カンカンとガクガクの部屋

時事・読書感想・裁判例の紹介など。書庫をご覧ください。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

 
『刑法(第版)』  木村光江  東京大学出版会  2010
 
 
ついに、というかやっと出た、木村光江『刑法(第3版)』。
前田刑法の改訂と歩調を合わせているためしかたないのでしょうが、
8年ぶりというのはあまりに長い。
 
 
少数派学説であるため、人気は頭打ちという感じで伸びないですが、
実は判例・実務を最もよく反映した良書だといっても
過言ではないでしょう。賛否はありますが、
判例に親和的であり、一般の処罰感情にも比較的近い
結論をとることが多いので、学説とかにこだわりがないなら、
かなり広い層におすすめできる刑法教科書の一冊です
 
 
前にも書きましたが、研究者ではない限り、
刑法の“体系書”としては、かつては団藤刑法や大塚刑法、
現在ではそれに加えて、山口刑法だけあれば十分だといえます。
あれこれたくさん出回っている刑法体系書ですが、
とりあえずそれ以外は読む必然性は今のところありません。
 
あとの学習者需要としては、よりコンパクトで
易しいテキストということになりますが、
その点で木村刑法がおすすめということになります。
 
本書は、刑法総論と各論を1冊で解説するという
画期的なテキストとして登場しました。私としては、
理路整然と丁寧に解説されているので、
少なくとも、凡百のマニュアル本や入門書よりは
理論的で役に立つのではないかと思います。
論点の解説も簡にして要を得ているので、
一般の大学生や社会人の勉学には
これで十分ではないでしょうか。
 
もちろん、「それではぜんぜん足りないよ」という
専門家を含めた中〜上級者の方の意見があるでしょうが、
それに対しては私などから特にアドバイスできることはありません。
 
「何でもいいから刑法を勉強したい」という人に一冊
おすすめするとすれば、今でもこれが一番に頭に浮かびます。
あとは、くどいですがやはり山口厚教授による
『刑法』(一冊タイプ)でしょうか。
  
 
もちろん前田刑法で勉強している人にとっては
まとめ用としてぜひ持っておきたいところ。
特に、『最新重要判例250』(弘文堂)との併用が
効果的だと思います。
というか、語弊を恐れずにいってしまうと、
本書さえあれば前田刑法(総論・各論)すら
存在意義はないかもしれません。極論ですが。
 
 
ただ、ひとつ難をいうと、各章末にレジュメを記載するという
配慮がされているのですが、この本自体が簡潔なため、
あまり意味をなしていないように感じられました。
ここは削除して、本文をもうちょっと充実させてほしいです。
 
 
なお、500頁程度,ハードカバー,2色刷りというこの体裁は、
刑法はもちろんのこと、あらゆる法分野のテキストにとって、
“基本書の模範とすべき手法”だと思われます。
このサイズがもっとも使いやすいといって過言ではないでしょう。
学者先生や出版担当者には、ぜひとも本書を
まねてほしいと思います。
 
 
                   http://www.utp.or.jp/
 
 

 
 

全1ページ

[1]


.
書生クン
書生クン
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事