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〈 鹿児島・夫婦強殺:無罪 裁判員裁判、死刑求刑で初 地裁「指紋鑑識不十分」 〉
鹿児島市で09年、高齢夫婦を殺害したとして
強盗殺人罪などに問われた同市の無職、白浜政広被告(71)の
裁判員裁判で、鹿児島地裁(平島正道裁判長)は10日、
無罪(求刑・死刑)を言い渡した。
判決は「現場から見つかった指紋とDNA鑑定の一致だけでは、
被告を犯人と推認するには遠く及ばない。ほかの状況証拠を含め、
犯人と認定することは『疑わしきは被告人の利益に』の
原則に照らして許されない」と述べた。
裁判員裁判で死刑求刑された被告に対する無罪判決は初めて。
判決は「現場保存が完璧だったのか、真相解明の捜査が
十分に行われたか疑問」と捜査の問題も指摘した。
最高裁によると、死刑求刑に対する1審での無罪判決は
75年以降4件しかなく、08年の水戸地裁土浦支部以来。
被告側が全面無罪主張し「犯人」かどうかが最大の争点だった。
検察側は、現場となった被害者宅の掃き出し窓のガラス片や
たんすなどから採取した指紋と掌紋、網戸から採取した
細胞片のDNA型が白浜被告のものと一致したことを挙げ
「被告が犯人でなければ合理的な説明は不可能」としていた。
判決はDNAについて
「鑑定は信用できるが付着場所が断定できない。
過去に網戸を触った事実にとどまる」と認定。
たんすの指紋は「被告が過去に触った事実は動かないが、
その後に別人が物色した偶然の一致も否定できない」と述べた。
ガラス片の指紋も「割れたあとに付着したとは断定できない」とした。
判決は、弁護側が主張した指紋の捏造(ねつぞう)や
DNAの偽装については否定。
「被害者宅に行ったことはない」と述べた
白浜被告の証言も「うそ」と認めたが、
「その一事をもって直ちに犯人と認めることはできない」と述べた。
すべての検討の結果を踏まえて「本件程度の状況証拠で被告を
犯人と認定することは許されない」と結論付けた。
今回の裁判は、11月1日の裁判員選任手続きから
今月10日の判決まで、これまでの裁判員裁判で
最長の40日間の日程が組まれた。
10月以降、今回のほか東京、横浜、仙台、宮崎の
4地裁の裁判員裁判で検察側が死刑求刑し、
判決は東京が無期懲役だったほかは
3地裁が死刑を選択していた。
被告が全面的に起訴内容を否認したのは
今回が初めてだった。
【川島紘一、遠山和宏、銭場裕司】
2010年12月10日 毎日新聞
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「疑わしきは被告人の利益に」の原則を
忠実に守っている点は注目に値します。
しかし、…まあ、なんとも
コメントのしがたい事件です…。
http://mainichi.jp/
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