kensyou_jikenboのブログ

エンジニアからの視点で様々な事柄を論理的客観的に読み解いてみようと試行中。PC遠隔操作事件、新国立競技場、豊洲新市場・・・
11月11日に開催予定だった「第23回新市場建設協議会」において、移転日が「来年10月11日」に正式決定される段取りで進行していたが、前日になって業界が江東区のコメントなどにより正式決定を延期。
< 会合では江東区が11月6日に発表した、豊洲市場の観光施設「千客万来施設」の整備が確定しない限り「市場の受け入れを再考せざるを得ない」というコメントが紹介され、業界側は「この状態では開場日を決められない」として、議論の中断と、翌日の10日に予定していた開場日を正式決定する会議の延期を決めました>

しかし、都議選後の8月臨時会開催からの経過を見てみると、東京都は業界と調整を進めてきていたことが良く分かる。その上で正式決定の協議会(11月10日)の前日に、決定延期となったことは、異常事態と言えるだろう。参考として経過概要の資料を掲示すると共に、若干の考察も行ってみる。

----経過概要資料----
岡安新市場整備部長<水産卸・仲卸、青果の各団体の代表の方々からは、「移転時期は来年9月か10月、もしくは再来年2月。追加対策について安全性確認が必要。来年5月開場は無理」との意見を伺っている> 

②8月31日:築地業界トップ「移転来秋調整」NHK
<(伊藤裕康会長は)築地市場を豊洲に移転したうえで築地を再開発するなどとした基本方針を踏まえ、移転の具体的な時期について「来月下旬あたりからが一つのヤマ場になる」と述べ、業界内部や都との検討を経て来月下旬から翌月(10月)にも決定したいという意向を示しました。 そのうえで「業界の中で、これならいいだろうという時期を決めなければいけない。移転の時期は来年の秋とにらんでいる。ただ年末の繁忙期に向けた11月、12月は避けたい」と述べ、移転の時期は来年9月から10月で調整したいという考えを示しました>

③10月16日:豊洲市場への移転時期の調整について(依頼) 

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<「東京魚市場協同組合(東卸)」は30日の理事会で、豊洲市場(江東区)への移転時期を来年10月とすることを了承した>

 工程表
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⑥11月9日:業界会合で正式決定が出来る状況ではないという意見が出され、11月10日予定の協議会は延期(冒頭記事参照)

----経過資料ここ迄----

[経過整理と考察]
①・・・8月25日段階で都側は「業界団体から意見を伺っている」と都議会答弁。業界からの時期意見は「来年9月か10月、もしくは再来年2月」。再来年2月を除くと、「来年9月か10月」は、この頃から既に都側と業界団体とで概ね了解が取れていたことになる。

②・・・伊藤会長は「来月(9月)下旬から翌月(10月)にも決定したい」と延べて、決定時期も示唆。

③…②に沿って、10月16日には③の市場長からの「移転時期の調整依頼」が業界に出された。但し、その前に入札不調が発生したのは都側としては大きな誤算と思われる。ただし、ゼネコンとも調整していたのは確実で、何故殆どの工事が不調という事態になったのかは未だに不可解。

④・・・10月31日には東卸理事会が来年10月移転を了承。

⑤…11月6日に第22回新市場建設協議会が開催され、東京都が当初目論んだ10月中の決定は出来なかったが、移転に向けての工程表などが示され、正式決定への段取りが進行。

⑥・・・しかし正式決定前日の業界団体会合で決定延期となり、協議会も延期。

→考察を行ってみると、ポイントとして⑤の工程表は「来年9月か10月のどちらでも対応可能」になっている。結果として、9月移転に合せて準備するので、それが10月になれば「1ヶ月分の余裕」が出る。東卸意向も「来年10月」だから、都が当初目論んだ10月中の正式決定が11月にずれ込んでも、都側は対応可能と判断していたことが考えられる。

そのため11月11日の協議会で決定予定だったと思われるが、延期になった。しかも、江東区が要請する千客万来の件は、以下のように堂々巡りになりかねず、いつ決着付くか不明。

万葉倶楽部側は都側が開場日程を正式決定してくれないと計画立てられない⇔都側は万葉側が計画遂行を決定してくれないと江東区を説得して正式決定できない
(技術的問題も有り、都側は昨年9月万葉側に地下駐車場設計のストップを依頼しているが、少なくとも追加対策工事の効果確認が終わるまでは再度GO出来ないと思われる)

また、業界側の懸念を示している追加工事の入札は9件中8件が未成立という悲惨な状況が続いている。今月13日と27日にコンクリ敷設工事の開札が有るが、不調となった地下水管理システム工事からの推測で、予定金額と相当乖離があると想定され成立は不透明。

結果的に前述の「1ヶ月分の余裕」は食いつぶされることが見えてきたと思われ、今の状況は以下と思える。

”11月10日協議会での正式決定は、来年10月移転に向けての最後の砦だったと思われるが、決定延期(しかも次回未定)になって、もはや来年移転は困難になったのではないか”

以上は勿論個人的見解だが、上記に加え、小池知事の急速な影響力低下で、ここから来年10月実現に向けて再度巻き返せる目は考えにくいと思う。

以上

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[訂正]
以下に添付する5〜7街区の「指名の理由帳票」にあるように、”希望業者に加えて「地理的条件等による任意指名」を加えて、指名業者を10社にする”やり方のようです。
実際の希望業者数は、5街区5社、6街区2社、7街区5社。 

ただし、6街区は希望(応募)業者2社で、開札結果は「辞退」。肝心の「清水」は応募無し。当記事の主眼である”都側は不調を事前に認識できた”と推察されることには変わりがないように思えます。

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「指名の理由帳票」の添付以上。下掲の記事内容は基本的に「削除扱い」とします。

但し、例えば「エム・テック社」が3街区全てに応募し、全て辞退。また、下掲表の「入札者氏名」を見ると、どれが希望(応募)社かは明示ないものの、全体的に各街区は殆どバラバラで、エムテック社を除くと重複は少ない。(鹿島・大成がNo.1に来ていることから、「上位N0,が応募社」と推測することは出来そう)

そして、鹿島・大成を除くと、エムテック社も含め全社が「入札金額」も示さずに辞退。これらの状況から、鹿島・大成以外が「ダミー」で有った可能性は拭いきれないように思えます。


=======以下10社揃いの理由を修正して掲載=======

追加工事の入札公募に続いて開札でも不調が発生し、豊洲新市場の成否につながる可能性有りと思える。ややこしい話なので久しぶりのブログで解明を行ってみる。
「地下水管理システム機能強化対策工事」の各街区開札結果から参加社を比較。

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特徴的と思われる事実を挙げる。
①鹿島と大成は建設担当街区に応募したが、清水は不参加。
②或る会社(以降◯テック)が全街区に応募し、鹿島と大成に続きNo.2に位置。清水不参加の6街区ではNo.1。(このNo.の意味は把握していないが、事実として担当ゼネコンがNo.1で、それ以外の最上位に◯テックが位置)
③全街区とも10社揃い(注:10社になるよう地理的条件等から任意指名者を追加する仕組みのようである)
④鹿島と大成除き1回目から既に辞退(鹿島と大成も約1時間後に行われた2回目で辞退し結果的に全社辞退…追記参照)

→特に目を引く事実は「鹿島と大成以外の応募者は全社1回目から辞退」

ここからは当方推測。
(1)鹿島・大成以外の応募者は、本気で入札するつもりでは無く、都側から頼まれた等で数合わせの応募だった可能性が高い。つまりダミー。
(2)◯テックが各街区とも鹿島・大成除く最上位に有るということは、都側の意を受けたまとめ役として各社を集めたのではないか。

→このように考えると、立派な「官製談合」ということになる。入札成立のためにダミーをかき集めて貰い、最終的には意中の会社(鹿島・大成)以外は辞退させる。上掲の参加者表と辞退の状態から、この「官製談合」という見方は適切ではないか。

更に、ポイントは6街区。清水が不参加で、◯テックと多◯建設は本気で入札する積りがあったのかどうか。5街区・7街区は鹿島と大成を対象に2回目が一応実施されて辞退だが、6街区は最初から応募2社とも辞退で1回目で不調。都側は、清水不参加を事前打診等で知っていた可能性が高い。2社以上の応募で成立させるために、◯テックと多◯建設にダミー参加を求めたのではないか。つまり都側は最初から6街区不成立を知っていたと思われる。改めて以下に、この推測を示す。

”都側は「参加公募は成立するが、開札で不調になる」ことを予め知っていた”

また、多街区も鹿島・大成以外が全部辞退は、ダミーの可能性濃厚。これは調べようと思えば、参加社からヒアリングすれば容易に証明可能。口裏合わそうとしてもダミーの会社が多すぎる。軒並み辞退は余りに稚拙で、公表される開札書類を見ただけで、すぐバレてしまう。

また官製談合になるだけでなく、豊洲新市場の成否にも効いてくる。例えば清水は1回目から不参加で価格提示を行っていない。価格問題だけではない理由があることが推測される。それが解消されないと今後再入札しても応募しない可能性。他はダミーだから、ずっと不調が続くことになり、少なくとも今でもギリギリの来年秋移転には間に合わなくなる。

また、他の工事に対しても類推できる。10月27日に7街区コンクリ敷設の第3回入札公募が成立した。しかし清水の例を考えると、大成は不参加で、ダミーの参加社により成立させた可能性が考えられる。そうなると11月27日の開札でもダミー全部辞退となり不調が続く。

来秋移転のハードルは、対策工事入札の進展から見て相当高くなっている。(それ以外に「築地再開発構想」などの課題も多い)

以上
[追記]
上掲の参加社比較の原本である5〜7街区の開札結果を参考に添付。
5街区
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6街区
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7街区
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追記以上

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舛添要一氏が「都知事失格」(小学館2017年6月)という著書を出されている。
その中で、所謂「舛添基準」に関連する結構詳しい記述がある。もちろん、ご本人は「舛添基準」とは書かれていないが、市場長によるレクチャの内容なども語られていて参考になる。
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ご存じの方も多いと思いますが、この「舛添基準」についての論考は「宇佐美典也」氏ブログなどが有り、「おときた」都議も関連するブログ有り。(これらは[追記]で掲載)
同都議は、2017年3月21日都議会での石原元知事招致時に、折れ線グラフのようなもので舛添氏が2014年12月9日の記者会見時に安全に関する基準を下げたと主張。
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このような背景において舛添氏著書を見てみると、同会見での意図が詳説されている(以下に引用…B:桝添氏①)。それに加えて、百倍超検出に至った現在の状況での見解も述べられている(C:桝添氏②)。更に築地関係者の「パゲさん」の見解(A)も入れて、3種類の見解引用で考えてみる。(→以降が当方考察)

A:パゲさん‏ @yasuo3704  7月16日Twitter
<豊洲市場用地の化学物質を環境基準値以下に除去します、て無害化の約束は化学物質の残るガス工場跡地という場所に市場を移すのは嫌だ、て感情を正しいと認め、それでも移転を受け入れさせる為に都がした約束
今更「安全なんだから、無害化しろってのは意味の無い感情論だ」、て理屈は通用しない>

→当方はこれが真っ当な見解と感じる。特に「都がした約束」が重要。都側が「対策後は安全であることを分かりやすく示す」ために、「形質変更時要届出区域の解除」を当初から意図したというのが真相。

これ自体は、当時として妥当で納得性があった措置だが、「自然由来汚染」の件が入って、ややこしくなって話がねじ曲がった。当ブログでは「形質変更時要届出区域」の中の「一般管理区域を無くす」と表現するのが適切と述べてきた。この言い換えが出来ていれば、ぐっと分かりやすくなっていたと思われる。

市場PT報告の土壌汚染部分を書いた人も同見解のようで、遅ればせながら次のように正式に使用されている。
<①「操業由来の汚染土壌はすべて除去する」(無害化 3 条件の第 2 条件)ことにより、行政的には「形質変更時要届出区域(一般管理区域)」から「形質変更時要届出区域(自然由来特例区域)」への変更、または「形質変更時要届出区域(一般管理区域)」の区域指定の解除が行われる。>(PT報告書P72)

なお、上記で「安全なんだから」という部分についても、(パゲさんも多分そうだと思うが)疑問がある。法令上問題ないと言っても、例えば現在も「公営住宅のアスベスト問題」が大きくなっている。アスベストも当時は法令上問題ないから使われていたが、後で被害が発覚した。更に公営住宅の件は、もっと後になってから問題になった。その時だけの判断で本当にOKなのかという実例となる。

B:桝添氏①(知事時代2014年12月)
(著書記述)
<4回目のブリーフィングの「懸案課題・局長ヒアリング」が行われたのは12月24日。2014年の夏の人事で新たに就任した新市場長から、豊洲市場の建設・運営費、卸売市場の課題や、豊洲新市場の開場と2年間モニタリングなどについて説明を受けた。
(その中で)豊洲新市場の開場と2年間モニタリングについて。指摘された点は5つ。そこには小池知事やマスコミの誤解を明白にする重要なポイントが含まれている。

1:技術会議から提言された徹底的な土壌対策を行って、10月末に完了した。その結果で、豊洲新市場用地の安全性は確保・確認されたと認識する。
2:今後、開場前、開場後を通じ、リスク管理として永続的に地下水のモニタリングを行って都民の安心に役立てる。
3:そもそも2年間モニタリングは、土壌汚染対策法で指定された区域の指定解除のための手続きに過ぎない。豊洲新市場用地では本来不要である。
4:施設建設中は、2年間モニタリングを続けるが、あくまでもあくまでも都民の安心に役立てるためである。
5:従って、2年間のモニタリングの完了と豊洲新市場の開場とは全く無関係である。

 シンプルに言えば、土壌対策を行った豊洲新市場用地の安全性は科学的に証明された。ただし、都民に安心してもらうために永続的に地下水のモニタリングは続ける。2年間のモニタリングは土壌汚染対策法の手続きのためで、あくまで都民の安心、安全のため。だから2年間のモニタリングと市場の開場は関係ないという論理である。
 2016年7月31日に当選した小池都知事は、新知事へのオリエンテーションで担当職員からそう説明を受けているはずである。さらに小池知事は、就任2週間後に築地、豊洲市場を視察している。現場でも同様の説明があったと思う。しかし彼女は「モニタリングが終わっていないのに、なぜ11月の開場を決めたのか」と疑問を呈している。
 小池知事は本当に問題を理解しているのだろうか。モニタリングと新市場の開場とは「全く無関係」だ。
 小池知事の視察を報じるメディアも、一切そのことに口をつぐんでいる。記者諸君は記者会見における私の説明、都議会での質疑をすっかり忘れてしまったのか。それとも意図的に小池劇場に加担しているのか。>

→ブリーフィングは12月24日とのことで、12月9日会見の後だが、会見の趣旨を表していると思われる。そして市場局の当時の意向ということになる。

まず「1」で技術会議の対策実施と確認で「安全性は確保・確認された」と実質的安全宣言。しかし、当方の技術的観点からすると、「モニタリングが規定されているということは変動が有るのだから、効果の確認には或る程度の期間が必要」となる。2年間モニタリングが不要とした場合に、「代わりの妥当な確認期間をどうするか」の論議が欠けており、技術的に見て問題有り。

「2〜5」はモニタリングの件。この中に「基準を下げた」ような記述はない。当ブログでは桝添氏当該会見は「2年間モニタリング完了前の開業」について述べたもので、「基準の変更は行っていない」とずっと書いてきたが、正しかったことになる。

しかも、「2年間モニタリングは指定解除の手続き」と説明されている。自然由来があるから指定解除出来ないが、前述の「一般管理区域を無くす」ことと同じ認識を舛添氏も持っていたことになるだろう。そして2年間モニタリングは以下の様に「環境基準達成」が条件。
<②区域指定の変更または解除は、2 年間地下水モニタリングの測定値が環境基準を満たしていれば、土壌汚染対策の効果があったと判断される。>PT報告書P72

結果的に、舛添氏は会見で「環境基準達成する」ことを述べており、基準を下げてはいない。ここ重要。


C:桝添氏②(現在)
(著書記述)
<さらに3月19日に専門家会議が開かれた。従来8回までのモニタリング調査と同様な採水法で検査した結果が公表された。最大で、環境基準の約100倍のベンゼンなどが検出されたという。
しかしながら、法的に見ても、科学的に見ても、豊洲への移転はなんら問題ない。安全も担保されている。小池知事やマスコミが主張する「安全だが安心ではない」「地下と地上は切り離すことはできない」という論理に、私は与しない。

環境工学が専門の中西準子元東大教授も2月13日の『WEBRONZA』に掲載した論文「豊洲への早期移転が望ましい理由:厳しすぎる土壌環境基準、環境対策にお金と時間をかけすぎてはいけない」で・・・豊洲移転の正統性をこう結論付ける。

「先日筆者(中西氏)は築地市場を見学した。余りの古さにたじろいだ。・・・どう考えても早く移転するのが良いと思った。
豊洲市場の汚染対策に、これまで数千億円の資金が投じられていると聞く。膨大な費用がかかるということは環境破壊をしていることになることをぜひ認識して欲しい。・・・
安全の対策にお金がかかることを問題視すると、お金より命が大事でしょという人も多い。よく社会を見て欲しい。お金がないために命を縮めている人がどれだけ多いかを。・・・
効率良く安全対策や環境対策をしなければならない。その為にはリスクという概念がとても大切だ」

・・・安全対策にコストをかけすぎることが別の問題を生んでいることを指摘している。>

→まず舛添氏は「環境基準百倍でも何ら問題はない」というのが現在の見解のようだ。しかし、前項の「モニタリングは都民の安心に役立てる」という自らの趣旨説明は、どうするか。「百倍でも安全ということを説明すれば良い」などと言うのかも知れないが、都民側がそれで安心するかどうかは舛添氏の期待通りになるとは限らない。

また、BとCは異なる見解と想定される。但しBの知事時代も舛添氏は、心の中ではCのように考えていたのかも知れない。しかし、実際に会見で変更したのは「モニタリング完了前の開業」であって、「環境基準以下」はそのまま。今頃これを言うなら、会見時に明示しておくべきだった。現在の舛添氏の考え方=C自体は、「舛添基準」かも知れないが、実効性は全くない。

行政は手続きが重要。本当に変更するなら、各種関連資料なども変更指示が必要。しかし、例えば市場HP掲載資料などが「環境基準以下」のままだったから、問題発覚後に慌てて修整していた。変更した状態になっていなかったというのは客観的事実。

なお、中西氏も含めて「勝手に論点を変えている」と感じる。安全対策に、お金がかかることを問題視しているが、これほどの大金を使ってくれと都民が頼んだわけではない。地歴や測定データから都側が判断して目標設定し実行した。
この経緯に対しても、例えば以下の一般のかたの方が真っ当な見解と感じる。
<結局、都が、豊洲は地歴から、生鮮品市場建設には本来不適であると認めたから、無害化の約束をしたのであり、それが妥当と認めたから、数百億の投資が許容されたのであり、無害化の約束が、合意形成の条件になったのは事実。>

舛添氏や中西氏の見方は、合意形成の経緯を軽視していると感じられ、とても総合判断とは思えない(後から中西氏を引用して開き直るのは石原氏も同様)。

中西氏は一回の築地見学で移転すべきと感じたことがスタートで、最初から決めている感がある。他にも多くの観点から重要課題が数多いのが築地・豊洲移転問題の特徴。例えば両氏とも地下水管理システムの「水位管理破綻」などの技術的問題は、非常に深刻にも関わらず言及なし。 その点で、今後小池氏が本当に「鳥の目」で見て判断できるか、正念場を迎える。

最後に、舛添氏著書に関するまとめとしては、「舛添氏は、やはりこれぐらいの器の人物だったか」と見て取れる、有り難い本だった。

以上

[追記]
「参考記事」
(1)”豊洲市場に関する法的な問題は完全に決着がついた”宇佐美典也氏 2017年03月17日
<環境基準の達成を豊洲の開設条件から切り離したのが舛添知事です。舛添知事は環境基準を達成しなくとも土壌汚染対策法上はなんら問題ないため、「技術会議に定められた汚染対策を実行すること」を豊洲の開設条件としました。(③舛添基準)>

→技術的に考えると、「定められた対策実行」というのは、単に対策処置の実施だけでなく、長期に渡る効果も保証できる状態を指す。その為に必要な期間を考えて確認を行う。ただ平田氏や中西氏らも、学者さんの割には効果確認の厳密性を重視していないように感じる。延期に関しては小池氏の方が慧眼だった。

<第五回の専門家会議での議論を見れば、これから短期間で地下水を「すべての地点で基準値以下」にすることは困難ですし、細かなメッシュで調査した以外のところに(健康にもちろん被害がない程度の)小規模な汚染が残留している事実は認める他ないと思います。
よって豊洲市場を活用するとすれば、地下深くまでの土壌を丸ごと交換するのでない限り、健康被害がない程度の土壌汚染まで浄化することはそもそも不可能であったし、やる必要もなかったということでみんなが「再合意」する必要があります。>

→おときた氏は「小規模な汚染残留は認める他ない」という見解。これを認めると専門家会議や、ひいては今後の小池氏側の「無害化見直し」ともバッティングする可能性あり。但し、「規模の問題」の議論になるかも知れない。

また、「そもそも不可能であったし、やる必要もなかったことを再合意する必要がある」としている。しかし、本文Aの真っ当な見解との摺り合わせを、どうするかが課題になるだろう。仮に最終的には摺り合わせが可能でも時間はかかる。豊洲問題は五輪日程との関係があるので、ややこしさが増す。

追記以上

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万葉倶楽部が千客万来からの撤退検討との報道があった。
<小池百合子知事の基本方針に基づき築地再開発が行われれば採算が取れなくなるなどとして、都に難色を示していることが11日、分かった。>

ただし、昨年9月には「設計中断」という報道が既に出ていた。
<都が9月12日、豊洲市場に建設する観光拠点「千客万来施設」の運営会社に、整備設計の一時中止を要請したことが分かった。敷地の地下を駐車場にする設計だったが、既に施工済みの盛り土を除去する必要があり、地下水への影響など安全性の検証が不可欠と判断した。>

小池氏が「盛土無し」の緊急会見を行ったのが9月10日(土)17時で、12日(月)に一時中止要請は都側にしては迅速過ぎる感じ。「地下駐車場」に関しては、何か特別に事情が有りそうと推察して検証してみたところ、喜代村(すしざんまい)と万葉倶楽部の構想図を比較して見ると一目瞭然の感じ。駐車場に関して違いをまとめてみる。

 ①喜代村案独立した地上6階の駐車場棟、温浴施設に地下1階駐車場
 ②万葉倶楽部案商業・温浴ゾーンとも地下2階駐車場

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イメージ 1

喜代村案が地上駐車場棟なのは汚染対策に配慮する都側との調整があったのではないかと推測(温浴施設の地下1階駐車場は不可解だが)。しかし、万葉倶楽部案の商業施設は「江戸の町並みのイメージ」が基本コンセプトで、横の広がりが必要。そのため必然的に地下駐車場となり、基本コンセプトだから都側も汚染問題に懸念有っても受け入れてしまったのではないか。そうだとすると酷い話であるが、都側なら有りそうな話。また、そのような懸念含みだったから、小池知事「盛土無し」表明後、すぐに一時中止を連絡したのではないかという推測もできそう。更に「約4.5mの高さでコンクリート厚なども含めて駐車場付き地下2階が設定出来るのか?」などの課題も考えられて来る。

撤退検討報道は、「築地跡地への『食のテーマパーク』などの類似施設との競合懸念」という趣旨だった。実際は基本コンセプト成立を左右する地下駐車場の成否の方が直接的に影響するのではないか。少なくとも都側の追加対策工事のめどが立たないと、一時中断要請は解除しにくく、万葉側は地下の設計に入れないと想定される。開業が五輪に間に合うかという重要な時期の問題にもなり、撤退是非の経営判断にも大きく効いてくる。

なお、上図と概説は以下の都側資料にあり。

以上
[追記]
もし一旦豊洲移転した後の築地跡地は、五輪で「バス駐車場」に使用するとの話。しかし、バスだけではなく、大会関係の乗用車駐車場も多く含まれていることを示す報道があったのでご紹介。
都は大会関係の車両数をバス2000台、乗用車4000台の計6000台と想定。駐車場用地には30ヘクタールの広さが必要と見込み、都有地や国有地などから適地を探していた。白羽の矢が立ったのが築地跡地。利便性の高い都心の一等地に23ヘクタールのまとまった土地がある。駐車場の他、運転手の休憩所なども備えた輸送拠点として活用することにした。
都によると、駐車場整備には約1年かかる。その前に市場解体も必要になる。移転は決まったものの移転時期は不透明で、具体的な作業スケジュールは描けていないのが実情だ。>

→バスではない一般的乗用車等の駐車場なら、築地跡地にこだわらなくても色々探し易くなるのではないか。先日記事で紹介した「組織委は移転困難にも備え代替駐車場探しを開始」などの報道も有るし、五輪関係の話は注意必要と思われる。

追記以上

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本日森山氏Twitterで重要な情報が有ったので備忘録として掲載。

①五輪向け駐車場の件
以下記事の紹介があった。
<2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の遠藤利明副会長は25日、築地市場(東京都中央区)から豊洲(江東区)への移転延期問題に絡み、移転後の跡地を大会関係車両の駐車場として使う現在の計画が困難となった場合に備え、東京都と駐車場の代替地の検討に着手していることを明らかにした。同日の自民党会合で説明した。
 組織委は市場跡地を約5千台の車両の駐車場として活用する構想で、移転の延期には森喜朗会長も懸念を示していた。>

→組織委も都側だけに責任を負わせずに自らも検討始めていた。しかも4月時点。それなのに都側は当初計画が絶対かのように押し切ろうとしているように見える。この情報は非常に重要。マスコミは都側に問いただし、組織委にも更に取材すべき。実態を明らかにしてもらいたい。

②ビックサイト代替展示場の件
以下記事の評価を森山氏にお聞きしたところ、<鋭意調査し報告書の製作中です。そしてブログで面白記事にします>とのことだったので期待しましょう。また当方も若干考察を後述。

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<東京ビッグサイト近隣の青海U・V区画において、仮設展示場を平成31年4月から1年間設置することとしていましたが、オリンピック・パラリンピック大会の関係施設として使用される平成32年11月まで設置期間を延長することとしました>
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■”五輪で東京ビッグサイトが使用できない問題 1年ぶりに計画見直されるも大規模イベントの開催は困難”ねとらぼ 2017年04月28日
<青海展示棟は、2019年4月から一時的にりんかい線・東京テレポート駅(東京ビッグサイトより徒歩約20分)付近に建てられる仮設展示場。展示面積は2万3200平米、これまで主に利用されてきた東展示棟と西展示棟の合計9万6540平米に比べ、約4分の1程度の広さになります。
2万平米ほどの展示面積を要する中規模なイベントにとってはメリットがあります。しかし大規模なイベント側にしてみれば1年前と状況は余り変わらない内容となりました。
 また、2020年7月〜9月は全施設利用不可のままです。青海展示場は企業に開放しても良さそうですが、2020東京大会中に東京ビッグサイト近隣でイベントが開催されるとセキリュティの問題など大会に支障を来す可能性があるため、利用不可にするとの説明でした。>

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[当方若干考察]
①項も併せて考えて、豊洲をメディアセンターにすれば、ざっと想定しただけでも以下のようなメリットがありそうに思える。

(1)築地・豊洲問題の検討時間が取れる
 築地を継続しながら、今後築地・豊洲をどのようにしていくか、じっくり広く関係者の意見を聞いてバランスの取れた対応策を検討する時間が取れる
(2)ビッグサイトの休場回避
 会場設営等も手慣れたビッグサイトがそのまま使えれば、実質効果金額は非常に大きくなる。批判の多い豊洲休場中の維持費の話も吹き飛ぶ
(3)青海仮設展示場の費用・人手削減
 建設・維持・解体費用等が無くなり、直接的コストダウン。これだけでも前述の豊洲休場中の維持費を遥かに凌駕するだろう。五輪前の建設作業要員不足へも少しでも貢献できる
(4)駐車場用地
 青海仮設展示場の用地は、①の駐車場用地に使える
(5)ラグビーW杯対応
 豊洲のメディアセンター化なら、改造着手が早く出来てラグビーW杯にも間に合わせられる

→詳細検討すると当然デメリットも有るだろうが、特に(1)の効果は重大。小池氏と都側は、メリット・デメリットを迅速に検討して明確に公表すべきと思う。

以上

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