剣王シロのブログ

2017年 「政治家」を縛る 「憲法」を 「政治家」の都合で緩めるのは「本末転倒」!!

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「魚雷生物」



海はまだまだ未知の世界だ

船乗りたちの古い伝説にある 船を追いかける 謎の物体

シーサーペント

クラーケン

時には 船に寄り添うように

時には 船に襲いかかるように

それは 広い海の中を 自由自在に走っている


私は いつのころからか この世界に 在った

明るく 暖かいところは なにか 息苦しくて 苦手だ

暗く 冷たい世界が 好きだ

その中を あるいはすばやく あるいはゆったりと

とにかく 突き進む

行きたい所へ 行きたいように 突き進むのだ



…<(__)>…

一月下旬の東京では 珍しく 雪のちらつく早朝

午前4時 真っ暗な空の下 住宅街の路地に ひとりの初老の男が倒れていた

その男は 道路の真ん中に 拳を握り締めた両腕を伸ばして うつぶせになっていた

グレーのオーバーコートから 濃い茶色のスラックスが伸びていた

帽子はかぶっておらず 薄くなった頭髪に かなり白いものが混じっていた

微動だにしないその男の様子が そんなに細かく窺えるのは 男の姿が灯りに照らし出されているからだ

白い街頭の灯りではなく オレンジ色に揺らめく 禍々しい灯りに 照らし出されているからだ

灯りとともに 熱気も男に吹き付けていた

降りかかる雪が 吹きやられ 地面にたどり着く前に 融けて消えてしまうほどの熱気だった

男の倒れているまん前の家が 紅蓮の炎に包まれて 燃え上がっていた

近所の家に灯りが点り始めていた

玄関が開く音 人々の気配 ざわめきが起き始めていた

やがて 遠くから 消防車の鐘とパトカーのサイレンの音が いくつも近づいてくるのが聞こえてきた

だが 倒れている男は ピクリとも動かない

火事の火から顔を背けているので その表情は 窺い知ることができない

遠くで 怒号と激しく人の動く気配がしている

路地が狭くて 消防車が入れず 消防士達が叫びつつ近づいてくるようだ

燃え上がる炎は 夜空を焦がし ますます勢いを強めている

その灯りに照らされている男の姿は 相変わらず道路に張り付いた影のように 動かなかった

燃え盛る家の中で何かが崩れる大きな音がして ひときわ大きな炎が上がった

そして いくつもの激しい足音が近づいてきた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

真っ白な病室の中 淡いグリーンのカーテンが半ばまで引かれたベッドに 初老の男が横たわっている

あの火事の現場で倒れていた男だ

頭には包帯を巻き 右腕に点滴が入っている

くたびれた印象の 生気のない顔で 両目は固く閉じられていた

しかし 上掛けに覆われた胸は 規則正しく上下しており 眠りは穏やかなようだ

午後の日差しが差し込んでくる病室の中は エアコンが効いて 心地よい温かさに保たれている

静かな部屋の中に かすかな気配が沸いた

男の顔に微妙な表情が浮かび まぶたが震えだす

やがて 大きく息を吐くと 男のまぶたが徐々に開かれてゆく

焦点の合わない目を泳がせていたが 天井の一角に焦点が合うと 一気に精気が瞳に宿る

ゆるんでいた表情が引き締まり 口元に力が入る

その食いしばった歯の隙間から 細い息とともに かすかに声がもれる

「じいさんの名に懸けて・・・」

怒気とも執念ともつかない炎が 双眸に宿っている

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



…<(__)>…

いつも 愛犬シロの散歩の途中で通りかかる T字路の突き当りの空き家

くすんだ外観の こじんまりとした二階家で

ブロック塀に囲まれて 入口が小さな鉄格子の門になっている

塀や 家の壁には 枯れかかった蔦が絡まっていて

一階も二階も 窓にはトタンの雨戸が閉まっている

その トタンの雨戸も いたるところ錆が浮いて うらぶれた感じで沈み込んだ印象だ

雨戸自体が開いているところは もちろん見たことがなく

人が出入りしている様子もない


ある夕方 シロの散歩で通りかかった時 一階の雨戸が開いているのに気がついた

錆だらけの雨戸が 半分くらい開いて 中の電灯が点いている

人の気配がして 部屋の中の壁に 人影がゆれているようだ

「空家じゃなかったんだ ・・・ 人がいる ・・・」

何気なく見ていたのだが 突然シロが吠えたので 思わずそちらに目をやった

駐車場の端に向かって吠えている

白い大きなワゴンが止まっているあたりだ

街灯の灯りが ワゴンに遮られて そこだけ 闇がわだかまっている

何かが動いた気配に目を凝らす

と 茶色いものが顔を出している

いつものオオトラが まんまるい顔で こちらをうかがっているようだ

緑色に光る眼が二つ まっすぐに こちらを向いている

シロは 吠えるのをやめて オオトラの方をうかがっている

怒っているというよりは まぁ 挨拶のようなものだ

と 不意に視線を外し 私を見上げて 尾を振った

「先へ行こう」という合図だ

駐車場の方を見ると オオトラの姿は もう消えていた


シロに促されるまま その場を離れたのだが

その時 ちらっと見たあの家 ・・・

何か変わったところがなかったか?

・・・ 雨戸が 閉まっていた?

いつの間に?

気配もなかった ・・・

気づかなかった だけなのか?

そういえば あの時

壁に映っていた人影 ・・・

揺れていたのは 灯りじゃなくて 影の方だった

腕を上下に振るような そんな動作じゃなかったか?

そして 

薄暗い部屋の中

壁にあったのは あれは 何かのシミだったんじゃないか?

妙に赤黒い あのシミは ・・・


その時

首筋の毛が 一気に逆立った

「見られている」

首筋に 強烈な視線を感じて 動けなくなってしまった

そのまま 数秒 ・・・

息が詰まる 緊張感

「ワン」

シロの声で 我に帰ると 一気に緊張が解けて 大きく息を吐いた

・・・ もう 視線は感じない

だが

後ろを振り返る勇気はない

あの空家を見る勇気はない

足早にその場を離れ さっき家に帰ってきたばっかりだ

帰って 玄関に入って扉を閉めた瞬間 なぜか 激しく体が震えだした

全身から汗がふきだし 膝に力が入らない

内鍵がかかっているのを確かめると 倒れこむように寝室に入った

そして 今 この話を打ち込んでいる

明日の散歩のコースをどうしようか 私は 激しく悩んでいる



…<(__)>…

節電 節電と いささか耳についてきた ある夏の蒸し暑い夜

いつものように 私は 飼い犬の散歩に出かけることにした

犬の名は シロ

4歳の柴犬で 前足に 白いソックスをはいている

人にはよく懐き 誰彼なく尾を振るので 番犬としての才能は 皆無のようだ

玄関の扉を開けると むわっとした 生温かい空気が どっと押し寄せてきた

その湿っぽさを振り払うように 私は 外へと踏み出した

シロと私は ぽつぽつ点いている 街灯の下を ゆっくりと進んで行った

細い路地を抜け 十字路に来るたびに 風が舞って わずかな涼しさを運んできた

次の角で 右に曲がって コンビニの前を通って 商店街を抜けるのが いつものコースだ



今まで 軽くリードを引っ張るように進んできたシロが 不意に立ち止まった

鼻面を風に立てて 何かに集中しているようだ

私が 並びかけようとしたその一瞬

シロは 顔を真横に向けて 動かなくなった

四肢をぴんと張り 体毛が逆立っている 

「どうした?」

声をかけて シロがにらんでいる方に 私も目を向けた

絞り込むように 闇が深くなっていく 路地の奥に 黒々とうずくまっている大きな影

・・・ 小学校の校舎だった 

裏口の鉄の門が閉まった三階建の校舎の窓に 街灯が鈍く反射していた

何か嫌な感じがしたが 人のいない 夜の校舎なんて こんなもんだろう

「どうした」

もう一回声をかけて 軽くリードを引くと シロは ふっと緊張を解いた 

路地に背を向けて いつものように 角を右に曲がって コンビニに向かって進んで行く ・・・

その後は お定まりのコースを歩いて 何事もなく家に着いた

シロにも変わった様子はなく 水をやったら 嬉しそうに飲んで やがて眠ってしまった

私も ベッドに入り サイドテーブルの灯りを消そうとした ・・・ その時

気がついた ・・・

何かおかしい

あの感じ ・・・ あの 何とも言えない いやな感じ ・・・ あれは

部屋の天井を見上げて さっきの情景を思い浮かべていた ・・・

「あっ!」

思わず声が出た!

全身に鳥肌が立ち 冷たい汗がどっと湧いて 体の震えが止まらない


・・・ あの時 三階の左端の窓に映っていたのは 街灯じゃない ・・・

・・・ あの窓だけ 灯りが点滅していた ・・・

・・・ あれは あの廊下の 天井の灯りだ ・・・

・・・ なぜ あの一か所だけ 切れかけた灯りが 点滅していたんだ? ・・・

・・・ いや 廊下の灯りは 全部一度に 点灯/消灯されるはずだ ・・・

・・・ 他は消えていたのに あそこだけ あの一か所だけ なぜ ・・・

・・・ あそこは あの教室は 六年生の教室か? ・・・

・・・ 待てよ 裏口に面しているから ・・・

・・・ 音楽室か? ・・・

・・・ あの時 音楽室の入り口は 開いていたか? ・・・

・・・ 点滅する灯りの下で 黒々と切り取られた壁の穴 ・・・

・・・ その闇よりも さらに濃い影が 人のカタチに穿たれてはいなかったか? ・・・

・・・ そういえば ・・・

・・・ そういえば 音楽室にまつわる「話」が なかったか? ・・・


・・・


その後 私は 眠れなくなってしまった ・・・


それで

こうして キーボードを叩いている ・・・

こうでもしていなければ ・・・



…<(__)>…

「ふたたび」(1) 



その日 帰宅した彼女は いつものようにポストから郵便の束を取り出すと
左手に持ち替え 右手でポケットから鍵を取り出し 家に入った

居間に入り テーブルの上に郵便物を置き いったん自分の部屋へと向かった
部屋着に着替えて キッチンへ
冷蔵庫から お茶の入ったペットボトルを取り出し 一口飲んだ 
それを持って 居間のテーブルの前に座り 郵便物を仕分け始めた
まず パンフレットやチラシの類をテーブルの脇に積み
ダイレクトメールを その左に置き
最後に 自分宛のはがきや手紙を 自分の前に集めた

そして 時々お茶を 口に運びながら はがきと手紙を確認し始めた
その時 
友達からのはがきや ファンからの手紙に混じって 一通の茶封筒が目に留まった
宛名は自分で 差出人は 知らない人物だった
ありふれた 茶封筒で きれいな楷書体の手書き文字で記されていた
ただ その手紙を手に取ったとき 妙に心が騒いだ

目の前の はがきと手紙を脇にどけて その手紙の封を切った
封筒の中には 便箋が一枚と さらに 白い封筒が入っていた

折りたたまれた便箋を なぜか慎重に開くと 目を通しはじめた
手紙の文字も 宛名と同じ きれいな文字で書かれていた

「はじめまして

○○と申します。突然のお便り 失礼いたします
実は あなたのお母様のことで お伝えしたいことがあります
同封の 手紙をご覧になって もし ご希望であれば
×月×日 10時 渋谷区×× ・・・
にお越し下さい
                 ○○」

これだけでは 何のことかわからない 不審な内容だった

続いて 同封されていた 白い封筒を手に取った

表には 懐かしい文字で
「△△ちゃんへ」
と書かれており
裏を返すと 左下に小さく
「母より」
と書かれていた

その文字を見た瞬間
指先が震えた
そして その震えが 手から腕 肩へと伝わり
思わず両腕で封筒を抱きしめた

うつむいて 自分の肩を抱き 震えが収まるのを待った

しばらくそうしていたが 腕をほどくと 封筒に目を落とした
指先の震えはまだ収まっておらず 封筒を強く握り締めていた
「・・・おかあさん・・・」
つぶやくような言葉が 震える唇から漏れた
瞳に涙があふれ ほほを伝い 手紙に落ちた
「母より」の文字がにじんで 読めなくなった

やがて 意を決したように 封を破り始めた
白い封筒の中には 白い便箋が数枚 収められていた
ゆっくりと 便箋を開き 大きく深呼吸をして 読み始めた
「△△ちゃんへ
この手紙が あなたに届いたとき 私はもう あなたのそばにはいないでしょう
本当は いつまでも あなたのそばで 見守ってあげたかった
本当に ごめんなさい いてあげられなくて
だから あなたにぜひ伝えたいことを この手紙に記しておきます」
そこまで読んだとき また 涙かがあふれて 思わずうつむいてしまった
肩が震え ポタポタと テールに涙が落ちた
息が詰まるようだった
嗚咽が漏れ テーブルに泣き崩れた



*****************************************************************************************

短編なのですが この時点では さっぱり状況が分からなくなっています

登場人物も 現実には一人 おそらく後二人 といった想像しかつきません

仕掛けはありますが もう気づいた方もいらっしゃるかもしれません

(3)程度で終わる予定です ・・・ が ・・・ いつになることやら ・・・



…<(__)>…

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