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『やさしい民事執行法・民事保全法』 小林秀之・山本浩美 法学書院
『やさしい民事執行法・民事保全法』がリニューアルされた。
しかしよく見ると、なんと著者が代わっている。
またまた顔を出してきたのは、おなじみの小林教授だ。
せっかくリニューアルするチャンスだったのに、
むしろ、終止符が打たれたように思う。
この法学書院「やさしいシリーズ」の唯一にして最大のウリは、
「とにかく薄くて、あっさりしていること」だと思う。
詳しさ、新機軸、権威付けなどは特にないし、期待もされてはいない。
前任者である飯倉一郎教授のときは220ページくらいだった。
ウリになり得るのはそこだけだが、それがいいところだ。
実際、司法書士試験の予備校テキストなどを見てもわかるように、
司法試験、司法書士試験などの短期まとめ用として、
または、大学生や社会人などの一般教養としては、
200ページ程度があるとけっこう便利なはずだ。
ところが、今回のリニューアル版は、320ページである。
前書きによれば、意図的に標準テキストとして執筆したらしく、
入門書に徹する気はなかったと明言している。
これでは、すでに何冊も出ている類書と何ら変わらない。
ご自分の講義用に整備したのだろう。この出版不況の中では、
講義での使用を手堅くあてこむのはしょうがないのかもしれない。
ただ、教え子ではない身から判断すれば、
ただただ、一般向けとしては台無しになったと思う。
あっちこちに手を出すが、質より数な上に、
執筆のコンセプトが独自すぎる感性によって成り立っているため、
どうもうまくいっているように見えないのが
小林教授の一連の著作だと思うのだが。
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民事裁判の本
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