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『リーガルベイシス民法入門』 道垣内弘人 日本経済新聞出版社 2014
日本経済新聞出版社の「ゼミナール」シリーズであるが、
その法学部門が独立され、「リーガルベイシス」シリーズとなるらしい。
その第一弾がこの『リーガルベイシス民法入門』。
従来の『ゼミナール民法入門』(初版2002,第4版2008)
からの変更はほぼゼロで、まるっきり同じものである。
以下で指摘するが、せっかくの機会なのだから改革をしてほしかった、
少し残念である。
本書は民法財産法(総則,物権,債権)の入門書。
文章のわかりやすさには定評がある。雑誌書評でその説明の
うまさに対する学者仲間からの称賛の声を目にしたこともある。
日経が出していることからわかるように、ビジネス法務の
最先端にも少し触れている。したがって、法学部生はもとより、
むしろ経済学部生,ビジネスマンのテキストとして適しているのだろう。
債権法大改正も重点的に説明されているらしい。
ただしかし、本としてはかなり不満な面も大きい。
①通読するには意外と骨が折れる。
いかつい見た目からもわかるように、通勤通学時や寝っころがって
安易に読み流せる本とはいかない。入門というわりにはそれなりの
意気込みが必要だ。債権法大改正についてビジネスマンに紹介するだけなら、
350ページくらいに収めたほうがよかったのではないかと思う。
②家族法が含まれていない。
親族法と相続法が含まれていない。したがって
法学部新入生や資格試験受験生は注意がいるし、利用しにくい。
どうせ大きい本なら、家族法も入れてもっとぶ厚くしてしまったほうが
逆にいいのかもしれない。
③上下巻で2冊にするべきかも。
財産法のテキストしてはどうか。
教養として一通り学んだというためには、
民法総則200ページ,物権法300ページ,
債権総論200ページ,債権各論300ページ,
は欲しいところだろう。となると、「民法総則・物権法」で上巻、
「債権法」で下巻とするのがいいと思う。
さらに家族法も加えて、上巻「民法総則・物権法」,中巻「債権法」,
下巻「親族・相続」の三部作でもいいと思う。
このように、突っ込みどころは満載である。
とはいえ、著者は新進気鋭の東京大学教授。
ぱっと買ってざっと読み通す気概のある人にはいいのではないか。
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2014年02月20日
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