裁判員制度:「合憲」 覚醒剤事件、最高裁が初判断
裁判員制度が憲法に反するかどうかが争われたフィリピン人女性による覚せい剤取締法違反事件の上告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は16日、「裁判所での法と証拠に基づく適正な裁判は保障されており、憲法に違反しない」として合憲との初判断を示した。その上で被告の上告を棄却する判決を言い渡した。15人全員一致の判断。懲役9年などとした1、2審が確定する。
被告弁護側は、裁判員裁判が「下級裁判所の裁判官は内閣で任命する」(憲法80条)などに違反するなどとして、実刑判決の破棄を求めていた。
大法廷はまず、刑事司法への国民参加の合憲性について「憲法の基本原理や刑事裁判の諸原則、憲法制定の経緯などを考慮して判断すべきだ」と指摘。戦前に一時、陪審裁判が行われていた経緯を踏まえ、「刑事裁判に国民が参加して民主的基盤の強化を図ることと、憲法の定める人権保障を全うしつつ適正な刑事裁判を実現することは相いれないものではない」と述べた。
その上で、制度を憲法の各条文に照らし、「憲法は、国民の司法参加を禁じているとは解釈されない」と判断。裁判員裁判について「裁判官と、中立性の確保に配慮された裁判員で構成されている。刑事裁判の諸原則の保障は裁判官に委ねられている」と結論づけた。
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2011年11月17日 毎日新聞
被告側から、あるいは第三者視点でいえば、
違憲主張はほとんど不可能だと思います。
あとは、守秘義務違反で起訴されたとか、
長期拘束で会社を解雇されたなど、
裁判員に選ばれた側に紛争が生じた場合に、
個別の条文ないし運用について違憲性を主張することが
可能性として残されています。
典型的には次のようなケース。
評決で、自分は死刑反対なので懲役刑に投票した。
↓
多数決によって死刑判決が下された。
↓
記者会見などで、「私は死刑を回避した」と公言。
↓
守秘義務違反で起訴される。
↓
裁判員法の当該条項は人権を侵害していると争う。
物議をかもしそうなのは、
以上のような事件が起こったときでしょうか。
最高裁が丁寧に確認しているように、
憲法の条文をつついて、裁判員制度(司法参加)
自体を全否定することはできません。
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