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憲法修正私案

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第五章  国会

 
第五十三条 [ 国会の地位・立法権 ]

 ① 国会は、日本国民の代表機関である。

 ② 日本国の法律は、国会においてこれを制定する。

 
第五十四条 [ 国会の組織 ]
 
 ① 国会は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

 ② 国会における議院の構成および国会議員の定数は、
  法律でこれを定める。

 
第五十五条 [ 国会議員および選挙人の資格 ]

  国会議員およびその選挙人の資格、並びに選挙区、
 投票の方法その他国会議員の選挙に関する事項は、
 第二十条に定める平等を旨としながら、法律でこれを定める。


第五十六条 [ 国会議員の任期 ]

  国会議員の任期は、四年とする。ただし、国会解散の場合には、
 その期間満了前に終了する。


第五十七条 [ 国会議員の歳費 ]

  国会議員は、法律の定めるところにより、
 国庫から相当額の歳費を受ける。


第五十八条 [ 国会議員の不逮捕特権 ]

  国会議員は、法律の定める場合を除いては、国会の開会中
 その身体を拘束されず、開会前に拘束された議員は、
 その所属する議院の要求があったときは、開会中これを
 釈放しなければならない。


第五十九条 [ 国会議員の発言・表決の免責 ]

  国会議員は、その職務として行った演説、討論、表決
 その他その意見の表明と見られる行為については、
 法的な責任を問われない。
 
 
 
 
 
 
・現41条は、まず国会の地位に関する1項と、
 立法権に関する2項に分ける。
 
・「国権の最高機関」は意味が定かではなく、
  あまり意味はないとするのが通説(政治的美称説)。
  一方で、国会が国民を代表していることは大方の常識といえる。
  そこで、「最高機関」をやめて「代表機関」とする。
 
・「唯一の立法機関」も「唯一」という言葉が強すぎることもあって、 
  いろいろわかりにくいことになっている。
  そこで「唯一の立法機関」をやめて、「法律を制定する」機関
  という平易な表現に改める。天皇が立法権を持たないことことや、
  政令等が法律の範囲内でなければならないことは、
  それぞれの箇所の定めがあれば十分だろう。
 
・現42条を廃止する。つまり二院制は憲法上、不要となる。
 そして、現43条に組み込んで、議院をどのように置くかは、
 法律事項であることにする。
 
 参議院が必要かどうかは、議論があるところで、不要論が強い。
 そのため、思い切って法律事項とする。そもそも議員定数も、
 選挙の要件も、選挙区もすべて法律事項なのだから、
 二院を置くかどうかも法律で定めれば足りるといえる。
 さしあたりは、国会法を改正して、現在の衆議院と参議院を
 現状維持し、将来に少しずつ衆議院の優越を強めて、
 参議院を補助機関にしていくことになるだろう。
 
 
・現47条の選挙区の法定条項は、
 現44条の議員資格の法定条項と統合する。
 差別の禁止は選挙区についても妥当することは、
 近時、活発に主張されていることであるから、
 その方が適切だろう。
 
・国会議員の任期はさしあたり衆議院の4年にそろえる。
 実際は解散が多いことからいえば、6年などに引き上げる
 必要はなく、ねじれ国会を回避することから、 
 議院ごとに別々の解散や選挙はしない方が良いと思われる。
 なお、現48条の「両議院議員の兼職禁止」は、憲法では省略する。
 
・現50条,現51条については、「会期中」は「開会中」,
 「逮捕」は「身体の拘束」,「議院で行った」は
 「国会議員の職務として行った」,「責任」は「法的な責任」,
 にそれぞれ修正し、「その他その意見の表明と見られる行為」を
 追加する。いずれも通説に沿った変更である。
 
 
 
 
書庫にある「序」の説明から順を追って
読んでいただければ幸いです。
 
 
 
 

憲法修正私案 その11

 
 
第四十八条 [ 住居の不可侵 ]
  
  何人も、第46条の場合、または正当な理由に基づいて裁判官が発する
 捜索する場所および押収する物を明示した各別の令状による場合を除き、
 その住居,書類および所持品について、侵入,捜索および押収を受けない。
 

第四十九条 [ 刑事被告人の諸権利 ]
 
 ① すべての刑事事件において、被告人は、公平な裁判所の迅速な
  公開裁判を受ける権利を有する。 
 
 ② 刑事被告人は、証人に対して審問する機会を充分に与えられ、
  又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
 
 ③ 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人の援助を
  受けることができる。
   被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを付する。
 

第五十条 [ 不利益な供述の強要禁止等 ] 
 
 ① 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
 
 ② 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留
  若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
 
 ③ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、
  有罪とされ、刑罰を科せられることはない。

 
第五十一条 [ 二重の危険の禁止 ]
 
  何人も、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。

 
第五十二条 [ 刑事補償 ]
 
  何人も、抑留または拘禁された後、無罪の裁判を受けたとき、
 その他、その身体拘束に根拠がなかったことが確定したときは、
 法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
 
 
 
 
・現35条は、文章が込み入っているので整除します。
 
・現37条の2項は、「すべての証人」となっていますが、
 本当に「すべての」とまでいうことはできないというのが
 刑訴法上の実務,多数説なので、削除します。
もちろん、充分な審問の機会は必要不可欠です。
 
3項前段は、47条と同様、弁護人の「依頼」を「援助」に変更する。
 
・現38条については、現状を維持。
 
・現39条から、「遡求処罰の禁止」を抜粋して、
 趣旨が同じ44条へと移します。
 
・本条の性質については見解が分かれてはいますが、
 条文上、「無罪とされた行為」という文言は重複にしか見えず、
 とりあえず削除するということで問題ないと思います。
 
・現40条は、「無罪の裁判」が確定した場合としていますが、
 免訴や公訴棄却、不起訴処分などをまったく含まないのは、
 どう考えても妥当ではありません。そこで、「身体拘束に
 根拠がなかったことが確定したとき」を追加します。
 
 
書庫にある「序」からの説明を併せて
読んでいただければ幸いです。
 
 
 
 
 

 
 

憲法修正私案 その10

 
 
第四十二条 [ 裁判を受ける権利 ]
 
  何人も、裁判所において、公平な裁判を受ける権利を有する。
 

第四十三条 [ 拷問および残虐な刑罰の禁止 ]
 
  拷問および残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
 

第四十四条 [ 罪刑法定主義 ]
 
 ① 刑罰は、法律によって、公正にこれを定めなければならない。
 
 ② 何人も、実行の時に適法であった行為について、
  刑事上の責任を問われない。 
 

第四十五条 [ 法定の手続の保障 ]
 
  何人も、法律によって定める適正な手続によらなければ、
 その生命,自由その他の権利を奪われない。

 
第四十六条 [ 逮捕の要件 ]
 
 ① 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、
  裁判官が発し、理由となっている犯罪が明示された
  令状によらなければ逮捕されない。
 
 ② 法律により定める者は、法律で定める特に重大な罪を
  犯したと疑うに足りる明白な理由がある者について、
  緊急やむを得ず裁判官の令状を得ることができないときに限り、
  その理由を告げて、その者を逮捕することができる。
  この場合には、逮捕した後、直ちに裁判官の令状を
  得なければならない。
 

第四十七条 [ 抑留拘禁の要件、不法拘禁に対する保障 ]  
 
 ① 何人も、理由を直ちに告げられ、かつ、直ちに弁護人の援助を
  受ける権利を与えられなければ、抑留または拘禁をされない。
 
 ② 何人も、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で、
  拘禁の正当な理由を示すことを要求することができる。
 
 
 
 
 
・現32条、裁判を受ける権利にも、公平の原理を明示します。
これも現在では当然のことの確認です。
なお、「奪われない」も「有する」と語尾を整えます。
 
・現36条、「公務員による」は必要ないので削除。
 
・罪刑法定主義を明文化します。現在は、31条に含まれていると
 解されていますが、不自然です。改正するなら入れるべきです。
 「適正」でもいいですが、“公明正大”という意味ですから
 「公正」がよりよいでしょう。
 
・この条文に、趣旨が共通する、現39条の「遡求処罰禁止」を
 2項として加える。
 
・現31条は、まず「適正な手続」とします。これは、
 現行憲法の中で代表的な条文の不備にあたります。
 今のままでは、「手続さえあればなんでもいい」という
 ことになりますが、実際は、「適正な手続でなければならない」
 という趣旨であることで判例や学説上争いはありません。
 また、適正手続は、刑罰に限定すべきではなく、
 行政の侵害手続などにも適用すべきとするのが通説ですから、
 「刑罰」を削除して、刑罰以外への適用も自然にします。
 
・現33条は、典型的に問題のある条文です。
まず、「権限を有する司法官憲」とは「裁判官」のことにする
ということで現在は争いありませんから、そのようにします。 
 
・そして、条文を欠く、緊急逮捕を第2項として定めます。
 緊急逮捕はやむを得ない場合は必要だとするのが通説です。
 ただし、違憲論にも配慮して、できる限り厳格な要件にします。
 
・現34条は、いろんなことが書いてありますから、2項に書き分けます。
 そして、「弁護人に依頼」を「弁護人の援助を受ける」に変えます。
 単に依頼することだけでなく、接見し、弁護活動を現実
 受ける権利を保障しているとするのが通説だからです。
 
 
書庫にある「序」からの説明を併せて
読んでいただければ幸いです。
 

 
 

憲法修正私案 その9

 
 
 
第三十七条 [ 生存権 ]
 
 ①すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 
 ②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の
  保全及び向上に努めなければならない。
 

第三十八条 [ 教育を受ける権利等 ]
 
 ①すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、
  等しく教育を受ける権利を有する。
 
 ②すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子に
  普通教育を受けさせる義務を負う。
 
 ③国は、国民が等しく普通教育を受けられるように努めなければならず、
  義務教育は、これを無償としなければならない。

 
第三十九条 [ 労働の権利等 ]
 
 ①すべて国民は、労働する権利を有する。
 
 ②労働の能力を有する者は、労働に努める義務を負う。
  この義務を怠る者は、国の生活保障を受けることができない。
 
 ③賃金、就業時間、休息その他の労働条件に関する基準は、
  法律でこれを定める。

第四十条 [ 労働者の団結権等 ]
 
 ①労働者は団結をし、団体で交渉をする権利を有する。
 
 ②労働者で組織された団体は、正当な争議を行い、
  又は組合活動を行う権利を保障される。 

 
第四十一条 [ 児童の酷使の禁止 ]
 
 児童は、これを酷使し、又は危険な業務に従事させてはならない。
 
 
 
 
・生存権については、多種多様な議論がありますが、規定を変えるだけの
 共通理解はないようですので、基本的には変えません。
 ただ、「向上及び増進」は同じことなので、「保全及び向上」としてみます。
 
・教育を受ける権利については、国の責務を明らかにします。
 これは、「国の関与は必要だが、過剰であってはならない」
 とする判例の趣旨に配慮したものです。また、義務教育の無償が、
内容の異なる2項にくっついているのを解消させる意味もあります。
 
・「勤労」という言葉より、法文上は「労働」というのが
普通なので、「労働」にします。
 
・「勤労の義務」は、強制的に労働を強いられる義務ではなく、
「勤労しようとしない者は生活保護を受けられない」という
 意味だとすることで争いがありません。なのでそう修正し、独立させます。
 
・「児童の酷使の禁止」は、労働基本権とは性格が異なりますので、 
 独立の条とします。
 
・やたらと圧縮された現28条を、わかりやすく読み解きます。
 「団体行動」とは、「争議」と「組合活動」のことであり、
それは「正当な」ものでなければならないとするのが通説です。
 
 
書庫にある「序」からの説明を併せて
読んでいただければ幸いです。
 
 
 

憲法修正私案 その8

 
 
第三十一条 [ 私生活の自由 ]
 
 ① 何人も、平穏な環境において、自律的な私生活を
  おくることを妨げられない。
 
 ② 何人も、その容貌、行状、経歴その他私生活上の事項を、
  みだりに調査及び公開されない権利を有する。
 
 ③ 通信の秘密は、これを保障する。

第三十二条 [ 家族生活における個人の尊厳と両性の平等 ]
 
 ① 婚姻は、両性の合意に基づいて成立する。
 
 ② 婚姻は、夫婦が同等の権利を有することを基本とし、
  相互の協力により維持されていくものである。
 
 ③ 婚姻の要件、財産の関係、相続、離婚その他家族に関する
  事項については、個人の尊厳と両性の平等を尊重して、
  法律でこれを定めるものとする。

第三十三条 [ 居住及び移転の自由、外国移住及び国籍離脱の自由 ]
 
 ①何人も、公共の福祉に反しない限り、居住及び移転の自由を有する。
 
 ②何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を有する。

第三十四条 [ 職業選択及び営業の自由 ]
 
  何人も、公共の福祉に反しない限り、その職業を選択し、
 営業を行う自由を有する。

第三十五条 [ 財産権 ]
 
 ①すべて国民は、その財産権を保障される。
 
 ②財産権に関する規律は、公共の福祉に適合するように、
  法律によってこれを定めなければならない。
 
 ③私有財産を公共のために用いる場合には、これに対して
  正当な補償がなされなければならない。

第三十六条 [ 納税の義務 ]
  
  何人も、法律の定めるところにより、税を納める義務を負う。
 
 
 
 
 
・現13条から導き出された“新しい人権”を明文化します。さすがに、
 13条から読み取るのは困難な、不文の権利が多すぎるからです。
まず、1項は自己決定権や名誉権、および喫煙権(いずれも判例あり)
などをカバーします。議論のある環境権にも可能性を作るように
「環境」の文言を入れますが、議論があるので明文では定めません。
 
2項は主にプライバシー権です。肖像権や個人情報の保護も
同時に保障します。なお、“私生活”,“みだりに”という
枠がありますので、“権利の濫造”となる ことはないと思います。
 
・現212項の通信の秘密は、表現の自由というよりも、
 プライバシー権に近い性格だと思われますので、
 こちらに項を作って移します。
 
・現24条は、まず、両性の合意「のみ」となっていますが、
届出や婚姻障害などはありますので、「のみ」は削除します。
もちろん合意が必須であり、最も重要なのは当然です。
 また、婚姻は「維持されなければならない」とされていますが、
そもそも命令にはそぐわないものですし、現に離婚も多くあります。
 よって少し表現を和らげました。もちろん維持が好ましいのは当然です。
 そして、「配偶者の選択」に法律が介入するのは文理的に不自然です。
 そこで、「婚姻の要件」と改めます。あと、「両性の本質的平等」も、
 「本質的」というと生物学的なところまで含まれるように読めますので、
端的に「両性の平等」と改めます。
 
・現22条も、「居住・移転の自由」と「職業選択の自由」が
 混ざりあっていますので、分離します。
 内容は変えなくていいと思います。
 
・職業選択の自由を独立させます。ここには、批判もあるでしょうが、
「営業の自由」も含まれると一般に考えられていますので、
それを加えます。
 
・現29条の「財産権」は、絶対的な権利かのように書かれているので、
 他の権利と表現をそろえます。
 
2項の「財産権の内容」は、財産権に関する規制,規律といった方が
適切だと思うのでそのように変えます。
 
3項も、実態に合った書き方に変えます。
 
・現30条「納税の義務」は、特に「国民」とする必要もありませんので、
「何人」にします。基本的には変更はありません。
 
 
書庫にある「序」からの説明を併せて
読んでいただければ幸いです。
 
 
 
 

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