カンカンとガクガクの部屋

時事・読書感想・裁判例の紹介など。書庫をご覧ください。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

 
刑法基本講義‐総論・各論(第2版)』  佐久間・橋本・上嶌  有斐閣  2013
 
 
 
なぜかよくわからない3人の取り合わせで登場した
刑法テキストの第2版である。おそらく御三方の講義を
取る人以外にはあまり関係がない本だろうが、
一般読者という目線で多少気になるところがあったので、
一応考えてみる。
 
 
悪いとまではいえないが、
やっぱりいまひとつと言わざるをえないだろう。
コンセプト的に不明瞭な感じが否めない。
 
従来の刑法の教科書は、総論と各論と分かれ、
非常に大部なものが多い。そのことを考えると、
両者を1冊で説明するという取り組みはたしかに有益だ。
そんな中で、せっかくの機会にどうしてこういう感じの
本にしようということになったのかは、やはり疑問。
1冊でまとめるなら、1人または学説の近い学者で
やらなければすっきりしない。そういう意味で、
本書はちょっと評価するのは難しいと思う。
 
 
いろいろパターンで空想してみると。
 
Ⅰ 橋本教授・上嶌教授が1人で書き下ろす。
 
 当然これがベスト。佐久間教授でもまあよいが、
ご自分の著作群があるのだから、その必要はない。
 
 
Ⅱ 上嶌教授が東大系若手数人と組んで作る。
 
 リーガルクエストみたいな感じ。
 
Ⅲ 「この3人で作る」ということを前提とするのであれば、
 
 ①各300ページほどで、総論と各論の二冊に分ける。 
 ③それぞれを、橋本教授と上嶌教授の単独執筆にする。
 ④佐久間教授は、それぞれにサポートというスタンスで参加する。
 
 
『書斎の窓』(201012月号)では、
佐久間修教授と民法の佐久間毅教授が、
同じ「基礎シリーズ」の著書として対談しているが、
この二者のどこが同じシリーズ(いわば姉妹書)なのだと、
強い違和感を感じる。『民法の基礎』の方は、
佐久間毅教授が1人で、しかも本格的に大部に書き下ろした教科書である。
“全体を圧縮した内容を三人がかりで書いた”この『刑法基本講義』とは
趣向がまったく違うと言わざるをえないだろう。
『民法の基礎』と姉妹書だとするのであれば、
上述した分野別とか単独執筆にしなければ、
はなはだ的外れだと思う。
 
 
なお、第2版のはしがきでは、
「本書の特長はケーススタディにある。諸々の批判は当たらない」
と強調されている。しかし、さらに口を挟ませていただくなら、
まず、ケーススタディ(あてはめ)を意識していないテキストが
もはや通用しないことは当然であって、本書だけの特長とするのは
難しいだろう。また、刑法のケースブックや事例演習書・問題集は、
すでにけっこうな数ある。それらとの兼ね合いも微妙だ。
さらに、ケーススタディを多く盛り込みたいなら、逆に分量は
増えるはずであり、“コンパクト化”と両立するのかも疑問である。
 
 
この本を格別に槍玉に上げる必要はないのだけど、
「なぜこうかな〜?」という法律テキストがあまりに多いので、
 この本をネタに愚痴を書き連ねてみた。
 
 
 
 
 

全1ページ

[1]


.
書生クン
書生クン
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事