めて高いレベルで拮抗していたと思う。

高校4大大会の結果(優勝・準優勝)を見ると、
この4校が綺麗に2回ずつ出てくる。
イメージ 1

4校の中で水戸葵陵だけ優勝がないわけであるが、
このインターハイで葵陵が九学を破ったのは、
ある意味、近年の高校剣道界における事件だったと言える。

そしてその時、私はある言葉を思い出した。
それは、私が7月初旬に
水戸葵陵高校のIHの決起集会に行った時のこと。

最後に皆が叫んだ言葉は、

「打倒、九州学院!」

だった。

彼らは九学に勝つことにとことんこだわり、
それを一つの大きな目標にしてきたのだ。
同時に君島監督が私に力強く放った言葉が。

「葵陵は九学に勝てます!」
「寒川は岩切に勝てます!」

だった。
「勝ちます」ではなく、
「勝てます」と断言。
文法的には意志ではなく可能の形を使ったのである。
その自信のほどがうかがえた。

おそらく、九学の個々の選手を研究し尽くし、
それに対抗するための激しい稽古を重ねてきたため、
監督には確固たる勝算があったのだと思う。

そして、インターハイではその通りとなった。
打倒・九学を掲げ続けてきた水戸葵陵にとっては大変な快挙であり
半分がた目標を達成した。

そして普通で考えれば、王者・九学を破った水戸葵陵は
天下無双となるはずだったが。。。

そのあと島原に1-4という大差で敗れることになろうとは。


さて、優勝した高千穂。
これまでの特に九州学院との戦歴をたどると、
年末の青龍旗(勝ち抜き戦)で、高千穂は決勝で九学に敗れた。
しかも九学は副将・大将を温存する圧勝だった。
また2月の九州選抜。
高千穂は準々決勝で九学に1-3で敗れた。
そして、玉竜旗では高千穂が26年ぶりに決勝まで勝ち上がるも、
九学が岩切を温存したまま高千穂を破った。
高千穂は公式戦で九学に一度も勝ててない。

また、このIHで水戸葵陵に圧勝し、
準優勝となった島原。
今年に入ってからの島原の九学との対戦を見ると、
2月の九州選抜。
決勝を九学と島原が戦うも、3-1で九学の勝利。
3月に鹿児島で開催された大霧島旗では、
岩切抜きの九学に島原は0-2で敗れた。
全九州では、島原は準決勝で九学と当たり、
大将戦で岩切が志築を破って九学の勝利。
島原も公式戦では九学に一度も勝てていない。


次の表は、4大大会+九州大会における、
上記4校の対戦成績表である。

イメージ 2

剣道には相性というものもある。
高千穂、島原が、九学と相性が悪いのかどうかはわからないが、
少なくともよくはなかったのだろう。

そう考えると、
打倒九学の1点突破に命を賭けた水戸葵陵が、
高千穂優勝の、
あるいは島原準優勝の「お膳立て」をしたのかもしれない。


今年の高校剣道の勢力図は、
「じゃんけん」に似ている。

パーはグーに勝ち、グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝つ。

それまで九学は高千穂には全勝だったが、
葵陵が九学に勝ち、島原が葵陵に勝ち、高千穂が島原に勝って優勝。

「で、お前は何が言いたいの?」
という感じになってきてしまったが、

勝負は時の運。
しかし運を引き寄せるのも実力のうち。

だから、実力拮抗の中、
いろいろと主張する方は居られるが、
最後の最後に頂点に立った高千穂が
結局は、最終的に最も実力があったという結論となる。


今回は、若干支離滅裂な感じになり申し訳ありません。
次回は個人の成績について詳細に見て行きたいと思います。

【文中敬称略】
(次回に続く)

いまさら、インターハイの記事かという感じですが。。
すでに、高校最後の大会としての国体ブロック予選の結果も出てきているのに。。


大変遅くなりましたが、今年の高校剣道の総決算として、
テーマを何回かに分けて書いて行きたいと思います。



その1.インターハイ・ベストバウト

それはなんと言っても、
団体決勝戦、
清家vs志築の2番勝負だ。

この試合には心底しびれた。


この日の志築は、まさに無双の強さで
決勝までの戦いを驀進していた。

準々決勝で水戸葵陵の寒川を、
そして準決勝では本庄第一の泉を、
圧倒的な力でねじ伏せたという表現がぴったりだ。
特に泉に決めたメン2本のド迫力には参った。

本庄第一の泉はここまで絶好調で、
予選で高知のあの東野兄から迫力の2本勝ち。
東奥義塾戦では大将戦で1本獲らねば負けという状況でしっかり勝利。
決勝TではPL廣から2本勝ち。
また準々決勝では強豪・龍谷と大将戦となるも、
あの中山相手に怒涛のメン2本を決めた。
「泉つえー」
そんな声が聞こえてきた。

さあ、その泉に対する志築、
あの長身から大きく振りかぶって、
泉の脳天を真上からクラッシュ!
そして審判の2本目の合図と同時に、
またまた大きく振りかぶっての飛び込みメンだ「ボコッ」。
ほぼ2振りで勝負をつけてしまったのには開いた口がふさがらなかった。
志築のメンは、頭上から叩きつけるように強烈だ。

もともと全国屈指の実力者である志築だが、
今日は特にすこぶる調子がよい。
力も漲っている。

そういえば、渡邉(元)監督が全九州大会の時に言っていた。
「志築はだいぶ力をつけてきたから、個人でも優勝は狙えると思っていました」
あの鬼の渡邉監督をして「だいぶ力をつけてきた」と言わしめたのだ。
春の選抜で緒戦敗退という屈辱から、どれだけ激しい稽古を積んできたのか。
その力がこのインターハイ団体で爆発した。

今日の志築は誰にも止められない。
そんな気さえしてきていた。


一方の清家はというと。

高千穂は予選リーグで、大社を相手に苦戦していた。
副将まで終わったところで0(0)-1(1)とリードされて清家が登場。
清家が2本勝ちしてチームが勝利という場面で、
清家がやってくれた。
試合時間2分半で怒涛の2本勝ち。
チームを救った。

しかし、大社も高千穂相手に、
1年生1人、2年生2人という若いチームでよくここまで頑張ったと思う。
来年が楽しみである。

清家のパーソナルデータを見ると、身長168cmとある。
いやいやウソでしょ。
もっともっと大きく見えるから不思議だ。

しかし高千穂の苦戦はこれで終わりじゃなかった。
決勝T1回戦の仙台育英戦。

高千穂は、先鋒が引き分け、
次鋒の古澤が2本勝ちをしたところまではよかった。
ここから地元・仙台育英の怒涛の反撃が始まった。

高千穂は、中堅が1本負け、副将が2本負け。
なんと1(2)-2(3)のビハインドで大将・清家にまわってきた。

さすがに清家と言えど、相手の伊藤も相当な実力者だ。
引き分けに持っていかれれば高千穂の夏は終わる。

ところが、清家がここでもまたとんでもないことをやってのける。
試合時間、先ほど同様2分台で2本勝ち!

今日の清家はたとえ誰が相手でも2本勝ちしてしまうような、
そんな気にさえなってきた。

準々決勝の安房戦でも、まさにその通りとなった。
高千穂リードで迎えた大将戦。
安房の山崎雅斗はこれまた関東屈指の強豪選手だ。
しかも2本取らなければならないとあって、猛烈に攻めてくる。

山、飛び込みドウからのメン!
清家の脳天をしっかり捉えたか!と思った瞬間、
清家の恐ろしい程の闘争心が
山崎を体当たりで場外へ吹っ飛ばした。
その前にも山崎を体当たりで倒している
清家の足腰の強さは脅威的としか言いようがない。

そしてその直後に、立て続けにメンを2本奪ったのだった。
試合時間はわずか38秒という結果にまた驚かされた。


前置きが長くなったが、
つまりは、志築も清家も特に今日は抜群に強い。
頂上対決に相応しい2人じゃないか。

しかし考えてみれば、この2人をIH個人戦で続けて破った
九学の長尾も素晴らしいということだ。


さて、団体決勝戦に話を戻す。

先鋒が引き分け。
次鋒が引き分け。
勝負は中堅で動いた。
個人戦で岩切に惜敗した高千穂の林がメンを決め、
貴重な1勝をあげた。
副将は引き分け。

島原にとっては何とも苦しい展開だ。

大将・志築がなんとしても勝たなければならない。
今日の志築なら負ける気がしない。
しかし相手が清家では話が別だ。
今日の清家も負ける気がしない。
負ける気がしない同士の勝負はいったいどんな展開となるのか。


いよいよ運命の大将戦が始まった。

「はじめ!」

審判の合図と同時に、志築がメンに飛んだ!
清家は待っていましたとばかりコテで押さえる。

志築は慌てることはない。
試合時間は延長を合せれば6分ある。
いくら今日の志築でも安易にメンに飛び込めば、
清家の餌食となる。

その後は、互いに相手をよく見る展開となった。


一足一刀の間合いから、
志築がメンに行くぞ!と一歩前に出て竹刀を上げる。

清家はメンを避けるために一歩下がって手もとを上げた。
志築がもう一歩前に出て今度こそメンに行くぞとフェイントをかける。

清家はさらに一歩下がって引きメンを打とうと大きく手元を上げた。

それは清家のノドがあらわになった瞬間だった。

「ずずーん!!」

志築の超ど級バズーカ砲が炸裂した。

志築の諸手突きが、清家の喉元に激しく突き刺さる。
ぐにゃり、志築の竹刀が曲がり、
清家の首が一瞬ガクンと崩れる。

その後すぐに清家が引きメンを放つも、
文句なしの志築の突きに白旗3本が上がった。


高千穂が勝負を振り出しに戻した。

その後も志築の引きメン、
清家の引きメンなど、
互いに惜しい技が次々と繰り出される。

打突の一本一本がまさに大ナタを振るっているかのような迫力だ。
当たれば真っ二つに斬られる恐怖感と緊張感の中で、
勝負は代表者戦に持ち込まれた。

両校を代表するのはもちろんこの2人。


さあ、泣いても笑ってもこれが最後の勝負。

代表者戦が始まった。

志築の飛び込みメンが、
真上から清家のメンを捉えたか。
間一髪で清家が下がり免れた。

志築の引きドウ!

志築の引きメン!

ドカンドカンと大砲が放たれるも、
清家が間一髪でかわす。


今度は清家の出ゴテ!

清家の引きドウ!

ズバンズバンと大ナタが振るわれるも、
志築は一歩も引かない。


志築、清家をコーナーに追い込んだ。
清家がたまらず手もとを上げたところに、
志築の強烈逆ドウ一閃!!

「バコーン!」

すかさず清家が、引きメン

「ボコッ!」

決めさせるものかと、
志築が清家をコーナーから場外へ突き飛ばす。

会場から思わず、
「うおー」
とどよめきが起こる。



さあ、開始線に戻った両者。

清家が一歩前に出てコテで牽制。

両者間合いが近いぞ。

中結どうしが交差する
超危険ゾーンだ。


何かが起こる。

固唾をのみ静まり返る観衆。
一瞬のまばたきさえも許されない。

どちらが勝つかなんて
この状況では全く想像すらできない。


清家が振りかぶる。
一瞬遅れて志築が振りかぶった。
相メンだ。


「メーン!!」


「わー!!!!」

会場が揺れた。


わずかに早く振りかぶった清家のメンに、
志築のメンは追いつかなかった。

清家が相メンを制し、
代表戦を制した。

勝負が決まった後も、
興奮冷めやらず。
私まで手の震えが止まらない感じだった。


「素晴らしい!」
勝った方も、負けた方も
最高の戦いを見せてくれた。

これぞ今回のインターハイのベストバウトに相応しい名勝負だった。


高千穂を全国レベルに押し上げ、
数々の栄光の歴史を築いてきたのが故吉本監督だった。
その偉大なる吉本監督の後を引き継いだ佐伯監督、
そして現監督の野口貴志氏。
大変な苦労だったに違いないが、
ようやくここで大輪の花を咲かせた。

そして、奇しくも26年前の高千穂優勝の時に、
ベンチを温めていたのが、
泣く子も黙る大阪府警の清家宏一。
父が高校時代に果たせなかった思いを息子が果たした瞬間でもあった。

ああ、これこそ筋書きのないドラマだ。
だからこそ、剣道は面白い。


【文中敬称略】
(次回に続く)

■高校剣道クライマックスへ(1)

玉竜旗も終わってみれば九学の圧倒的な勝利だった。

春までは、

今年は九学と他チームとの差が随分と縮まった気がしていただけに、
今回の九学の26年ぶりとなる座り大将、
そう、破壊的とも言える勝利は、
今年最後の大舞台となるインターハイにおける
九学の優勝の可能性を一段と高め、
打倒九学を狙うチームに大きな打撃を与えたことは確かだ。

今回の玉竜旗でつくづく思うのは、
5人全員の調子が大会当日にBESTの状態となることが
いかに難しいことかということ。
しかし、もしそれができさえすれば、
まだまだ打倒九学の可能性はあるチームはある。

結論だけ先に言えば、
5人全員の力をピークに持っていき
自分の仕事をしっかりやりきるという条件付きで、

打倒九学候補は、

水戸葵陵
高千穂

さらには
島原
龍谷
育英
東海大札幌

の6チームを挙げる。
あくまで私の主観的で、
勝手な思い込みによる、
独りよがりの予想なので、
結果が異なってもどうかお許しください。

しかし
何度も言うが、
水戸葵陵と東海大札幌が予選リーグで当たるのはもったない。



さて、ここからは、
玉竜旗を見ての感想や、
インターハイに向けた展望など、
主にIH出場校について
徒然なるままに書いて行こうと思う。


まず、インターハイ5連覇を狙う九州学院。

今回の玉竜旗での九学は、
全員が王者に相応しい戦いをしたと思う。
うーん岩切は戦ってないか。。

いや、岩切もその姿がそこにあるだけで、
相手チームへの無言の圧力となっていたし、
岩切が後ろに控えているからこそ
近本が伸び伸びと力を発揮できたことを考えれば、
岩切もただ座っていただけではなく仕事をしたと言えるだろう。

今回の九学は、副将に近本、次鋒に長尾という、
予想を覆すようなコンバートで臨んだ。
しかし、結果的にこれがドンピシャにハマったのだ。
7回戦から出場した長尾だったが、
長尾は引きメンが冴えわたり3勝で負けなし。
近本は結局、佐日戦と高千穂戦の2試合に出場し、3戦全勝で、
岩切に回すことなく責任を全うした。

優勝後に米田監督に聞いた。

剣キチ「近本を副将、長尾を次鋒にした真意は?」

米田「それだけは聞かないでください(笑)。言えません。」

剣キチ「IHもこのまま行くのですか?」

米田「いや、また代えていくつもりです。」


この日の近本は本当に強かった。
絶好調の時の梶谷を見ているようなスピードとキレ。
出て良し、引いて良し。

7回戦
佐野日大戦で、
近本は相手副将の大平に引っ張り出された。
今大会唯一の副将でのタイ勝負となったが、
終盤、目の覚めるような逆ドウを決め、
さらに大平がメンに飛び込んでくるところを、ピシャリとコテで抑えた。

さらに大将の但馬に対しては、
但馬が手元を浮かして攻めてきたところを落ち着いてコテで抑え、
さらに、2本目の合図と同時にメンの2段打ちを決めた。
関東屈指の大将である、あの但馬をして、
まったく剣道をさせず、わずか1分で屈服せしめたのはまさに衝撃だった。

「今日の近本に勝てる選手はいないかも」
この試合を見て私はそのような確信めいたものを感じた。


決勝戦での近本の活躍は言わずもがなだが、思ったことを記していく。

その前に、高千穂の大将・清家について書かなければならない。

私は、彼の試合をこの大会ではじめて間近に見て、
清家はこんな強い選手だったのかと驚いた。
スピードもさることながら、
驚くべきは技の宝庫というべき多彩な攻め。
もう一つは安定感。
隙がないから打たれない。

福岡第一戦、育英戦ともに、
相手副将に引っ張り出されるというピンチに陥りながらも、
落ち着いて2人を抜き返して
見事チームを勝利に導いた頼れる大将。

飛び込みメン、出ゴテ、諸手突き、抜きドウ、引きゴテ、引きドウなど、次々と多彩な技を繰り出す。

私が最も驚いたのは、福岡第一の小松に抜きドウを決めた直後のメンだ。

一足一刀の間合いから、
清家が竹刀をクルリと回しながら、
小松は低い構えのまま、互いの距離をグイと詰める。
次の瞬間、小松の剣先が前に出る清家の喉元に向かって
猛烈なスピードで進んできた。
これはカウンター突きだ!!

小松の剣先が清家の喉に突き刺さる寸前だった。
清家が体ごと右に開いて間一髪で突きをかわす。
と同時に、小松のがら空きとなった面にすかさず竹刀を振り下ろした!
「メーン!」
この面は決まらなかったが、
この動きを見て、
清家の類い稀なる運動能力のすべてを悟ったような気がした。
全く恐ろしい選手がいたものだ。


話を戻す。

決勝戦。

九学は次鋒の長尾が古沢に見事な引きメンを決めて
1人リードのまま試合は進む。

九学の副将・近本に対するは、高千穂大将・清家。
二人とも父は日本を代表する剣道家。
その話はいったん置いておくが、まさにサラブレット対決である。

ここまでの試合を見てきて、
「今日の近本に勝てる選手はいないだろう」という予感と
「今日の清家は絶対に負けない気がする」とう二つの矛盾する予感が、
ただ見ているだけのお気楽な私の
心臓の鼓動をバクバクと増幅させた。

試合が始まった。

互いに慎重である。

鍔迫り合いからの引きドウで
先に会場を沸かせたのは近本だった。
近本のキレは半端じゃない。

こんどは清家が前に出て、相手を誘って誘って誘って
近本がたまらずに手元を挙げたところを、
抜きドウ!
さらに引きメン!
一本にはならないが
清家の技のレパートリーが披露され始めたぞ。

今度は鍔迫り合いから、
ふっと力を抜いた瞬間に炸裂した、近本の引きメン!
一瞬でも隙を見せると
どこからでも襲ってくる近本。

しかし清家も負けていない。
近本がコテで牽制してきたところを、
コテ返しドウだ!
惜しい。

ここでホイッスルが鳴る。
延長戦に突入。

清家が鍔迫り合いから、
クイっと体を右に90度回転させながらの引きメン。
やや惜しい。
そしてまた鍔迫り合い。
またもや清家がパッと体を右に90度回転させた。
また引きメンだろう。
普通はそう思う。

ところが清家が放ったのは、
近本が引きメンを避けようとして空いた、
逆ドウだった。
「バチーン」
命中したが、やや浅かったか。
まったく驚かせてくれる選手だ。

しかし、最後に
それを上回る驚きを見せてくれたのは近本だった。

鍔迫り合いから、
近本が逆引きドウ!
そのまま1歩下がった次の瞬間。
なにっ!?

それは近本の強靭な足腰が生み出した
アンビリーバブルな逆噴射だった。

「ボコッ!!」

近本が引きドウをした刹那、
清家のがら空きになっていた面を
近本の竹刀がすかさず捉えたのだった!

逆引きドウからの、飛び込みメンを決めるまでのタイムは
わずか0.7秒(私の感覚なのでテキトウだが)。

「うおー」
会場から唸り声が起きた。
凄すぎる近本の1本だった。

九州学院、史上初の4連覇が決まった瞬間だった。


しかし、高千穂はここまでよく頑張ったと思う。

試合後、野口貴志監督に話を聞いた。

剣キチ「おめでとうございます」

野口「ありがとうございます」

剣キチ「決勝まで来ると思ってましたか?」

野口「もちろんです。優勝を狙っていたので悔しいです」

剣キチ「今年はいい選手を揃えましたね」

野口「選手たちは誰にも負けないぐらい稽古してますよ」

剣キチ「大阪府警にも出稽古に行ったとか?」

野口「そうなんです。ボコボコにされたけどあれはいい経験でした」

私は、26年ぶりの決勝進出を果たした野口監督は、
さぞかし喜んでいるだろうと勝手に思って話しかけたが、
これほどまでに、本気で優勝を狙い、
決勝で敗れたことを、これほどまでに悔しがっているとは思わなかった。

素晴らしい監督だと思った。
野口監督自身の現役時代のことも、このブログで何度も紹介しているが、
中2で全中個人優勝(中3時は内村良一)。
長崎南山高時代は1年時に玉竜旗優勝。
中大時代にインカレで個人優勝と、
学生時代に何度も日本一を経験してきた男だけに一切の妥協がない。

春の大会以降、相当な強化を行ってきたことが結果となって現れた。
もちろん、今度のIHも優勝候補の一角である。


さて、
今回の九学VS高千穂には、
さまざまな因縁が込められており、とても興味深い。


まずは、玉竜旗翌日の西日本スポーツの見出し。
「復活準V高千穂」
そこまではよい。
次がすごい。
「都会から神話の里へ、大将清家けん引」
このタイトルを見て何を意味しているのか
パッとわかる若い人がいたなら、
剣道ツーではないだろうか。

清家の父は、大阪府警の清家宏一氏。

このブログにも過去何度となく登場した偉大な選手である。
清家宏一は高千穂高校から大体大、そして大阪府警と進み、
2005年の全日本選手権でBEST8に入り、
世界剣道の日本代表の大将もつとめた。
こんなにも強い清家であるが、
高校時代はベンチを温めていたというのだから
当時の高千穂がどれだけ強かったのか。

今回の九学は26年ぶりの座り大将(大将の出番がなく優勝)。
そして高千穂は26年ぶりとなる決勝進出。

26年前に座り大将で優勝したチームというのが、
まさに清家の父が補欠としてベンチを温めていた、
1991年のあの高千穂史上最強と言われたチームだ。
メンバーは先鋒から浅田健二、溝川幹敏、甲斐昌太、佐藤博光、吉井泰裕。
このメンバーで玉竜旗、インターハイと圧倒的な強さで2冠を達成したのだった。

この時の玉竜旗は、
高千穂は準決勝で九学と当たるが、
先鋒の浅田が3人抜き+引き分け、次鋒の溝川で勝利と
全く九学に試合をさせなかった。

あれから26年。
ベンチを温めていた選手の息子が
大将となって決勝の舞台に立ったというだけで、
胸が熱くなる。
そして、九学は26年前に高千穂にボコボコにされた
リベンジを、26年ぶりの座り大将という形で果たす。

しかも、九学の先峰の重黒木の父も、
九学の大将の岩切の父も2人とも
高千穂高校出身なのだから、これまた感慨深いものがある。

岩切の父は、国際武道大学教授で剣道部監督の岩切公治氏。
高千穂高時代は、1984年に国体3位入賞。
その後、国際武道大学時代にインカレ個人3位と活躍する。

重黒木の父は、神奈川県警師範の重黒木英俊氏。
高千穂高時代は、大将としてインターハイ団体優勝。
国士舘大でインカレ優勝と活躍する。

そして、近本の父は、全日本選手権者で愛知県警の近本巧氏。
私が2009/12/26のブログ記事で、「史上最速のメン」と惚れ込んだあの近本氏である。

こうしてみると、この決勝戦は、
本当にサラブレットだらけで、父たちの時代のさまざまな因縁や
ライバル関係なども引き継いでいる。
そのへんのことも頭に入れながら見ると、
また違った楽しみにもなる。


おっと、話がだいぶそれた。
ほとんど近本と清家の話で終わってしまったが、
今日のところはこのへんにして続きはまた。

そうこうしているうちにインターハイが始まってしまう。

【文中敬称略】
(明日に続く)

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