kensyou_jikenboのブログ

エンジニアからの視点で様々な事柄を論理的客観的に読み解いてみようと試行中。PC遠隔操作事件、新国立競技場、豊洲新市場・・・
舛添要一氏が「都知事失格」(小学館2017年6月)という著書を出されている。
その中で、所謂「舛添基準」に関連する結構詳しい記述がある。もちろん、ご本人は「舛添基準」とは書かれていないが、市場長によるレクチャの内容なども語られていて参考になる。
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ご存じの方も多いと思いますが、この「舛添基準」についての論考は「宇佐美典也」氏ブログなどが有り、「おときた」都議も関連するブログ有り。(これらは[追記]で掲載)
同都議は、2017年3月21日都議会での石原元知事招致時に、折れ線グラフのようなもので舛添氏が2014年12月9日の記者会見時に安全に関する基準を下げたと主張。
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このような背景において舛添氏著書を見てみると、同会見での意図が詳説されている(以下に引用…B:桝添氏①)。それに加えて、百倍超検出に至った現在の状況での見解も述べられている(C:桝添氏②)。更に築地関係者の「パゲさん」の見解(A)も入れて、3種類の見解引用で考えてみる。(→以降が当方考察)

A:パゲさん‏ @yasuo3704  7月16日Twitter
<豊洲市場用地の化学物質を環境基準値以下に除去します、て無害化の約束は化学物質の残るガス工場跡地という場所に市場を移すのは嫌だ、て感情を正しいと認め、それでも移転を受け入れさせる為に都がした約束
今更「安全なんだから、無害化しろってのは意味の無い感情論だ」、て理屈は通用しない>

→当方はこれが真っ当な見解と感じる。特に「都がした約束」が重要。都側が「対策後は安全であることを分かりやすく示す」ために、「形質変更時要届出区域の解除」を当初から意図したというのが真相。

これ自体は、当時として妥当で納得性があった措置だが、「自然由来汚染」の件が入って、ややこしくなって話がねじ曲がった。当ブログでは「形質変更時要届出区域」の中の「一般管理区域を無くす」と表現するのが適切と述べてきた。この言い換えが出来ていれば、ぐっと分かりやすくなっていたと思われる。

市場PT報告の土壌汚染部分を書いた人も同見解のようで、遅ればせながら次のように正式に使用されている。
<①「操業由来の汚染土壌はすべて除去する」(無害化 3 条件の第 2 条件)ことにより、行政的には「形質変更時要届出区域(一般管理区域)」から「形質変更時要届出区域(自然由来特例区域)」への変更、または「形質変更時要届出区域(一般管理区域)」の区域指定の解除が行われる。>(PT報告書P72)

なお、上記で「安全なんだから」という部分についても、(パゲさんも多分そうだと思うが)疑問がある。法令上問題ないと言っても、例えば現在も「公営住宅のアスベスト問題」が大きくなっている。アスベストも当時は法令上問題ないから使われていたが、後で被害が発覚した。更に公営住宅の件は、もっと後になってから問題になった。その時だけの判断で本当にOKなのかという実例となる。

B:桝添氏①(知事時代2014年12月)
(著書記述)
<4回目のブリーフィングの「懸案課題・局長ヒアリング」が行われたのは12月24日。2014年の夏の人事で新たに就任した新市場長から、豊洲市場の建設・運営費、卸売市場の課題や、豊洲新市場の開場と2年間モニタリングなどについて説明を受けた。
(その中で)豊洲新市場の開場と2年間モニタリングについて。指摘された点は5つ。そこには小池知事やマスコミの誤解を明白にする重要なポイントが含まれている。

1:技術会議から提言された徹底的な土壌対策を行って、10月末に完了した。その結果で、豊洲新市場用地の安全性は確保・確認されたと認識する。
2:今後、開場前、開場後を通じ、リスク管理として永続的に地下水のモニタリングを行って都民の安心に役立てる。
3:そもそも2年間モニタリングは、土壌汚染対策法で指定された区域の指定解除のための手続きに過ぎない。豊洲新市場用地では本来不要である。
4:施設建設中は、2年間モニタリングを続けるが、あくまでもあくまでも都民の安心に役立てるためである。
5:従って、2年間のモニタリングの完了と豊洲新市場の開場とは全く無関係である。

 シンプルに言えば、土壌対策を行った豊洲新市場用地の安全性は科学的に証明された。ただし、都民に安心してもらうために永続的に地下水のモニタリングは続ける。2年間のモニタリングは土壌汚染対策法の手続きのためで、あくまで都民の安心、安全のため。だから2年間のモニタリングと市場の開場は関係ないという論理である。
 2016年7月31日に当選した小池都知事は、新知事へのオリエンテーションで担当職員からそう説明を受けているはずである。さらに小池知事は、就任2週間後に築地、豊洲市場を視察している。現場でも同様の説明があったと思う。しかし彼女は「モニタリングが終わっていないのに、なぜ11月の開場を決めたのか」と疑問を呈している。
 小池知事は本当に問題を理解しているのだろうか。モニタリングと新市場の開場とは「全く無関係」だ。
 小池知事の視察を報じるメディアも、一切そのことに口をつぐんでいる。記者諸君は記者会見における私の説明、都議会での質疑をすっかり忘れてしまったのか。それとも意図的に小池劇場に加担しているのか。>

→ブリーフィングは12月24日とのことで、12月9日会見の後だが、会見の趣旨を表していると思われる。そして市場局の当時の意向ということになる。

まず「1」で技術会議の対策実施と確認で「安全性は確保・確認された」と実質的安全宣言。しかし、当方の技術的観点からすると、「モニタリングが規定されているということは変動が有るのだから、効果の確認には或る程度の期間が必要」となる。2年間モニタリングが不要とした場合に、「代わりの妥当な確認期間をどうするか」の論議が欠けており、技術的に見て問題有り。

「2〜5」はモニタリングの件。この中に「基準を下げた」ような記述はない。当ブログでは桝添氏当該会見は「2年間モニタリング完了前の開業」について述べたもので、「基準の変更は行っていない」とずっと書いてきたが、正しかったことになる。

しかも、「2年間モニタリングは指定解除の手続き」と説明されている。自然由来があるから指定解除出来ないが、前述の「一般管理区域を無くす」ことと同じ認識を舛添氏も持っていたことになるだろう。そして2年間モニタリングは以下の様に「環境基準達成」が条件。
<②区域指定の変更または解除は、2 年間地下水モニタリングの測定値が環境基準を満たしていれば、土壌汚染対策の効果があったと判断される。>PT報告書P72

結果的に、舛添氏は会見で「環境基準達成する」ことを述べており、基準を下げてはいない。ここ重要。


C:桝添氏②(現在)
(著書記述)
<さらに3月19日に専門家会議が開かれた。従来8回までのモニタリング調査と同様な採水法で検査した結果が公表された。最大で、環境基準の約100倍のベンゼンなどが検出されたという。
しかしながら、法的に見ても、科学的に見ても、豊洲への移転はなんら問題ない。安全も担保されている。小池知事やマスコミが主張する「安全だが安心ではない」「地下と地上は切り離すことはできない」という論理に、私は与しない。

環境工学が専門の中西準子元東大教授も2月13日の『WEBRONZA』に掲載した論文「豊洲への早期移転が望ましい理由:厳しすぎる土壌環境基準、環境対策にお金と時間をかけすぎてはいけない」で・・・豊洲移転の正統性をこう結論付ける。

「先日筆者(中西氏)は築地市場を見学した。余りの古さにたじろいだ。・・・どう考えても早く移転するのが良いと思った。
豊洲市場の汚染対策に、これまで数千億円の資金が投じられていると聞く。膨大な費用がかかるということは環境破壊をしていることになることをぜひ認識して欲しい。・・・
安全の対策にお金がかかることを問題視すると、お金より命が大事でしょという人も多い。よく社会を見て欲しい。お金がないために命を縮めている人がどれだけ多いかを。・・・
効率良く安全対策や環境対策をしなければならない。その為にはリスクという概念がとても大切だ」

・・・安全対策にコストをかけすぎることが別の問題を生んでいることを指摘している。>

→まず舛添氏は「環境基準百倍でも何ら問題はない」というのが現在の見解のようだ。しかし、前項の「モニタリングは都民の安心に役立てる」という自らの趣旨説明は、どうするか。「百倍でも安全ということを説明すれば良い」などと言うのかも知れないが、都民側がそれで安心するかどうかは舛添氏の期待通りになるとは限らない。

また、BとCは異なる見解と想定される。但しBの知事時代も舛添氏は、心の中ではCのように考えていたのかも知れない。しかし、実際に会見で変更したのは「モニタリング完了前の開業」であって、「環境基準以下」はそのまま。今頃これを言うなら、会見時に明示しておくべきだった。現在の舛添氏の考え方=C自体は、「舛添基準」かも知れないが、実効性は全くない。

行政は手続きが重要。本当に変更するなら、各種関連資料なども変更指示が必要。しかし、例えば市場HP掲載資料などが「環境基準以下」のままだったから、問題発覚後に慌てて修整していた。変更した状態になっていなかったというのは客観的事実。

なお、中西氏も含めて「勝手に論点を変えている」と感じる。安全対策に、お金がかかることを問題視しているが、これほどの大金を使ってくれと都民が頼んだわけではない。地歴や測定データから都側が判断して目標設定し実行した。
この経緯に対しても、例えば以下の一般のかたの方が真っ当な見解と感じる。
<結局、都が、豊洲は地歴から、生鮮品市場建設には本来不適であると認めたから、無害化の約束をしたのであり、それが妥当と認めたから、数百億の投資が許容されたのであり、無害化の約束が、合意形成の条件になったのは事実。>

舛添氏や中西氏の見方は、合意形成の経緯を軽視していると感じられ、とても総合判断とは思えない(後から中西氏を引用して開き直るのは石原氏も同様)。

中西氏は一回の築地見学で移転すべきと感じたことがスタートで、最初から決めている感がある。他にも多くの観点から重要課題が数多いのが築地・豊洲移転問題の特徴。例えば両氏とも地下水管理システムの「水位管理破綻」などの技術的問題は、非常に深刻にも関わらず言及なし。 その点で、今後小池氏が本当に「鳥の目」で見て判断できるか、正念場を迎える。

最後に、舛添氏著書に関するまとめとしては、「舛添氏は、やはりこれぐらいの器の人物だったか」と見て取れる、有り難い本だった。

以上

[追記]
「参考記事」
(1)”豊洲市場に関する法的な問題は完全に決着がついた”宇佐美典也氏 2017年03月17日
<環境基準の達成を豊洲の開設条件から切り離したのが舛添知事です。舛添知事は環境基準を達成しなくとも土壌汚染対策法上はなんら問題ないため、「技術会議に定められた汚染対策を実行すること」を豊洲の開設条件としました。(③舛添基準)>

→技術的に考えると、「定められた対策実行」というのは、単に対策処置の実施だけでなく、長期に渡る効果も保証できる状態を指す。その為に必要な期間を考えて確認を行う。ただ平田氏や中西氏らも、学者さんの割には効果確認の厳密性を重視していないように感じる。延期に関しては小池氏の方が慧眼だった。

<第五回の専門家会議での議論を見れば、これから短期間で地下水を「すべての地点で基準値以下」にすることは困難ですし、細かなメッシュで調査した以外のところに(健康にもちろん被害がない程度の)小規模な汚染が残留している事実は認める他ないと思います。
よって豊洲市場を活用するとすれば、地下深くまでの土壌を丸ごと交換するのでない限り、健康被害がない程度の土壌汚染まで浄化することはそもそも不可能であったし、やる必要もなかったということでみんなが「再合意」する必要があります。>

→おときた氏は「小規模な汚染残留は認める他ない」という見解。これを認めると専門家会議や、ひいては今後の小池氏側の「無害化見直し」ともバッティングする可能性あり。但し、「規模の問題」の議論になるかも知れない。

また、「そもそも不可能であったし、やる必要もなかったことを再合意する必要がある」としている。しかし、本文Aの真っ当な見解との摺り合わせを、どうするかが課題になるだろう。仮に最終的には摺り合わせが可能でも時間はかかる。豊洲問題は五輪日程との関係があるので、ややこしさが増す。

追記以上

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万葉倶楽部が千客万来からの撤退検討との報道があった。
<小池百合子知事の基本方針に基づき築地再開発が行われれば採算が取れなくなるなどとして、都に難色を示していることが11日、分かった。>

ただし、昨年9月には「設計中断」という報道が既に出ていた。
<都が9月12日、豊洲市場に建設する観光拠点「千客万来施設」の運営会社に、整備設計の一時中止を要請したことが分かった。敷地の地下を駐車場にする設計だったが、既に施工済みの盛り土を除去する必要があり、地下水への影響など安全性の検証が不可欠と判断した。>

小池氏が「盛土無し」の緊急会見を行ったのが9月10日(土)17時で、12日(月)に一時中止要請は都側にしては迅速過ぎる感じ。「地下駐車場」に関しては、何か特別に事情が有りそうと推察して検証してみたところ、喜代村(すしざんまい)と万葉倶楽部の構想図を見ると一目瞭然の感じ。駐車場に関して違いをまとめてみる。

 ①喜代村案独立した地上6階の駐車場棟、温浴施設に地下1階駐車場
 ②万葉倶楽部案商業・温浴ゾーンとも地下2階駐車場

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喜代村案が地上駐車場棟なのは汚染対策に配慮する都側との調整があったのではないかと推測(温浴施設の地下1階駐車場は不可解)。しかし、万葉倶楽部案の商業施設は「江戸の町並みのイメージ」が基本コンセプトで、横の広がりが必要。そのため必然的に地下駐車場となり、基本コンセプトだから都側も汚染問題に懸念有っても受け入れてしまったのではないか。そうだとすると酷い話であるが、都側なら有りそうな話。また、そのような懸念含みだったから、小池知事「盛土無し」表明後、すぐに一時中止を連絡したのではないかという推測もできそう。更に「4.5mの高さでコンクリート厚なども含めて駐車場付き地下2階が設定出来るのか?」などの課題も考えられて来る。

撤退検討報道は、「築地跡地への『食のテーマパーク』などの類似施設との競合懸念」という趣旨だった。実際は基本コンセプト成立を左右する地下駐車場の成否の方が直接的に影響するのではないか。少なくとも都側の追加対策工事のめどが立たないと、一時中断要請は解除しにくく、万葉側は地下の設計に入れないと想定される。開業が五輪に間に合うかという重要な時期の問題にもなり、撤退是非の経営判断にも大きく効いてくる。

なお、上図と概説は以下の都側資料にあり。

以上
[追記]
もし一旦豊洲移転した後の築地跡地は、五輪で「バス駐車場」に使用するとの話。しかし、バスだけではなく、大会関係の乗用車駐車場も多く含まれていることを示す報道があったのでご紹介。
都は大会関係の車両数をバス2000台、乗用車4000台の計6000台と想定。駐車場用地には30ヘクタールの広さが必要と見込み、都有地や国有地などから適地を探していた。白羽の矢が立ったのが築地跡地。利便性の高い都心の一等地に23ヘクタールのまとまった土地がある。駐車場の他、運転手の休憩所なども備えた輸送拠点として活用することにした。
都によると、駐車場整備には約1年かかる。その前に市場解体も必要になる。移転は決まったものの移転時期は不透明で、具体的な作業スケジュールは描けていないのが実情だ。>

→バスではない一般的乗用車等の駐車場なら、築地跡地にこだわらなくても色々探し易くなるのではないか。先日記事で紹介した「組織委は移転困難にも備え代替駐車場探しを開始」などの報道も有るし、五輪関係の話は注意必要と思われる。

追記以上

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本日森山氏Twitterで重要な情報が有ったので備忘録として掲載。

①五輪向け駐車場の件
以下記事の紹介があった。
<2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の遠藤利明副会長は25日、築地市場(東京都中央区)から豊洲(江東区)への移転延期問題に絡み、移転後の跡地を大会関係車両の駐車場として使う現在の計画が困難となった場合に備え、東京都と駐車場の代替地の検討に着手していることを明らかにした。同日の自民党会合で説明した。
 組織委は市場跡地を約5千台の車両の駐車場として活用する構想で、移転の延期には森喜朗会長も懸念を示していた。>

→組織委も都側だけに責任を負わせずに自らも検討始めていた。しかも4月時点。それなのに都側は当初計画が絶対かのように押し切ろうとしているように見える。この情報は非常に重要。マスコミは都側に問いただし、組織委にも更に取材すべき。実態を明らかにしてもらいたい。

②ビックサイト代替展示場の件
以下記事の評価を森山氏にお聞きしたところ、<鋭意調査し報告書の製作中です。そしてブログで面白記事にします>とのことだったので期待しましょう。また当方も若干考察を後述。

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<東京ビッグサイト近隣の青海U・V区画において、仮設展示場を平成31年4月から1年間設置することとしていましたが、オリンピック・パラリンピック大会の関係施設として使用される平成32年11月まで設置期間を延長することとしました>
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■”五輪で東京ビッグサイトが使用できない問題 1年ぶりに計画見直されるも大規模イベントの開催は困難”ねとらぼ 2017年04月28日
<青海展示棟は、2019年4月から一時的にりんかい線・東京テレポート駅(東京ビッグサイトより徒歩約20分)付近に建てられる仮設展示場。展示面積は2万3200平米、これまで主に利用されてきた東展示棟と西展示棟の合計9万6540平米に比べ、約4分の1程度の広さになります。
2万平米ほどの展示面積を要する中規模なイベントにとってはメリットがあります。しかし大規模なイベント側にしてみれば1年前と状況は余り変わらない内容となりました。
 また、2020年7月〜9月は全施設利用不可のままです。青海展示場は企業に開放しても良さそうですが、2020東京大会中に東京ビッグサイト近隣でイベントが開催されるとセキリュティの問題など大会に支障を来す可能性があるため、利用不可にするとの説明でした。>

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[当方若干考察]
①項も併せて考えて、豊洲をメディアセンターにすれば、ざっと想定しただけでも以下のようなメリットがありそうに思える。

(1)築地・豊洲問題の検討時間が取れる
 築地を継続しながら、今後築地・豊洲をどのようにしていくか、じっくり広く関係者の意見を聞いてバランスの取れた対応策を検討する時間が取れる
(2)ビッグサイトの休場回避
 会場設営等も手慣れたビッグサイトがそのまま使えれば、実質効果金額は非常に大きくなる。批判の多い豊洲休場中の維持費の話も吹き飛ぶ
(3)青海仮設展示場の費用・人手削減
 建設・維持・解体費用等が無くなり、直接的コストダウン。これだけでも前述の豊洲休場中の維持費を遥かに凌駕するだろう。五輪前の建設作業要員不足へも少しでも貢献できる
(4)駐車場用地
 青海仮設展示場の用地は、①の駐車場用地に使える
(5)ラグビーW杯対応
 豊洲のメディアセンター化なら、改造着手が早く出来てラグビーW杯にも間に合わせられる

→詳細検討すると当然デメリットも有るだろうが、特に(1)の効果は重大。小池氏と都側は、メリット・デメリットを迅速に検討して明確に公表すべきと思う。

以上

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森山氏がインタビューで移転問題を話しておられた。「フジテレビ」の話も興味深かったが、以下の築地の件に着目。
<豊洲に即移転と言わざるを得ない人たち、ある種のグループの政党の力で言えって言われている人がいるんですよ。そんな人の中に「本当は築地だよね」と言う人を何人も知ってます。彼らは築地で何が行われているか分かっている。そこから食品がどのように国内に流通して行って、場合によっては銀座とか赤坂とか新橋とかいったところにある高級なお寿司屋さんや料亭とか、一番利用しておられるのは誰ですか、大企業のオーナーさんを含めて一定以上の富裕層と、後は与党の先生方じゃないですか。彼らは本当はそういったお店から、色んな情報を得てるはずなんですよ。だけど色んな諸事情から豊洲に移転なんていう馬鹿なことを言ってるのは、それを言わなくても良いように紐解くのが大事だと思っています>

→「築地ブランド」について色々捉え方は有ると思うが、重要な要素に「高級店が選ぶ食材」というのが有ると思う。参考として、最近銀座で見かけた店頭メニューをご紹介。ランチでも5千円以上するから、当方レベルからすると非常に高級なお店で、メニューの写真を撮っただけで終わったが(笑)、「築地の鮮魚」と明記されている。

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これが移転後には「豊洲の鮮魚」に変わるか。相当時間が経てば別だが、当面は「豊洲」と書かない店のほうが多くなるのではないかと個人的には感じる。森山氏が言及しておられるような「料亭」などは、もっと気を使うだろう。お客様への最高のおもてなしの一つが「豊洲の魚を使わない」とするところが出てこないとも限らない。少数でも出てくるとイメージダウンになって、それが波及していくことも考えられ商売上のリスクになってくる。

それに対して、例えば「中西準子」氏は「リスク論」がご専攻ということで、「豊洲移転は問題ない」という趣旨の論考を書かれているが、観点が一面的過ぎると思う。移転に伴うリスクには色々あって、商売人からしたら生活がかかる「商売上のリスク」は最重要課題だろう。

また、「豊洲の地下には毒が埋まっている」という言い方が有る。それは言いすぎと思っていたが、最近築地とは別の市場の関係者で、戦前生まれの江戸っ子のおばあちゃんに話を聞く機会があった。「豊洲は毒ガス作ってたんだろ」と言っておられた。実際は石炭ガスだが、副産物でシアンやベンゼンが生成され現在問題になっている。それらをひっくるめて「毒ガス」と言っても完全否定は出来ないと思う(特にシアン)。

「毒」という言葉の使い方が年代によって違うのだと思う。「毒」は語感が強烈過ぎて、今は使う場面が少なくなっているのではないか。しかし、以前は普通の表現として使っていたのだろう。移転派の中には「小池知事が安全を説明すべきだ」と言う人がいる。しかし、幾ら小池氏が強調しても、年代的に「毒」という言葉が身に染み付いている人たちを完全には変えられない。「豊洲の地下には毒が埋まっている」・「豊洲では毒ガスを作っていた」というような話が無くなることはない。

このような商売上のリスクに関して、特に「移転」を積極的に主張している若い都議さんたち、おときた氏・川松氏・やながせ氏などはどう考えておられるのだろうか。前述の中西準子氏などは、自らのやってきた分野に凝り固まっておられて脱するのは困難と思う。しかし、若くフレキシブルなはずの都議さんたちが、「法令上安全、専門家会議が地上安全としている」などで問題ないとしているのは余りにも一面的ではないか。商売上のリスクを真っ先に考えられる感覚を持っていただきたい。

以上
[追記]
本文で書いた「毒が埋まっている」という話に関連する件。
小池氏は、今後「無害化変更」をする際に、専門家会議の「操業由来の土壌汚染は環境基準以下に除去されている」という見解を根拠にしようとしている可能性あり。地下水は百倍でも「地下水管理システムの揚水によって将来的に低下」の話ができる。しかし追加対策をしても、土壌汚染はそのまま残すことになって「毒が埋まっている」という話に反論がしにくくなる。
だが、専門家会議の見解は本当なのだろうか。ボーリング調査で確かめるべき。

追記以上

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昨日記事で、「前川喜平」前文科省次官が同省審議官時代に事務局長を努めた新国立競技場問題の検証委員会に対して、官邸側の「和泉洋(ひろし)」総理補佐官を中心としたグループから、”検証範囲などで干渉と言っても過言でないレベルの働きかけがあった”という当ブログの見方と根拠を示した。

この干渉で、和泉氏は「ザハ案の白紙見直し経過」の隠蔽を図った。その理由は、安倍総理の英断だったと言われている「白紙撤回」表明が、実際には「ザハ案は設計的に建てられなかった」という、お粗末な裏事情を隠し通す意図があった。ここまでが昨日記事の趣旨。

更に和泉氏は、ザハ案撤回後の新計画による「やり直しコンペ(新コンペ)」の段取りを行って、最終的に大成建設と隈研吾氏のA案が採用されるまでを取り仕切った。この過程は「官製談合」と言われても仕方がないレベルだった。また、審査では竹中組と伊東豊雄氏のB案が優勢だったのを「審査不正」によって覆した疑惑も有る。

検証委員会への干渉は、事務局長だった前川氏は当然認識。そして官製談合と審査不正に関しても、前川氏の直接関与は無いとしても、コンペを担当したJSC(日本スポーツ振興センター)は文科省傘下団体。翌年事務次官就任するほどの実力者であった前川氏には、何らかの情報が入っている可能性は高いだろう。

昨日記事では、参考人招致で前川氏に「検証委員会に対して、官邸側から働きかけがあったか?」と質問し、認める回答を引き出せれば、新国立でも閉会中審査行う道が拓けることを書いた。新コンペを和泉氏側が主導したかどうかも同様に質問可能。

加計問題を入り口にして、もっと大きな問題になる可能性がある新国立競技場について追求ができるよう、今回の参考人招致で前川氏から証言を取ってもらいたいとも思う。国会議員の頑張りに期待することになるが、片隅からの応援として当ブログでは新コンペでの官製談合と審査不正の疑惑について内容を記す。加えて、隈研吾氏の問題についても言及。

①官製談合疑惑

(1)新コンペ審査員の人選
以前に検証委員会の人選について分析を行った。

以下に示すように、殆どの委員に国交省「官庁営繕部」との関わりが見られ、和泉氏と、同氏が新国立対応で国交省から官邸に引っ張った営繕部の羽山慎一氏の名前が出てくる。

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特に重要な委員長の「村上周三」氏は、「サステナブル建築と政策デザイン」と云う書籍を和泉氏と共著している。全体としても、よくここまで露骨に恣意的人選をやった、と思えるレベル。文科省は完全に蚊帳の外。
新コンペを和泉氏らが確実にコントロールするために、周到な準備を行っていたことが見て取れる。官製談合疑惑は深い。

(2)ゼネコンへのザハ案使用お墨付き(実態は大成側のみ)
<委員から、旧計画の関与者が有利となることはないかとの指摘に対して、事務局から、旧計画の成果を最大限活用する趣旨もあり、可能な限り参加者に資料を提示することとしており、また、競争参加資格の確認以降に、守秘義務の下で提示する資料もあると回答した。 >
→JSCは旧計画(ザハ案)成果物の最大限活用の意向を明らかにしている。そして「大成建設+隈研吾氏」のA案は、後述の3項で示すようにザハ案流用は明確。しかし、JSCはザハ案中止して成果物利用すればザハ側から訴えられる危惧を、その前から表明していた。これは当然の話である。

しかし、和泉氏らがザハ案流用での日程短縮を図ったことは容易に推測できる。これ自体はザハ案急遽中止で五輪日程に間に合わすために、止むを得ない面は有る。だが、ザハ案流用を公言しなければ、日本政府が権利侵害を行ったことになる。しかも未だに「ザハ側と話はついた」としているだけで、流用は認めず隠蔽のまま。

著作権を管轄する文化庁を傘下におく文科省は、この点でも国際問題になる危惧も含めて、忸怩たる思いがあったのではないか。それを前川氏は知っていてもおかしくない。実際ザハ氏は急逝前に「日本の閉鎖性」として厳しく批判していた。日本の誠実さを毀損するやり方に対して、前述の審査委員選定の極端な恣意性を含め、「面従腹背」がモットーという前川氏の本音を国会で聞き出して頂きたい(加計の後に新国立問題でも閉会中審査を期待)。

また、JSCは入札参加者全体に旧計画成果を認めた形だが、「竹中工務店+伊東豊雄氏」のB案では流用は見えてこない。これは、流用による日程短縮効果で「大成側を有利に導く意図」があったと推察するのが妥当と思われる(新コンペでは日程最重視)。

和泉氏側とゼネコン側は、新コンペ以前から水面下で打合せており、大成側のみザハ案流用することも調整済みだったと思う。官製談合の疑惑は、ますます深まる。

なお、竹中側とも調整があったと思われ、ザハ案流用が明確になっても竹中側は動かなかった(つまり発注者と参加者全体で出来レース)。ただし、後述の伊藤豊雄氏の動きは微妙。ザハ案流用を明確に指摘していた。そのため伊東氏とは調整があったのかどうか未だ不明。

②審査不正疑惑
新コンペ審査委員だった「建築家・香山寿夫氏」が、B案をめぐるシンポジウムの場で以下のように審査不正疑惑を述べている。香山氏は国交省営繕部との関わりが浅くて、和泉氏らの制御が効かなかった可能性有り。

ここまで話が出ながら、最終的に追求は不発で現在に至っている。しかし直接的な審査不正疑惑であり、加計問題より悪質なように思えてくる。
<7人の審査委員の1人だった建築家・香山寿夫氏(78)も出席し、自ら審査方法に疑問を呈した。それぞれの審査委員が採点動向を公表しないやり方に「それは問題。公表できないなら、それは専門家とは言えない。そう言ったが、通らなかった」と振り返った。 
 また、審査委が事前審査も含め2度、採点したことが「操作なのでは」と批判を受けている点には「仮の採点の1時間後にもう1度やったが、その結果どういうことが起きたのかは分からない。知っている人もいるかもしれないが…。お互いにどのように判断したかは公表しないことになっているため、変な操作につながったと思われるのは仕方ない」と語った。>

詳細は当ブログの以下記事参照。


③隈研吾氏の欺瞞
上掲日刊スポーツ記事で、世界的建築家でB案を担当した伊東豊雄氏が「隈研吾氏案はザハ案借用」と明確に述べている。
<B案の建築家・伊東豊雄氏(74)が9日、都内でシンポジウムを開き、建築家・隈研吾氏(61)が設計したA案のスタンド部分は前計画のザハ・ハディド案を「踏襲している」と言い切った。 
 伊東氏は断面、柱、通路、トイレの図を示し、数や位置が共通している事実を示した。断面図ではスタンド下部の柱位置がほぼ同じだった。柱比較では全周が108本で成り立つ構造と位置がほぼ同じ。通路比較では上・中段スタンドの通路数がともに54本で、位置もほぼ一緒だった。地下トイレもともに8カ所で位置もほぼ同じ。隈案は「似ているのではなく(ザハ案を)借用したのではないか」と述べた。

→実際に当ブログでは「隈氏+大成建設のA案」と「ザハ案」を当時比較してみている。平面図を見ただけで、借用(流用)は明らか。
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これに対して、隈氏は完全否定を続けている。
”「隈氏またも記者会見で完全否定」”2016/2/2 日刊スポーツ
<建築家・隈研吾氏(61)が1日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見し、旧計画のザハ・ハディド氏が訴える著作権について「問題ない」との認識をあらためて示した。 
 座席の配列、通路幅がザハ案とほぼ一致している点について「東京都の安全条例で通路幅は80センチと決まっている。それで計算すると、同じ形に落ち着く。法律を順守して緻密に計算すると、どの方がやっても同じ所に落ち着く」と主張。 
 ザハ案と隈案の平面図を重ねると、柱の位置までほぼ重なる点についても「座席配列と通路幅で決まる」とし、「80センチの通路幅で(通路間の)座席は28席。トラック形状も同じだから当然、同じようなところに柱が建つ」と語った。仮に柱を1本おきに抜いた場合は「今度は梁(はり)が大きくなり非常にコストがかかる。梁(はり)の分で天井が低くなるのも問題。経済的に今の法律の中で柱を置いていこうとすると、大体同じような配置になると思います」と語り、著作権問題も「我々のチームの専門家にいろいろ聞いても全く問題ないと言われています」と言い切った。 >

→上図のように類似性は一目瞭然でありながら、事実を捻じ曲げる詭弁と強弁の連発。また自らの目で見ても明らかなはずなのに、専門家のチームを持ち出して責任回避姿勢。当代随一と言っても過言ではない売れっ子建築家に、このような欺瞞が有るのは非常に残念。

以上

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