華麗に舞った剣士たち

剣道で記録と記憶に残る少年〜青年〜中年剣士を追いかけます

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■全日本学生剣道選手権をうらなう(2)

優勝候補は絞れないが、
どうしても言えとなれば、
まずは宮本、梅ヶ谷、真田の3人を挙げるという話をした。

3人の大学に入ってからの直接対決を振り返ってみる。

2年前(2015)の関東選手権5回戦で宮本と梅ヶ谷が対決。
延長の末、最後は梅ヶ谷が、伸びのある飛び込みメンで宮本に勝利。
で梅ヶ谷が優勝した。

また同じ年(2015)の全日本学生選手権では、
真田が3回戦で宮本を破るも、
5回戦で梅ヶ谷に敗れた。で梅ヶ谷が準優勝。

昨年はこの3人の対戦はなし。

さて、当時のこの結果だけを見ると、
梅ヶ谷>真田>宮本と読み取れる。

しかし、現時点で言えば
やはり宮本が一歩リードしていると見ている。

いずれにしても3人の実力はほぼ横並び、
紙一重であることも事実。

いつも言うが剣道の勝負はやってみなければわからない。
だから面白い。


さて、昨日の続きで4つのブロックに分けて
もう少し詳しく見て行こう。

第1ブロック(1〜44)
[注目選手]
宮本敬太(国士舘大4年)
中根悠也(流経大3年)
牧島凜太郎(鹿体大3年)
田内雄大(筑波大3年)
山本冬弥(国士舘大3年)
伊藤謙剛(慶応大2年)
黒木誠(日体大3年)

やはり宮本が優勝候補筆頭だろう。

宮本は昨年の全日本選手権で3位入賞を果たした。
いや、あわよくば優勝した勝見を喰らわんばかりの健闘を見せた。
あの鋭い突きをかわすことができる選手は今の学生にはいないだろう。
そして5月の関東学生では圧倒的な強さで優勝。
少なくともここ1年間で見れば学生最強剣士という位置づけだ。

背筋がピンと伸びた美しい姿勢。
常に相手の中心をとる正しい構え。
相手の気を読み、先を取る華麗な攻撃。
爆発的な瞬発力と、正確無比な打突。
そして相手に対する礼儀正しさ。
全てを兼ね備えたスーパー学生剣士、それが宮本敬太である。

昨日、中根との因縁を書いたが、
普通に行けば宮本だろうが、中根が勝負師であり策士であるということと、
何より宮本をよく知る同門である中根が、宮本の弱みを突いてくる可能性はある。
いずれにしても5回戦は目を離せない。

もちろん2人がここまで勝ち上がればという仮定である。

宮本は4回戦で田内を破る必要がある。
この2人は関東の5回戦でも当たっている。
あの時は、田内がこらえきれずにメンに出たところを宮本が完璧に、
そして綺麗にコテを2本決めた。
しかし、実力者の田内だ。2度とこのコテは打たれまいと対策してくるに違いない。
あるいは鹿屋の齋藤拓仁が上がってくる可能性もある。
IH個人チャンピオンの齋藤であるが、大学に入ってさらに実力を伸ばしている。

また、中根は4回戦で鹿屋の牧島を倒す必要がある。
牧島凜太郎は真田に次ぐ九州No.2の選手だ。
昨年は全日本3位まで上り詰めた。
残念ながら準決勝で山田に敗れたが、相手が山田でなければ、
あるいは優勝という強さと勢いだった。
この1年でさらに成長しているとなると、
宮本の序盤最大のヤマは牧島となる可能性も高い。

とにかく第1ブロックの上半分は超激戦区である。

そして下半分には、
慶大の伊藤と、国士舘の山本、日体大の黒木がいる。

慶大の伊藤謙剛(2年)はスケールの大きな選手だ。
関東選手権で伊藤は、私がダークホースと思っていた日体大の山崎を破り、
4回戦では早大の安井を破り全日本出場を決めた。
強い時の伊藤は手を付けられない。
昨年の関東選手権では1年生で登場し、国士舘の大将の坂爪に2本勝ちした時にはあまりの驚きに言葉を失った。それと圧巻だったのは全日本優勝大会。早稲田戦を伊藤が逆転。また準々決勝の国武大戦でも糸山に2本勝ちし大逆転、あと1歩で3位というところまでチームを盛り上げた。この時には伊藤が負けることを想像できなかった。

国士舘の山本冬弥(3年)は、
九州学院の山田凌平と同期であるが、
昨年の新人戦で山本を見て別人か?と驚いた。
その予感は関東選手権で的中。見事3位入賞を果たした。



第2ブロック(45〜88)
[注目選手]

梅ヶ谷翔(中大4年)
貝塚泰紀(日体大4年)
 黒木伊織(国士舘大4年)

昨日は「貝塚の呪い」について書いたが、
「2度あることは3度ある」となるのか、
はたまた「3度目の正直」となるのか。
国士舘の黒木にもチャンスはある。
また、第2ブロックの下半分では、
早稲田の安井、流経大の国安あたりが勝ち上がってくるか。




第3ブロック(89〜132)
[注目選手]

真田裕行(鹿屋体育大4年)
久田松雄一郎(早稲田大4年)
矢野貴之(国士舘大3年)
星子啓太(筑波大1年)
初田彪(筑波大2年)
藤野聖那(國學院大2年)
野瀬亮斗(大阪体育大4年)

このブロックは大注目の激戦区。
まずは、真田(鹿体大4年)、星子(筑波大1年)の九学新旧対決が楽しみだ。
真田、山田、槌田、星子と超ド級大将が続いた九学。
この4人の中で最強は誰だ?というような議論が酔っ払いの間でしばしば持ちあがる。
高校時代の勝率や実績だけで判断すれば星子が一番だろう。
しかし、それはあくまで高校時代の話。
直接対決したら全くわからない。

彼ら4人の公式戦での直接対決は、
2年前の全日本学生選手権。真田と山田が4回戦で激突し、長い延長の末、真田が勝利。
そして昨年の全日本では、5回戦で真田と山田が対戦して今度は山田が勝利し、そのまま優勝。
ここまで真田と山田は五分五分。
残念ながら今回、山田、槌田の2人は出場していないが、
真田vs星子は本当に興味深い。
しかし2人が4回戦で潰し合うのはあまりにももったいない。
ほぼ実力は均衡していると思われるが、私は真田に一日の長があるように思える。

そのすぐ下には久田松がいる。
実は久田松については、私は関東選手権で彼の試合を間近で見ていたが、
決して調子は悪くなく、いやむしろ「優勝するかも」という充実したものを感じた。
そのぐらいに相手を圧倒していたし、動きも軽快だった。
筒井戦も、あれは紙一重。
審判によっては久田松のメンを取り、久田松が勝ち上がった可能性もある。
まあ、それは言いっこなしだった。
久田松にとって最も苦手とするのが梅ヶ谷だろう。
その、梅ヶ谷と逆ブロックに入ったのは久田松にとってプラス要因だろう。
真田、星子、矢野と同じブロックというのは厳しいのは確かだが、
「相手にとって不足なし!」
と奮闘する久田松を見たい。

その久田松と3回戦で当たるであろう選手が藤野聖那(國學院2年)だ。
藤野の勝負強さには驚いた。
粘りに粘りに粘って気がついたら勝ちを重ねているという感じだ。
藤野は鶴浜が大将だった2015年の島原の次鋒であるが、
島原史上でも最強の次鋒候補じゃないだろうか。

3つ上の兄・麗太がこれまた強かった。
当時の島原の大将は渡邉で藤野は副将だったが、
なんと九州選抜、全九州と個人戦で九州2冠に輝いたのには驚いた。
聖那も全九州個人3位になっている。

まさに個人戦にめっぽう強い藤野兄弟という印象。

その印象をさらに強烈にしたのが、昨年の関東選手権。
1年生で出場した聖那は、4回戦で日体大の貝塚を破る健闘を見せた。
ちなみに兄も弟ももう1勝すれば兄弟対決が見られるところだった。
そして今年の関東選手権でも聖那は見せてくれた。
筑波の堀川、中大の川井、明大の千田、専大の森光らを破ってのBEST8。
この選手は、流経大の中根ばりの粘りと強さを持っているなあと思ったものだ。
久田松と言えども全く侮れない相手である。

そして下半分には矢野がいる。
矢野の圧倒的な強さを、昨年の関東選手権で見せつけられたわけであるが、
当時はそれでもまだ未完成な感じがしていた。
その後、新人戦を見た時に、
強靭なる体幹、そして足腰の強さを感じた。
私は彼と稽古をしたことがないので分からないが、
おそらく、矢野を岩のように感じるのじゃないだろうか。
これはいよいよ完成形に近づいているぞ。

今年の関東選手権。
私は矢野を優勝候補(4番手)に挙げていた。
そして序盤戦、とんでもない強さで勝ち上がっていく矢野を見てさらに驚いた。
「これは矢野の2連覇、十分にありうるぞ」
しかし、4回戦で中根にあっさりと敗れてしまった。
そういうこともあるだろう。
しかし、その悔しさをバネにして
この全日本に臨むに違いない矢野は脅威である。


その矢野と4回戦で当たるであろう選手が、初田(筑波大3年)だ。
高千穂時代からその強さには定評があったが、
筑波に入ってより磨きがかかった。
彼の持つ凄まじい闘争心が、どんどん彼を成長させているのではないだろうか。
関東選手権では、
宮本に対して、1本先取した。
そこからの戦いは激しさの極致を行くものだった。
最後は宮本に敗れるも、
私が主催者ならば、初田に殊勲賞を授与していただろう。




第4ブロック(133〜176)
[注目選手]

筒井雄大(筑波大4年)
杉野翔耶(国士舘大4年)
梶谷彪雅(明治大1年)
草野龍二朗(鹿屋体育大4年)
了戒一彰(専修大3年)
千田海(明治大3年)
平野青地(専修大3年)
松井航汰(中央大4年)
山崎仁平(鹿屋体育大3年)

一時期、やや元気がない気がしていた筒井だったが、
5月の関東選手権でそんな印象を一掃し、強い強い筒井が戻って来たと思った。
筒井と言えば、「気づいたら打たれている。避けることが不可能なメン」と言った筒井の同僚の言葉を思い出してしまうが、それと同じぐらい下手にメンに行くと見事にドウを抜かれる。
そこまでは昨年までの印象だが、今回の関東選手権で、試合運びの巧さを感じた。
決勝戦は別として、自分のペースに持ち込んで試合を進めていた。

このブロックで筒井に対抗する選手は。。。
強豪選手がいすぎて分からない。

ああ、もっと言いたいこと、紹介したい選手が大勢いるのだが、タイムオーバーで残念。

【文中敬称略】
(明日に続く)

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