カンカンとガクガクの部屋

時事・読書感想・裁判例の紹介など。書庫をご覧ください。

民法・商法の本

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 前のページ | 次のページ ]

民法のコンメンタール

『我妻・有泉コンメンタール民法(第2版)』  日本評論社  2008  

民法のコンメンタール(逐条解説)というとこれでしょうか。
2005年に、6冊あったものが一冊になったときはびっくりしました。
1400ページもあります。

なお親族・相続法は含みません。財産法だけです。

隈なく読んだわけではないですが、
今版も大きな問題はないと思います。
「我妻・有泉」の看板の下、
その理念の中でやっているわけですから、
新しいことへの実質対応は望めません。
微調整と思った方がいいです。

いってみれば、
1970年代頃には終わっていたはずのコンメンタールが
ここまで改訂されてきたことが無理を伴うすごいことだと思います。
積極的に今後の刷新を期待すべきものでもないでしょう。

そういう意味では、
新しいコンメンタールが待たれます。
ダットサンのように全3巻というのもいいかもしれません。
民法総則・物権法800ページ、
債権法800ページ、
家族法800ページ、
とかいう感じで出たら最高です。
現役の有力学者さんたちに
ぜひ作っていただきたいものです。

さて、本書は民法(財産法)の基本的事項を、
条文に沿って、通説,判例からまとめたもので、
辞書としての信頼性はいまだに高いです。
学生から社会人まで一冊持っていて損はないでしょう。

ただ、前版(補訂版含む)を持っていれば、
新しいことは本書ではなく
他の本で補充した方がいいと思います。

持っていない人は買い、
旧版を持っている人は買い替え不要
だといえるでしょうか。


http://www.nippyo.co.jp/book/3349.html

『最新手形法小切手法(5訂版)』  田邊光政  中央経済社  2007


言わずと知れた、
手形法学における多数説の典型とされる体系書です。

ただ、実質的には、
この本はすでに3訂版(1994)あたりでひとつの
完結を迎えているということができるのではないでしょうか。

3訂版以降、判例はわずかしか増えていませんし、
内容の進展もほとんどありません。
改訂というよりも補正の上で
増刷がなされているという感じです。

本書に限らず、平成,特に21世紀に入ってから、
手形の利用は減少し、それにつれて、
手形法学にも目立った動きは久しくないようです。

手形理論も長らく法理論の真髄として君臨していましたが、
さすがに実用性は失われて来ていると思います。
法理解の試金石とはいえなくなってきているでしょう。

本書は本書としてよいのですが、
著者には別に新しく読みやすい
テキストを書き下ろしてほしいと思いますし、
また、後進の先生による、
より新鮮かつ簡潔なテキストも期待されるところです。

最近は、本書に限らず、「手形法」という本も
めっきりお目にかからなくなってきました。
世代的に私は直接には知らないのですが、
20〜30年前に大狂騒があったというのが嘘のようです。
このまま手形法(学)は終わってしまうのでしょうか。


http://shop2.genesis-ec.com/search/item.asp?shopcd=17262&item=978-4-502-95380-4

『基礎コース民法1・2』  平野裕之  新世社  2005


民法の全般をわずか2冊で、
基本をコンパクトにまとめるという
コンセプトはいい狙いだと思います。

新世社ですから本としてもしっかりしています。

ですが、期待して読んだ割には、
かなり不十分な内容でした。

身もふたもないですが、
各400頁そこそこで判例,通説を網羅することは
少し無理があったのかもしれません。
載っていないことがかなり多い。

さらに著者独特の見解や、
説明方法も随所に見られるため、
通説に徹し切れてもいるとはとてもいえません。

あまり多くを期待せず、
基本書ではなく副読本として読むべきかと思われます。

コンセプトや製本はいいものなので、
もうちょっとがんばってもらいたいです。

我妻ダットサンにならい、
主要判例と通説を網羅してそれに徹しきる気持ちで
全体を見直してもらいたいです。


http://www.saiensu.co.jp/?page=field_list&field_id=24&field_name=%CB%A1%B3%D8

『債権総論』  淡路剛久  有斐閣  2002


著者は有名な民法学者ではありますが、
専門・得意分野は
不法行為法および環境法のはずです。

なので、債権総論よりも、
そちらの体系書を書いてほしかったです。
特に環境法に関しては、
日本の先駆者の一人といえます。

もちろん民法全体を研究しておられるようですが、
研究者というものは、客観的に見れば
明らかに専門分野と言うものがあります。


もちろん債権総論の教科書であっても
悪くはないのですが、そうであれば
もっとスマートな教科書にしてほしかった。

630頁と分量がかなり多く、
価格がかなり高いにもかかわらず、
ソフトカバーです。
判例索引もありません。

概説書としてはかなり
手が出しにくいといえるでしょう。
奥田総論や川井概論、最近では、
中田裕康教授,潮見佳男教授のものの方が
完成度は高い印象です。
併用するのはもちろん自由ですが、
取って代わるとはさすがに考えにくいと思います。

大きな改正があったにもかかわらず
改訂がされないのも痛い。
だんだんとその影響力は
少なくなってきていると思われます。
改訂してほしいと言いたいところですが、
やっぱりむしろ不法行為法か
環境法の体系書の方が期待されます。


なお、本書は1994年から2001年,
計56回の長期にわたり『法学教室』に
連載されていた講座を単行本化した、
「法学教室ライブラリィ」の
記念すべき第一弾です。

しかし、個人的には、このような
一連の講義を雑誌に長期連載するのは
あまりよくなかったと思います。
研究書ならともかく、
雑誌、それも学生向き雑誌で
そのような際限のないことをするのは、
けしてほめられたことではないです。

もちろん文献としてみるべきところは
諸々あるでしょうが、
つっこみどころが多いのは否めません。



http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/4641133190

『現代商法入門(第8版)』  近藤光男編  有斐閣  2009

本書には、
商法総則,会社法,商取引法(消費者取引を含む),
保険法,海商法,手形小切手法が、
330頁ほどの中に凝縮して解説されています。

なお、全体の内訳は、
総則40頁,会社法130頁,商取引70頁,保険法20頁,
海商法30頁,手形法50頁です(すべておよその数字)。

しかし、個人的にいうとちょっと欲張って
網羅しすぎたのではないかという気がします。

まず、はっきりいって、
保険法・海商法が入門段階では要らないです。

さらに見方によっては、
商取引法や手形法もそんなに要らないと思います。

商法は民法などと異なり、
全範囲をバランスよく見渡す必要性がありません。
入門書としては、
会社法(総則含む)+αで必要十分だと思います。
(+αとは、各分野の紹介程度ということです。)

法学部生や社会人さんで、
それなりにしっかり勉強しようという人であれば、
各分野の入門書や基本書(とりあえず薄め)に
直接あたった方が早いでしょう。

本書は、経済学部や商学部などで、
商法を一科目で概観する教養科目のテキストに
向いているのかなと思います。



http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641123830

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 前のページ | 次のページ ]


.
書生クン
書生クン
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事