カンカンとガクガクの部屋

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『聞く力』   阿川佐和子   文春新書   2012
 
 
 
発売以来爆発的に売れているモンスター新書。
大型古書店で100円で入手。
 
 
まず数十ページは、言い訳のような謙遜がしばらく続くので
ちょっと心配になるが、そのあと次第にちゃんとした本題へ入る。
インタビュアーとしての真面目な取り組みが順を追って回顧されていく。 
 
さしあたりは特に目を引く話はない。要するに、
「真剣に取り組むならすべきだが、それがなかなか実践できないので
素人はつまずく」という類の話である。正論ではあるが、
正論であるがゆえに、あまり目新しい手法は出てこない。
 
 
内容はもちろん、エッセイストとしての手腕がいかんなく
発揮されている。とにかく突っ込みどころがない。
ひどく悪く言わせてもらえば「可もなく不可もない」。
自分のエピソードと他人のエピソード、一方の見方と他方の見方、
などがバランスよく、かつテンポよく巧みに語られる。
感心するところも特にないが、反論したいところも特にない。
 
 
後半の第Ⅲ章は、やや具体的にいろいろな局面について
立ち入った考えが記されている。とはいえ、やはり結論は一様で、
「総合判断」,「経験を積む」,「誠実に対処する」という
一般論で尽きている。それ以上でも以下でもないらしい。
 
 
何についても細やかによく考えているという感じが、
著者の真面目さをよく表している。とにかく、
立ち止まり、順を追って、自分の会話を反省してみることが
大事ということだろうか。
 
 
終盤まで来てはっきりわかるのは、
なんだかんだでやはり対談エピソード集なのである。
おもしろいエピソードは尽きぬほどにあるだろう。
なにしろ有名人にこれだけ数多く接してきているのであるから、
インタビューのエピソードを集めるだけでも何本もの
エッセイを書き上げることができると思う。
それをまとめる著者の文章力もすごいと思う。
結局、本書は新書の装いはとっているものの、
著者のエッセイ本の一つなのである。
 
 
ラストまでエピソードが詰め込まれ、
面白く読めるので売れている意味はよくわかる。
ただ、新書という媒体にしてみれば、教養的な知識や技術の話は
ほとんどない。この本全体から得られる教訓的要素は、
著者の仕事人としての誠実な態度、その一点である。
 
 

 
 

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