しばらく気にしていない間に、
東海大学、関東学院大学、龍谷大学、
久留米大学、新潟大学、鹿児島大学
の6校が撤退を決めたそうだ。
これで撤退(募集停止)は、
姫路獨協大学、大宮法科大学院、明治学院大学、神戸学院大学、
駿河台大学、東北学院大学、大阪学院大学、島根大学、大東文化大学、
信州大学、東海大学、関東学院大学、龍谷大学、久留米大学、
新潟大学、鹿児島大学の16校。
あとは、
白鴎大学、独協大学、国学院大学、駒沢大学、神奈川大学、中京大学、
愛知学院大学、名城大学、京都産業大学、甲南大学、福岡大学、
あたりの撤退がありうるだろう(というかしぶといな、この11校)。
ただ、再三の確認になるが、
「統合や廃止」はちょこちょこと実施していても、
焼け石に水であって効果は期待できず、不公平かつ非効率だと思う。
「合格者数を3000人に増やす」の可能性がゼロなのであれば、
「法科大学院制度の白紙からの考え直し」以外に道はないと思われる。
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私は、「強制起訴」制度は、やめたほうがいいと思っている。
1 「疑わしくは無罪」の精神にそぐわない。
たしかに検察官の判断は絶対ではありえない。
とはいえ、 「疑わしい」と判断していることに違いない。
そうなると起訴しないのはおかしくないと思う。
2 刑事裁判は刑罰を決定する場であり。真相を究明する場ではない。
社会問題を個人の責任に転嫁すべきではないと思う。
3 過失は具体的に予見できる可能性がないと不十分だと思う。
「立場的に予想すべきだ」とか「なんとなくわかるだろう」
では広すぎる。
4 検察がスルーする場合は、多くは量刑が少ないものが多い。
「禁錮1年執行猶予3年」のために、6年も裁判にかけるのは負担が重い。
もう一件の有罪事件も、「人を突き飛ばしたので、科料9千円」である。
5 民事裁判で責任追及はできるし、裁判は行われる。
また多くは、社会的非難も受けるはずだし、自責の念もあろう。
「問題を公にする」という目的ならば方法は別に探した方がいいと思う。
それに加えて、何が何でも刑事罰という合理的な必要性は乏しい。
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『聞く力』 阿川佐和子 文春新書 2012
発売以来爆発的に売れているモンスター新書。
大型古書店で100円で入手。
まず数十ページは、言い訳のような謙遜がしばらく続くので
ちょっと心配になるが、そのあと次第にちゃんとした本題へ入る。
インタビュアーとしての真面目な取り組みが順を追って回顧されていく。
さしあたりは特に目を引く話はない。要するに、
「真剣に取り組むならすべきだが、それがなかなか実践できないので
素人はつまずく」という類の話である。正論ではあるが、
正論であるがゆえに、あまり目新しい手法は出てこない。
内容はもちろん、エッセイストとしての手腕がいかんなく
発揮されている。とにかく突っ込みどころがない。
ひどく悪く言わせてもらえば「可もなく不可もない」。
自分のエピソードと他人のエピソード、一方の見方と他方の見方、
などがバランスよく、かつテンポよく巧みに語られる。
感心するところも特にないが、反論したいところも特にない。
後半の第Ⅲ章は、やや具体的にいろいろな局面について
立ち入った考えが記されている。とはいえ、やはり結論は一様で、
「総合判断」,「経験を積む」,「誠実に対処する」という
一般論で尽きている。それ以上でも以下でもないらしい。
何についても細やかによく考えているという感じが、
著者の真面目さをよく表している。とにかく、
立ち止まり、順を追って、自分の会話を反省してみることが
大事ということだろうか。
終盤まで来てはっきりわかるのは、
なんだかんだでやはり対談エピソード集なのである。
おもしろいエピソードは尽きぬほどにあるだろう。
なにしろ有名人にこれだけ数多く接してきているのであるから、
インタビューのエピソードを集めるだけでも何本もの
エッセイを書き上げることができると思う。
それをまとめる著者の文章力もすごいと思う。
結局、本書は新書の装いはとっているものの、
著者のエッセイ本の一つなのである。
ラストまでエピソードが詰め込まれ、
面白く読めるので売れている意味はよくわかる。
ただ、新書という媒体にしてみれば、教養的な知識や技術の話は
ほとんどない。この本全体から得られる教訓的要素は、
著者の仕事人としての誠実な態度、その一点である。
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『民事訴訟法』 長谷部由起子 岩波書店 2014
民事訴訟法の新たな標準的教科書が岩波書店から出版された。
本書は俄然注目されていいテキストである。第一線で活躍する著者が、満を持して、オーソドックスに、単独で執筆したものだからである。民事訴訟法のベーシックテキストはいろいろ出されているが、とりあえずほとんど無視して本書を手に取れば間違いないであろう。著者は5年前に、有斐閣アルマシリーズから3人の共著として標準テキストを出しているが、本書により更新がされ、アルマもスルーしていいことになったといってもいいと思う。
本書の特徴はきわめてオーソドックスだということである。PR文によれば、様々な工夫を図ったと意気込みが書かれているが、一見したところでは、あまりその気配は無い。だがそれでもいいと思う。
本書の注目点として、まず第一に、アルマと違い「訴訟要件」と「多数当事者訴訟」の章が独立に立てられていることである。これは、旧来のマナーに倣ったものであり、これはこれでまちがいないと思う(この方式に戻したということは、アルマの構成は長谷部教授の本意ではなかったということか)。第二に、「非訟事件」や「国際裁判管轄」が最後尾に回されたことである。これは私も念願していたところであり、いいと思う。多くのテキストの冒頭に「非訟事件」や「国際裁判管轄」が置かれていることには前々から違和感を感じていた。なお、手形訴訟は独立の項目としては置かれていない(まあ、手形自体が落ち目なので…)。
あえて難をいえば、第一に、約400ページで、分量がややこころもとないこと。全範囲を扱うなら、500ページ前後くらいあったらよかったと思う。第二に、はしがきで、ご多分に漏れず、「眠素」解消を狙ったと述べられているが、その解消策が不明確であることである。オーソドックスで、民事訴訟法学を面白くするような目を引くところは特にないようなのである。
さて、これで、民事訴訟法学のスタンダードテキストは、有斐閣の「リーガルクエスト」と本書のどちらか、ということに絞られそうだ。両者は一長一短である。「リーガルクエスト」は東大,京大,慶応の先生が書いていることと、内容がかなり充実していることが長所であるが、逆にいえば、共著ものであり、かなり分厚いことが欠点といえる。逆に本書は、有力者の単著であり、シンプルにまとまっているという特長がある。どちらを選択するかは好みの問題だが、この二書以外は、「自分の先生である」という観点を除けば、選択肢には入らないことになりそうだ。
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〈 「公布」 「施行」 「適用」 〉
1 公布
・成立した法律を、国民に周知させる目的で、公示する行為。
・議長から内閣を経由して奏上され、天皇が国事行為として行う。
・官報に搭載することによって行われる。
2 施行
・規定の効力が現実に一般的に発動し、作用すること。
・いつ施行されるかは、その法律の「附則」で様々に定められる。
→即日,何日後,何年何月何日,A法が施行される日,B法で指定する日,など。
・法律の部分ごとに施行日を分けることも行われる。
→例えば全体の施行日を決めつつ、広報や制度準備に関する規定は
先行して施行されるように定める場合などがある。
・公布後、施行前に改正を加えることは可能である。
3 適用
・規定が、個別具体的に特定の対象に、現実に発動し作用すること。
一般には施行によりすべてに適用されるので問題はない。
・ただし、旧法と新法にまたがって、行為,事象,事件がある場合、
どちらが効力をもつか不明確になることがある。そのときに、
「Aの場合は、(新法/旧法)を適用する」というような規定が置かれる。
参考: 『条文の読み方』 法制執務用語研究会 有斐閣
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