カンカンとガクガクの部屋

時事・読書感想・裁判例の紹介など。書庫をご覧ください。

刑事司法

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 前のページ | 次のページ ]

 
 危険運転罪見送り 亀岡事故

 亀岡市で集団登校中の児童らの列に軽乗用車が突っ込み、10人が死傷した事故で、京都地検は17日、亀岡市の無職少年(18)=自動車運転過失致死傷容疑などで検察官送致=を自動車運転過失致死傷と道交法違反(無免許運転)の罪で起訴した。遺族らが約22万筆の署名を提出して求めた危険運転致死傷罪の適用は見送った。
 地検が当初立件した無免許運転は4月22〜23日の1件だったが捜査の結果、2件加えた。このため刑法と少年法の規定により、地検は公判で危険運転致死傷罪の場合と同じ懲役5年以上10年以下の不定期刑を求刑できる。
 起訴状では、少年は4月11日と17日、22〜23日に車を無免許運転し、23日朝、亀岡市内の府道で、夜遊びによる眠気から居眠り運転して時速60キロで児童らの列に突っ込み、3人を死亡させ、7人に重軽傷を負わせた、としている。
 地検は、約30時間にわたり断続的に運転を続けたとされる少年の供述などから事故原因を居眠りとした。結果の重大さから危険運転致死傷罪の「運転無技能」などの適用も検討したが、現場まで無事故で運転した経緯などを踏まえ、無免許ながらも「運転技能はあった」と判断した。

                            2012年6月17日  京都新聞   
                            http://www.kyoto-np.co.jp/ 
 
 
 
 
 
 
〈 参照条文 〉

刑法208条の2 第1項
 
 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。

刑法211条 第2項
 
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

少年法52条
 
 1 少年に対して長期3年以上の有期の懲役又は禁錮をもつて処断すべきときは、その刑の範囲内において、長期と短期を定めてこれを言い渡す。但し、短期が5年を越える刑をもつて処断すべきときは、短期を5年に短縮する。
 2 前項の規定によつて言い渡すべき刑については、短期は5年、長期は10年を越えることはできない。
 3 刑の執行猶予の言渡をする場合には、前2項の規定は、これを適用しない。
 
 
 
 
 
少年法の適用により、今回は
危険運転致死罪を適用してもしなくても
結論に差は生じないようです。
少年法については詳細を知らないので立ち入りません。
 
 
しかし、遺族や署名活動をしている人たちなどが主張するように、
進行を制御する技能を有しない」には“無免許運転”が含まれる
と解釈する方が社会通念に合致すると思います。
 
 
また、解釈では無理があるなら、
速やかに改正して「無免許運転」を加えたほうがいい。
同時に、懸案でもある「酒酔い運転」も追加するべきでしょう。
危険運転致死罪の法定刑は(その是非はともかく)、
短期1年からの有期懲役であることを考えれば、
「無免許運転」と「酒酔い運転」を追加したところで、
なんら重過ぎるということはないと思います。
 
 
 
 
 
 死刑執行:決裁は2ルート 手続きの詳細判明

 09年以降に死刑を執行された12人について、刑の確定後から執行後までの手続きの詳細が判明した。毎日新聞の情報公開請求に対し、法務省が同年以降の死刑執行命令書を含む9種類の関連文書を開示(一部不開示)した。決裁者など死刑執行の流れが分かる一連の文書がまとめて公になるのは初めて。執行命令書に法相は署名せず、法相公印も事務方が押していることや、二つのルートで決裁を得る必要があることなども分かった。
 従来、報道を中心に「法相が死刑執行命令書に署名(サイン)」との表現がしばしば用いられたが、開示された文書によると、法相の署名は執行命令書ではなく、「死刑事件審査結果(執行相当)」と題された別の決裁文書にあった。執行命令書には印字された大臣名の脇に公印が押されていたが、法務省刑事局は「一般論として大臣の公印は秘書課長の指示を受けた部下が押す」と説明。法相自身は執行命令書に押印もしていなかった。
 執行に至る決裁ラインは(1)前出の「死刑事件審査結果」に法相と副法相が署名し、事務次官や刑事局長など法務官僚5人が押印する「刑事局ルート」(2)死刑囚を収容する拘置所を管轄する同省矯正局と、死刑囚が減刑などを求める恩赦を扱う同省保護局の幹部ら計6人が、実質的な起案書である「死刑執行について」と題された文書に押印する「矯正・保護局ルート」−−の二つがあり、計13人が関与していた。
起案や審査、決裁、命令に関する文書は同じ日付(執行はその2〜4日後)で、起案から執行までの手続きが迅速に進められている実態も浮かんだ。
 今回開示されたのは執行年別に09年7人、10年2人、12年3人の関連文書。今年4月初旬、前月に執行された3人の執行命令書と起案書、指揮書の開示と、09〜11年の死刑に関する文書の開示を求めたところ、5月初旬までに開示決定が出された。11年は19年ぶりに執行がなかったため、文書が存在しなかった。計282枚が開示され、全面開示が58枚、一部が黒塗りされた部分開示が77枚、全ページ黒塗りの全面不開示が147枚だった。
 死刑執行の関連文書を巡っては、東京の弁護士らが03年以前分の開示を求めたケースがあるが、ほぼ全般にわたって不開示とされたため、05年に開示を求めて提訴。09年に敗訴が確定した。09年にはインターネットのサイト運営者が、開示されたとする08年の執行命令書をネット上で公表したことがある。
              
                              2012年6月1日   毎日新聞 
                                 http://mainichi.jp/
 
 
 
 
 
身辺情報や家族関係などプライバシーにかかわる事項はともかく、
 
それ以外は、執行方法や順番の選択過程など、すべての事項を
 
洗いざらい白書などで公表することが必要だと思います。
 
というか、なぜしないのか理解ができません。
 

 
 
 
 
 
 
 光市母子殺害:元少年の死刑確定へ…当時「18歳30日」

 山口県光市で99年に母子を殺害したとして殺人や強姦(ごうかん)致死罪などに問われた当時18歳の元少年(30)の差し戻し上告審判決で、最高裁第1小法廷=金築誠志(かねつき・せいし)裁判長=は20日、被告側の上告を棄却した。小法廷は「何ら落ち度のない被害者らの尊厳を踏みにじり、生命を奪い去った犯行は冷酷、残虐で非人間的。遺族の被害感情もしゅん烈を極めている」と述べた。無期懲役を破棄して死刑を言い渡した広島高裁の差し戻し控訴審判決が確定する。
 ◇最年少「18歳と30日」
 無期懲役を最高裁が破棄・差し戻したケースで死刑が確定するのは、19歳で連続4人射殺事件を起こした永山則夫元死刑囚を含め戦後3例目。事件当時、「18歳と30日」だった元少年の死刑確定は記録が残る66年以降、最年少となる。また、死刑判決を判断する際の「永山基準」を示した永山元死刑囚への第1次上告審判決(83年)後に死刑求刑された少年事件では2件4人の死刑が確定しているが、いずれも殺害被害者は4人で、被害者2人のケースは初めて。
 第1小法廷は「平穏で幸せな生活を送っていた家庭の母子が白昼、自宅で惨殺された事件として社会に大きな影響を与えた。殺害を当初から計画していたものでないこと、更生(立ち直り)可能性もないとはいえないことなどの事情を十分考慮しても刑事責任はあまりにも重大」とした。
 ◇裁判官1人、差し戻し求める異例の反対意見
 第1小法廷の横田尤孝裁判官は広島高検検事長として事件に関与したとして審理を回避したため、裁判官4人のうち3人の多数意見。宮川光治裁判官(弁護士出身)は再度の審理差し戻しを求める反対意見を述べた。死刑判断に反対意見が付くのは、無人電車が暴走・脱線し6人が死亡した「三鷹事件」の大法廷判決(55年6月)以来とみられる。
 宮川裁判官は「精神的成熟度が18歳を相当程度下回っている場合は死刑回避の事情があるとみるのが相当で、審理を尽くす必要がある」と主張。これに対し金築裁判長は補足意見で「精神的成熟度を判断する客観的基準があるだろうか」と疑問を呈した。【石川淳一】
               
                    2012年2月20日  毎日新聞
                       http://mainichi.jp/
 
 
 
 
非常に特殊な事件となりました。
 
 ・史上最年少、行為当時18歳と30日の被告に対する死刑。
 ・未成年に加えて被害者が2人である事例での死刑も異例。
 ・第1審、2審で無期懲役だったのが、最高裁で破棄差し戻されるのも特殊。
 ・死刑判決に反対意見が付されるのは57年ぶり。
 ・匿名報道から実名報道への切り替えでメディアの対応が分かれた。
  (大方は実名へと切り替え。毎日新聞と東京新聞は匿名を継続。)
 

 
 
 
 
 
 尼崎JR脱線事故 山崎前社長の無罪確定

 107人が死亡した尼崎JR脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本の山崎正夫前社長(68)を無罪とした神戸地裁判決について、神戸地検は25日、控訴しないと発表した。26日午前0時で山崎前社長の無罪が確定。JR史上最悪の事故をめぐり、検察が経営幹部を起訴した異例の裁判は終結した。
 同地検の小尾仁次席検事(55)は記者会見し、「判決を慎重に精査したが、仮に控訴したとしても有罪判決を獲得できる見込みが乏しいと判断した」と理由を説明した。
 検察関係者によると、神戸地検、大阪高検では「判決には重大な事実誤認があり、控訴すべき」との意見が大勢を占めたが、最高検には消極的な声が多かったという。
 しかし小尾次席は「内部の議論内容はコメントすべきではない」と言及を避けた。一方で、起訴自体の判断については「過失を問うだけの嫌疑があった」と強調した。
 地検は、遺族や負傷者百数十人に控訴断念を伝える通知を発送。2月4日に地検庁舎内で被害者説明会を開き、理由などを説明する。
 山崎前社長は1996〜98年に安全対策の実質的最高責任者である鉄道本部長だった。地検は2009年7月、96年に現場カーブを半径600メートルから同304メートルに付け替えた工事や函館線事故などから、「事故の危険性を予測できた」として山崎前社長を在宅起訴した。
 公判は昨年12月から計28回開かれ、無罪を主張する山崎前社長側と地検が全面的に対決。被害者参加制度史上最多となる54人の遺族や負傷者が参加した。
 11日の神戸地裁の判決では、岡田信裁判長が事故前の鉄道業界の実態などから、「現場カーブで脱線事故が起こることを予見するのは困難」と指摘。山崎前社長に自動列車停止装置(ATS)を設置する義務はなかったとして、検察側の主張をすべて退けた。
 事故をめぐっては、JR西の井手正敬(まさたか)元会長(76)ら歴代3社長が検察審査会の議決に基づいて強制起訴されている。問われている過失の時期は異なるものの、ほぼ同じ証拠で同じ裁判長が担当するため、有罪を問うのは極めて困難とみられる。
 
 <判決骨子>
 一、本件事故まで、カーブにATS整備を義務付ける法令上の規定はなく、脱線転覆の危険のあるカーブを個別に判別したATS整備はされていない。
 一、カーブの半径を半減させる工事は珍しいが、同規模以下のカーブは多数存在した。
 一、ダイヤ改正は大幅な余裕を与えるもので当時、時速120キロ近い速度で走行する必要はなかった。
 一、函館線事故は閑散区間の長い下りで起きた貨物列車の事故で、本件事故は想起させない。
 一、周囲の進言を受けないまま現場カーブの危険性を認識するのは容易ではない。予見可能性の程度は相当低く、注意義務違反は認められない。
               
                    2012年1月26日  神戸新聞
 
 
 
 
もう6年半も経つのですね。
被害者の方のご冥福をお祈りします。
 
「責任追及といえば刑事裁判」というのが
マスコミ・一般市民の支配的な認識ですが、
一日も早く、その発想に無理があることに
気づかれることを、願わずにはいられません。
 
 
 
 
 
 19年ぶり死刑未執行 法相意向、震災影響も

 全国の地・高裁と最高裁で今年言い渡された死刑判決は、昨年比で20人多い34人に上ることが28日、共同通信の集計で分かった。法務省によると、今年死刑が確定したのは21人(27日現在)。確定死刑囚は計129人(同)で、1949年以降の年末統計の最多を更新。年間を通して死刑執行はなく、92年以来19年ぶりに執行ゼロの1年となった。
 直近の死刑執行は、昨年7月。その後、執行が見送られた背景には平岡秀夫現法相を含め執行に慎重な法相が続いたほか、東日本大震災に伴う「通年国会」で執行を検討する十分な時間が確保できなかったことなどが指摘されている。

                           2011年12月28日  共同通信   
                               http://www.47news.jp/ 
 
 
 
 
 
 
〈 参照条文 〉

刑事訴訟法
第475条
 1項 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
 2項 前項の命令は、判決確定の日から6か月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。

第476条
 法務大臣が死刑の執行を命じたときは、5日以内にその執行をしなければならない。

第477条
 1項 死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。
 2項 検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ、刑場に入ることはできない。

第478条
 死刑の執行に立ち会つた検察事務官は、執行始末書を作り、検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに、これに署名押印しなければならない。
 
 
 
 
 
いつまでもぜんぜん守られていない条文を
放置しておくのはいいことではありえません。
 
即刻、475条2項を改正して、「6か月以内」を、
「相当な期間内」などに改正するべきでしょう。
 
なお、現行475条2項の通説的な解釈は
次のようになっているようです。
 
 
 
 
 (刑事訴訟法475条がおかれた意味は、)死刑が人の生命を奪う極刑であって、一旦執行すれば回復することができないので、その執行にあたっては、死刑執行の停止(479条①②)、再審(435,436)、非常上告(454)の事由あるいは恩赦を相当とする状況の有無等につき、他の刑罰におけるよりも、一層慎重に判断される必要があるから(である)。
 期間の定めがあっても訓示的な意味しかないもの(「訓示規定」という)であるときは、期間の不遵守は当該行為の効果に影響しない。…死刑執行の期間(475②)…などの職務期間がその例である。
 
                    『条解刑事訴訟法(第4版)』  弘文堂


 (刑事訴訟法475条2項は、)訓示規定であり、この6か月の期間内に法務大臣が命令を発する法的義務はない
                
                『注釈刑法 第1巻(新版)』  有斐閣  65頁
 
 
 
 
 
 
  

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 前のページ | 次のページ ]


.
書生クン
書生クン
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事