カンカンとガクガクの部屋

時事・読書感想・裁判例の紹介など。書庫をご覧ください。

民法・商法の本

[ リスト ]

『債権法の新時代』  内田貴  商事法務  2009


親族・相続編を除き、制定から100年以上、
大規模改正がされていない民法が、
ついに大改正に向けて動き出したようです。

本書は、「民法(債権法)改正検討委員会」の
事務局長(コーディネーター的にすべての議事に出席)として
活躍している内田博士が、検討委員会で議論された成果を、
わかりやすいよう、コンパクトに解説した一冊です。
(その全容は漸次公刊されていますが、
膨大であり、素人が読破するのは困難です。)

本書によると、その委員会案の基本方針は、
「一般国民にわかりやすい民法にする」だそうです。
したがって、新たに制度を創設するというよりは、
判例や学説の共通理解を盛り込み、
教科書に頼らなくても読んでわかる民法を
作ることが目的なのだそうです。

(奇しくも、私がこのブログでちょこちょこ書いている
「憲法修正私案」と同じです。足元にも及びませんが。)

読んでまず驚いたのは、
消費者契約法や商行為法を民法に取り込むということです。
国民が一般に使う可能性がある、
消費者契約法や商行為法の中核部分は、民法に規定して
一括してわかるようにすべきということだそうです。
大村敦志教授の『消費者法』を挙げるまでもなく、
契約法と消費者契約法とは切っても切り離せないところですが、
商行為法まで取り込むというのは、なかなか刺激的です
(ただ、民商一元論は戦前からありました)。

債権総論については、すでに30年くらい前から
現条文・制度の不備は痛烈にいわれていることであり、
まさに民法学会の悲願といえるでしょう。
個人的にも債務不履行,責任財産の保全,相殺など、
改正が非常に楽しみです。

一方、契約法に関する部分については、
過剰だという批判は避け難いところかもしれません。
内田民法あたりですでに馴染み深いところですが、
条文が複雑化・増加するわりには、あまり
「それでどうなる?」という利点がピンとこないからです。
「素人にわかりやすい」のかもちょっと疑問です。

ただ、民法総則、債権総論、契約法の体系(編成)は
維持されるそうなので少し安心しました。

一般の人が読む必要はないと思いますが、
(内田博士流にいうと、改正後の“原文を読めばよい”。)
これから民法を学ぶ法学部生や院生は
ぜひとも読んでおくべき一冊でしょう。


http://www.shojihomu.co.jp/newbooks/1700.html


.
書生クン
書生クン
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事