ノーベル文学賞:「莫言氏は体制側」と中国国内で批判も
【北京・工藤哲、高密(中国山東省)隅俊之、ワシントン白戸圭一、台北・大谷麻由美】中国人作家、莫言(ばく・げん)氏(57)へのノーベル文学賞授賞決定について、中国国内では「体制内の人物で授賞に値しない」と批判の声が上がる一方、12日付の中国主要各紙は1面で大きく扱い称賛している。中国政府は表向きは歓迎の立場とみられるが、政治色を帯びる文学賞は中国の政治体制の批判につながりかねないだけに神経もとがらせているようだ。
香港紙「明報」は、中国の知識人の間では「作家協会副主席の莫言氏への授賞は、体制内の核心人物に対するもので授賞に値しない」と批判の声も出ていると伝えた。中国国内では、10年にノーベル平和賞を受賞した民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏が国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決を受けた際、莫言氏が「状況が分からないから評論したくない」とコメントを避けたことなどが取り上げられ、インターネット上で「結局は体制側」との批判も出ている。
一方、北京の評論家、韓浩月氏は11日夜、中国版ツイッター「微博」で、莫言氏の受賞について評論を書いたところ、「編集部に全部没にされた。報道は許されても評論は許されない」と暴露。中国共産党中央宣伝部の指示があったことをにおわせ「憂慮している」と批判した。
12日付の中国主要各紙は授賞について大きく報道した。国際情報紙「環球時報」は社説で「中国人は自然科学分野以外のノーベル賞に偏見を持っていたが、一つの転換点になる」と指摘した。
一方、米国では、莫言氏の受賞はほとんど話題になっておらず、メディアは受賞の事実を淡々と伝えている。11日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は米国の文芸評論家の寄稿を掲載し、莫言氏の受賞について「今回は中国が堂々と祝うことができる初めてのノーベル賞だ」と指摘した。
劉氏が平和賞を受賞した際、「政治囚」だったため、釈放を求める米政府と劉氏の授賞式出席を認めない中国政府の間で外交問題に発展し、米メディアの注目を集めたのとは対照的だ。
台湾の著名な女性作家でもある龍応台・文化部長(文化相)は11日夜、地元ラジオ局の取材に「中国大陸の未来の指導者が、文学は普遍的な価値であると深く認識し、心の壁を取り払うきっかけとしてほしい」と述べ、中国の自由と民主化の推進に期待した。台湾の中央ラジオが報じた。
2012年10月12日 毎日新聞
興味がわいてきた、近いうちにぜひ作品を読んでみたい。
でもその前に、バルガス=リョサ(2010年受賞)の
『アンデスのリトゥーマ』も発売が控えているんだよなあ。
読むのが遅いので、読みたい本がすぐ渋滞する。
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