1票の格差:昨年衆院選「違憲状態」…最高裁判決
「1票の格差」が最大2.43倍だった2012年12月の衆院選を巡り、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた16件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は20日、「投票価値の平等に反する状態だった」と述べ、小選挙区の区割りを「違憲状態」と判断した。一方で「段階的に見直しを重ねて是正することも国会の裁量だ」と指摘し、請求は棄却した。選挙無効を含む14件の違憲判決が出た高裁段階と比べ、国会に対する厳しい姿勢は後退し、違憲の一歩手前でとどめた。
大法廷は11年3月、最大格差が2.30倍だった09年選挙を違憲状態とした上で、47都道府県に1議席ずつ割り振って残りを人口比で配分する「1人別枠方式」の廃止を求めた。12年11月の衆院解散直前に同方式を廃止し、小選挙区を「0増5減」する選挙制度改革関連法が成立したが、区割りが間に合わず、格差が拡大したまま選挙が行われた。一方で、今年6月に決まった新区割りでは、格差は1.998倍(10年国勢調査の人口ベース)となり、法律(衆院選挙区画定審議会設置法)で求められる「2倍未満」となった。
大法廷はこうした経緯について「選挙前に是正の実現に向けた一定の前進と言える法改正が成立した」と評価。「今後、格差2倍以上の選挙区が増える可能性が高く、1人別枠方式の構造的問題が最終的に解決したとは言えないが、段階的に見直しを重ねることも許容される」と述べ、国会の幅広い裁量権を認めた。
さらに、大法廷は「違憲」か「違憲状態」かを分ける「是正に必要と認められる期間(合理的期間)を経過したか否か」の判断指針に初めて言及。「期間の長短だけでなく、是正措置の内容や検討事項などの事情を総合考慮すべきだ」と指摘し、昨年の衆院選時点で合理的期間を過ぎていたとは言えないとした。
違憲状態と結論づけたのは竹崎裁判長ら11人。大谷剛彦裁判官ら3人は「選挙無効とはしないが違憲だ」と反対意見を述べた。関連法の国会審議の際に内閣法制局長官だった山本庸幸(つねゆき)裁判官は審理に加わらなかった。
2013年11月20日 毎日新聞
この要旨だけみると、甘い判決といわれても仕方がないように思う。
「裁量の余地がある」とか「一朝一夕にはいかない」というのは
百も承知なわけで、それを前提としても、漫然と棚上げに
されすぎているという批判にもっと耳を傾けるべきだろう。
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