これで撤退(募集停止)は、
姫路獨協大学、大宮法科大学院、明治学院大学、神戸学院大学、
駿河台大学、東北学院大学、大阪学院大学、島根大学、
大東文化大学、信州大学、の10校。
あとは、
鹿児島大学、白鴎大学、独協大学、国学院大学、駒沢大学、
神奈川大学、愛知学院大学、中京大学、名城大学、京都産業大学、
龍谷大学、甲南大学、福岡大学、久留米大学、
あたりの撤退がありうるだろう。
(東海大学もすでに募集停止を決定したらしいが、
報道上は明らかにされていない。)
ただ「統合や廃止」はちょこちょこと実施していても、
焼け石に水であって効果は期待できず、不公平かつ非効率と思う。
「合格者数を3000人に増やす」の可能性がほとんどないのであれば、
「法科大学院制度の白紙からの考え直し」以外に道はないと思われる。
|
全体表示
[ リスト | 詳細 ]
|
〈 「この限りでない」 「妨げない」 〉
1 「この限りではない」
・条文の末尾、多くは、ただし書きに書かれる。
・前文の全部又は一部の適用を、特定の場合に除外するという意味。
「歩行者は、道路を横断してはならない。ただし、
横断歩道によって道路を横断するときはこの限りではない。」
・そのときどうするかは、別に規定が置かれることも多い。
「1項 人事訴訟で、成年後見人は、成年被後見人のために訴訟を
行うことができる。ただし、相手方がその成年後見人のときはこの限りではない。
2項 ただし書きの場合には、成年後見監督人が成年被後見人のために
訴訟を行うことができる。」
2 「妨げない(妨げるものではない)」
・その規定が設けられても、別の規定の適用が排除される
ものではないということ。
・排除されないというだけで、必ず適用しなければいけないわけではない。
民法545条3項
「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。」
→契約解除をしても、損害賠償請求は別にできるということ。
とはいえ、解除したからといって必ず損害賠償請求を
しなければならないわけではない。
参考: 『条文の読み方』 法制執務用語研究会 有斐閣
|
|
『条解刑法(第3版)』 前田雅英 編集代表 弘文堂 2013
刑法を代表するコンメンタール(逐条解説書)の一つが
この『条解刑法』である。初版出版から10年ということで、
その概要をざっくりと見てみた。
初版以来のこの本のコンセプトは、
「実務において現実に妥当している刑法を一書にまとめること」であり、
「実務における刑法の考え方」を提示することにあるという。
そのため、理論上・学説上の問題にはほぼ立ち入らず、
参考文献は(ごく一部を除き)注記されない方針になっている。
執筆分担も記載はしないことになっており、
文責は編集委員6人が連帯して負うものとされている。
全体のボリュームは、初版が823ページ,第3版は893ページ。
8%くらいの増量であまり変化はない。
編集委員に出入りはない。前田雅英教授か池田修判事が
最高裁判事になるかもしれないとうっすら思っていたが、
それはなかった。残るは大谷直人判事で、この人が一番可能性は
高いらしい。第四版で初の最高裁判事誕生となるかもしれない。
執筆陣もあまり入れ替わりはない。ただ、
検察官の比重が下がり、裁判官中心の色合いが濃くなっている。
初版は、裁判官17人、検察官12人であったが、
第3版では裁判官20人、検察官4人となっている。
学者は変わらず、実質的に前田教授の右腕である
木村光江教授ただ1人の参加である。前田教授の研究者弟子は、
10年経っても参加は無い。そもそもガラパゴス学派であるため、
前田説は刑法理論としては一代限りの運命なのかもしれない。
本書は、学説にはあまり触れないというコンセプトだが、
むしろ、学会における99%の通説でない限り、前田説であっても
言及はしないという徹底した立場にシフトしたほうがいいのかもしれない。
気は早いが、第四版が出るのは、2019年頃になるだろう。
その頃に編集委員は全員キャリアの終着を迎えることになる。
メンバーの入れ替わりとかはあるのだろうか。
これからもなんだか気になる一冊である。
|
|
〈 「…してはならない」 「…することができない」 〉
1 「…してはならない」
・一定の行為の禁止。逆にいえば不作為の義務を課すこと。
・義務なので、罰則などの制裁が定められることが多い。
・違反した私法上の法律行為は、原則として、無効とならない。
例 薬事法の「販売してはならない」に違反した。
→ 薬品の売買契約は有効だが、罰則がある。
2 「…することができない」
・ある行為をすることについて、権利や能力がないということ
・したがって、違反した行為は無効や取消しの対象となる。
・罰則などの制裁が定められることは少ない。
例 「…16歳にならなければ、婚姻をすることができない」(民法731条)
→ 受理されない。受理されても取消事由となるが、罰則などはない。
参考: 『条文の読み方』 法制執務用語研究会 有斐閣
|
|
『憲法判例百選(第6版)』 長谷部・石川・宍戸編 有斐閣 2013
憲法判例百選の新版が出た。
6年ぶりということで従来通りのペースでの刊行。
編者は高橋和之教授から後継者の宍戸常寿教授へと、
これまたスムーズにバトンタッチされたようだ。
執筆者はいつものとおり“学会総出”という様相に変わりはなし。
質にバラツキがあるという批判は残りそうだ。ただ、
編者による執筆方針は、「判例の内容をできるかぎり
客観的かつ内在的に解説してください」ということらしいので、
良し悪しの差があまりないことを祈るばかりである。
私たち学ぶ側からは、一つ一つの出来不出来を網羅的に
判断することは困難なのであるから、編者の方はそこは厳しく
品質管理をしてもらいたい(学者の内輪から百選批判が出たりすると、
読者としてはただただ迷惑である)。
判例の数は、うれしいことに緊縮が実行されている。
これは願ったりかなったりである。第5版は、
Ⅰが117件,Ⅱが120件であったが、今回は、
Ⅰが111件,Ⅱが105件となっている。私は、
「判例百選は“百選”なのだから各100件に収めるべきだ」
と常々思っている。百選の肥大は、試験での暗記量のインフレを招く。
だいたい毎回、新判例が20件くらい入るのであれば、
古い判例を中心に20件を除外してもらいたい。
まだまだアペンデッィクス欄に移行しても
よさそうな判例がけっこうあるように見える。
この質の問題と数の問題には、目次を眺めるに、
うっすらと相関関係があるのではないかと私は思う。
つまり、多くの学者に書かせたいがために判例数が
減らせないのではないか。執筆者をもっと減らせば、
自然に200件に落ち着くのでは…、と思うのだが、
外野にはどうにもならない事情である。
ただ、従来のややだらだらとしていた印象が、
一段階きりっとした感じは確かにある。
この方針が継続するなら、判例教材の定番として
面目躍如といっていいのかもしれない。
|


