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鹿児島大、法科大学院の募集停止へ 合格率と志願者数低迷で

 鹿児島大学(鹿児島市)は25日、2015年度から法科大学院の学生募集を停止する、と発表した。24日の役員会で決めた。司法試験合格率と志願者数の低迷が主な要因。在校生15人が修了次第、大学院を廃止する。文部科学省によると、法科大学院の学生募集停止は全国で16校目、国立大では4校目。九州6校では久留米大に続いて2校目。国立大では初となる。
 法科大学院は04年度に設置。大学によると、08年度から入学者数の定員割れが続き、10年度からは入学定員を15人に半減したが、定員割れは解消しなかった。本年度の入学者は3人。修了者130人のうち司法試験合格者は13人だった。
 大学では、テレビ会議を使って九州大や熊本大の法科大学院と連携した授業をしたり、独自の奨学金制度を創設したりするなど、教育内容や学生募集の改善を図ってきたが、効果が表れず、文科省の補助金削減の対象になっていた。
 記者会見で前田芳実学長は「苦渋の決断。志願者数が増加に転じる状況ではなく、存続は厳しいと判断した。大学個別の対応では限界があった」と説明した。

                    2014年4月25日  西日本新聞
 
 
 
 
しばらく気にしていない間に、
 
東海大学、関東学院大学、龍谷大学、
久留米大学、新潟大学、鹿児島大学
 
の6校が撤退を決めたそうだ。
 
 
これで撤退(募集停止)は、
 
姫路獨協大学、大宮法科大学院、明治学院大学、神戸学院大学、
駿河台大学、東北学院大学、大阪学院大学、島根大学、大東文化大学、
信州大学、東海大学、関東学院大学、龍谷大学、久留米大学、
新潟大学、鹿児島大学の16校。
 
あとは、
白鴎大学、独協大学、国学院大学、駒沢大学、神奈川大学、中京大学、
愛知学院大学、名城大学、京都産業大学、甲南大学、福岡大学、
 
あたりの撤退がありうるだろう(というかしぶといな、この11校)。
 
 
 
ただ、再三の確認になるが、
「統合や廃止」はちょこちょこと実施していても、
焼け石に水であって効果は期待できず、不公平かつ非効率だと思う。
 
「合格者数を3000人に増やす」の可能性がゼロなのであれば、
「法科大学院制度の白紙からの考え直し」以外に道はないと思われる。
 
 
 

 
 
 
 
元指導者に有罪判決 松本の柔道事故で長野地裁 全国初の有罪

 松本市の柔道教室で2008年5月、当時小学6年の沢田武蔵君(17)=松本市波田=を投げて重い障害を負わせたとして業務上過失傷害罪に問われ、県内で初めて強制起訴された教室の元指導者、小島武鎮(たけしげ)被告(41)=同市梓川梓=の判決公判は30日午後、長野地裁で開き、伊東顕裁判長は禁錮1年(求刑禁錮1年6月)、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
 長野地検は12年4月、業務上過失傷害罪について「嫌疑不十分」で小島被告を不起訴にした。沢田君の両親が長野検察審査会(検審)に審査を申し立て、長野検審は同7月に「起訴相当」と議決。地検は同年12月に再度、嫌疑不十分で不起訴としたが、長野検審が13年3月に起訴議決をし、被告は強制起訴された。
 09年に制度化され、これまで全国で8件あった強制起訴事件で、検察が嫌疑不十分を理由に起訴しなかった被告への有罪判決は初めて。
 強制起訴事件の一審有罪は、暴行罪に問われた徳島県石井町長を科料9千円とした昨年2月の徳島地裁判決に続き2例目。検察は町長を「起訴猶予」としていた。
 沢田君は投げられた際、頭は打ち付けなかったが、回転中の体が突然止まる衝撃で生じる力「回転加速度」により、脳と周囲の硬膜をつなぐ静脈が切れて急性硬膜下血腫が発生したとされる。
 裁判では沢田君の柔道技術の程度や、被告が技を掛ける際に力加減や配慮をしたかどうか、頭を打ち付けなくても急性硬膜下血腫が起きることを予見できたかどうか―などが争点となった。
 検察官役を務めた指定弁護士は、被告は受け身も十分身に付けていない沢田君に、力加減せずに変則的な投げ技「片襟の体落とし」を掛けた過失があると指摘。回転加速度で硬膜下血腫が発生することは、スポーツ指導者向けの本などに記載があったことなどから、事故は予見できたとして禁錮1年6月を求刑していた。
 被告側は、沢田君は対外試合に出場できる技術を身に付けており、被告も力加減をしたと反論。回転加速度による硬膜下血腫は柔道界などで知られていなかったとして、無罪を主張していた。

                  
                        2014年4月30日  信濃毎日新聞
 
 

 
 
私は、「強制起訴」制度は、やめたほうがいいと思っている。
 
 
 
1 「疑わしくは無罪」の精神にそぐわない。
  たしかに検察官の判断は絶対ではありえない。
  とはいえ、 「疑わしい」と判断していることに違いない。
  そうなると起訴しないのはおかしくないと思う。
 
2 刑事裁判は刑罰を決定する場であり。真相を究明する場ではない。
  社会問題を個人の責任に転嫁すべきではないと思う。
 
3 過失は具体的に予見できる可能性がないと不十分だと思う。
  「立場的に予想すべきだ」とか「なんとなくわかるだろう」
  では広すぎる。
 
4 検察がスルーする場合は、多くは量刑が少ないものが多い。
  「禁錮1年執行猶予3年」のために、6年も裁判にかけるのは負担が重い。
  もう一件の有罪事件も、「人を突き飛ばしたので、科料9千円」である。
 
5 民事裁判で責任追及はできるし、裁判は行われる。
  また多くは、社会的非難も受けるはずだし、自責の念もあろう。
  「問題を公にする」という目的ならば方法は別に探した方がいいと思う。
それに加えて、何が何でも刑事罰という合理的な必要性は乏しい。
 
 
 

 
 
 
『聞く力』   阿川佐和子   文春新書   2012
 
 
 
発売以来爆発的に売れているモンスター新書。
大型古書店で100円で入手。
 
 
まず数十ページは、言い訳のような謙遜がしばらく続くので
ちょっと心配になるが、そのあと次第にちゃんとした本題へ入る。
インタビュアーとしての真面目な取り組みが順を追って回顧されていく。 
 
さしあたりは特に目を引く話はない。要するに、
「真剣に取り組むならすべきだが、それがなかなか実践できないので
素人はつまずく」という類の話である。正論ではあるが、
正論であるがゆえに、あまり目新しい手法は出てこない。
 
 
内容はもちろん、エッセイストとしての手腕がいかんなく
発揮されている。とにかく突っ込みどころがない。
ひどく悪く言わせてもらえば「可もなく不可もない」。
自分のエピソードと他人のエピソード、一方の見方と他方の見方、
などがバランスよく、かつテンポよく巧みに語られる。
感心するところも特にないが、反論したいところも特にない。
 
 
後半の第Ⅲ章は、やや具体的にいろいろな局面について
立ち入った考えが記されている。とはいえ、やはり結論は一様で、
「総合判断」,「経験を積む」,「誠実に対処する」という
一般論で尽きている。それ以上でも以下でもないらしい。
 
 
何についても細やかによく考えているという感じが、
著者の真面目さをよく表している。とにかく、
立ち止まり、順を追って、自分の会話を反省してみることが
大事ということだろうか。
 
 
終盤まで来てはっきりわかるのは、
なんだかんだでやはり対談エピソード集なのである。
おもしろいエピソードは尽きぬほどにあるだろう。
なにしろ有名人にこれだけ数多く接してきているのであるから、
インタビューのエピソードを集めるだけでも何本もの
エッセイを書き上げることができると思う。
それをまとめる著者の文章力もすごいと思う。
結局、本書は新書の装いはとっているものの、
著者のエッセイ本の一つなのである。
 
 
ラストまでエピソードが詰め込まれ、
面白く読めるので売れている意味はよくわかる。
ただ、新書という媒体にしてみれば、教養的な知識や技術の話は
ほとんどない。この本全体から得られる教訓的要素は、
著者の仕事人としての誠実な態度、その一点である。
 
 

 
 
 
 
 
『民事訴訟法』    長谷部由起子   岩波書店   2014
 
 
 
民事訴訟法の新たな標準的教科書が岩波書店から出版された。
 
 
本書は俄然注目されていいテキストである。第一線で活躍する著者が、満を持して、オーソドックスに、単独で執筆したものだからである。民事訴訟法のベーシックテキストはいろいろ出されているが、とりあえずほとんど無視して本書を手に取れば間違いないであろう。著者は5年前に、有斐閣アルマシリーズから3人の共著として標準テキストを出しているが、本書により更新がされ、アルマもスルーしていいことになったといってもいいと思う。
 
 
 本書の特徴はきわめてオーソドックスだということである。PR文によれば、様々な工夫を図ったと意気込みが書かれているが、一見したところでは、あまりその気配は無い。だがそれでもいいと思う。
 
 
本書の注目点として、まず第一に、アルマと違い「訴訟要件」と「多数当事者訴訟」の章が独立に立てられていることである。これは、旧来のマナーに倣ったものであり、これはこれでまちがいないと思う(この方式に戻したということは、アルマの構成は長谷部教授の本意ではなかったということか)。第二に、「非訟事件」や「国際裁判管轄」が最後尾に回されたことである。これは私も念願していたところであり、いいと思う。多くのテキストの冒頭に「非訟事件」や「国際裁判管轄」が置かれていることには前々から違和感を感じていた。なお、手形訴訟は独立の項目としては置かれていない(まあ、手形自体が落ち目なので…)。
 
 
 
 あえて難をいえば、第一に、約400ページで、分量がややこころもとないこと。全範囲を扱うなら、500ページ前後くらいあったらよかったと思う。第二に、はしがきで、ご多分に漏れず、「眠素」解消を狙ったと述べられているが、その解消策が不明確であることである。オーソドックスで、民事訴訟法学を面白くするような目を引くところは特にないようなのである。
 
 
 
 さて、これで、民事訴訟法学のスタンダードテキストは、有斐閣の「リーガルクエスト」と本書のどちらか、ということに絞られそうだ。両者は一長一短である。「リーガルクエスト」は東大,京大,慶応の先生が書いていることと、内容がかなり充実していることが長所であるが、逆にいえば、共著ものであり、かなり分厚いことが欠点といえる。逆に本書は、有力者の単著であり、シンプルにまとまっているという特長がある。どちらを選択するかは好みの問題だが、この二書以外は、「自分の先生である」という観点を除けば、選択肢には入らないことになりそうだ。
 
 
 

 
 

法律用語の基礎 24 

 
 
〈 「公布」 「施行」 「適用」  
 
 
1 公布
 
 ・成立した法律を、国民に周知させる目的で、公示する行為。
 ・議長から内閣を経由して奏上され、天皇が国事行為として行う。
 ・官報に搭載することによって行われる。 
 
 
2 施行
 
 ・規定の効力が現実に一般的に発動し、作用すること
 ・いつ施行されるかは、その法律の「附則」で様々に定められる。
  →即日,何日後,何年何月何日,A法が施行される日,B法で指定する日,など。
 ・法律の部分ごとに施行日を分けることも行われる。
  →例えば全体の施行日を決めつつ、広報や制度準備に関する規定は
   先行して施行されるように定める場合などがある。
 ・公布後、施行前に改正を加えることは可能である。
 
 
3 適用
 
 ・規定が、個別具体的に特定の対象に、現実に発動し作用すること
 一般には施行によりすべてに適用されるので問題はない。
・ただし、旧法と新法にまたがって、行為,事象,事件がある場合、
どちらが効力をもつか不明確になることがある。そのときに、
「Aの場合は、(新法/旧法)を適用する」というような規定が置かれる。
 
 
 
         参考:  『条文の読み方』  法制執務用語研究会   有斐閣
 
 
 
 

 

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