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『会社法』 伊藤靖史・大杉謙一・田中亘・松井秀征 有斐閣 2009
著者4人は、新進気鋭の4教授です。
今後の学会をリードし、将来は、
各自の体系書が期待される方といえます。
基本構造と判例・通説からかなり丁寧に
解説されていて、構成も整理され、
わかりやすさや信頼感も問題はないと思います。
随所で4人の独自見解や問題関心が示されており、
それが通説を覚えるだけに留まらない刺激を
全体に与えています。
冒頭のガイダンス,ケーススタディ,
基本と応用のメリハリ,練習問題,図表,
参考文献,全体のサイズなど、テキストとして
全面に気が配られていて言うことありません。
なにしろ、最近のテキストに多いですが、
初心者に講義する感じで文章が書かれており、
会社法にありがちな無味乾燥さが極力抑えられています。
会社法の教科書といえば、今まで、
前田庸・龍田節・江頭憲治郎・
神田秀樹・近藤光男・弥永真生教授等々、
名著ながらひとくせある体系書ばかりで、
正直どれを基本に据えてよいか悩んでいた
大学生・学習者は私を含め多かったと思いますが、
本書の登場で、やっと解決したといって
いいのではないでしょうか。
極端なことをいえば、何か問題が起こらないかぎり、
学生は今後20年は教科書選びに苦労しなくてすみますから、
そう考えると相当な快作です。
なお、入門書の役割も兼ねますから(執筆陣もそう明言しています)
私も気に入っていた、宮島司『会社法エッセンス』など、
入門書の類も本書の登場でかなり淘汰されることと思います。
ただ、残念ながら「会社法総則」は含まれていません。
商法総則の教科書に委ねるということですが、
会社法の一部としてこちらできっちり解説して
欲しかったと思います。この点は惜しいです。
おすすめと私がいうまでもなく、
注目を集めるであろうスタンダードテキストです。
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641179066
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