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『新基本法コンメンタール憲法』 芹沢・市川・阪口編 日本評論社 2011
日本国憲法に関する現時点で数少ない
注釈書・コンメンタールである。
2006年の第5版から大幅にリニューアルされた。
かなり力の入ったすばらしいできである。
今回のリニューアルで横組みに一新された。
私は、第5版からこの本を読んでいる。
憲法全条文を網羅していて、ほどよく詳しい
コンメンタールというものはこの本くらいしか
ないので、とても重宝している。
条文の細かい言葉の説明はもちろん、
沿革から最新の解釈や判例も十分に解説されている。
書店等で手に入るような教科書・解説書類に
書いてあるようなことならほとんどカバーしているので、
極端な話、この本だけあれば標準的なことはほとんど
すべてわかるといっても過言ではないかもしれない。
もちろん内容は刷新されたわけだが、
注目されるのは執筆者の大幅な交代である。
若返りを図ったそうであるが、東大勢をはじめ
気鋭の学者が多数参戦している。第5版までは、
メンバーのマイナーさがひっかかるように思われたが、
今回かなりメジャーな人が参加していることが
個人的に非常に興味深い。
東大からは石川、宍戸、林氏が、京大から毛利氏、
慶大から駒村、小山氏、早大から中島、西原氏など、
それ以外にもよく名前を目にする人が
たくさん加わった豪華競演となっている。
これは基本法コンメンタールではあまりない状況である。
今までも便利だったが、これまで以上に、
幅広い人が日本国憲法を調べるときに読む本として
ベストな信頼の一冊になったといえるだろう。
内容もサイズも人選もうまいことかみ合った注釈書といえる。
民法や刑法もこのような感じでぜひリニューアルしてほしい。
前に『新基本法コンメンタール刑事訴訟法』が
なんか非常に残念な感じになってしまったと書いたが、
そのことは本書と比較してみればよくわかると思う。
(あくまで私の嗜好に過ぎないのかもしれないが。)
ところで、本書にいい人材が流入したのは、
有斐閣の『注釈憲法(全6巻)』計画が
沙汰止みになっていることと関係があるのかもしれない。
本書もよいが、『注釈憲法』計画もぜひ再始動をして
ほしいと思うが、無理なのだろうか。
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