朴永哲電子日記

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グラミン銀行

 銀行というものに良いイメージを持っている方は少ないだろう!

 客から預かったお金を借り手に高金利で貸付け、その金利で楽して金儲けしているからだ。

 しかし、私利私欲を肥やして満足するのではなく、社会的弱者を救済するため、画期的な活動を行なっている銀行がこの世に存在する。

 それがバングラデシュ(以下「バングラ」)の「グラミン銀行(http://www.grameen-info.org/)」だ。

 本日はそのグラミン銀行の取り組みについて紹介しよう。

 グラミン銀行が拠点を置く「バングラ」は国土が北海道並しかないくせして、日本を上回る約1億4000万人もの人口を抱えている。

 ベンガル湾東岸に面しており、川が非常に多く、国土の大半が低地で、毎年、雨季になるとベンガル湾で発生したサイクロンが襲来し、その度に、国土の3分の1以上が冠水し、交通網は完全に麻痺し、数万〜数十万人単位の死者が出ることもザラだ。

 外貨を稼ぐ主な手段としては、米とジュード(縄の原材料)といった第一次産品くらいしかないため、当然、思うように外貨を稼げず、国家財政は尻貧で、役人による汚職も後を絶たない。

 国民の7割以上が1日1$以下の極貧生活を余儀なくされている。

 そんなどうしようもないバングラ国民の生活を改善しようとグラミン銀行は立ち上がったのである。

 グラミン銀行はバングラ最大の銀行であり、本業の金融他、通信、食品、教育等非常に多岐にわたる分野で事業を展開している財閥だ。

 グラミン銀行は、バングラ主要都市はもちろん、農村部でも幅広く展開しており、バングラ全農村・集落の8割以上に支店とまでは行かないが出張所を設けている。

 我が国にたとえていうのなら、都市銀行から信用金庫までの業務をすべて担っているようなものだ。

 そんな農村部で幅広くビジネスを展開しているグラミン銀行は、貧困層の生活を改善すべく「マイクロクレジット(無担保小額融資制度)」という既存の銀行が融資しない貧困層を対象にした無担保・無利子で小額貸付け、起業を促し、貧困から脱却することを支援する取り組みを実施した。

 対象は貧困層の女性で、5人一組となって最寄のグラミン銀行窓口で申し込む。

 そこで、まず、グラミン銀行は5人のうち3人にお金を融資し、お金を借りていない2人がお金を借りた3人がお金を有効活用し、借りたお金をしっかり返済しようとしているかお目付け役を行なう。

 そして、3人全員が借りたお金を全額返済したら、残りの2人にもお金が融資され、今度は、お金を完済した3人がお金を新たに借りた2人のお目付け役を行なう。

 そして、残りの2人が全額返済したら、再び、初めにお金を借りた3人が融資を受けられるといったことの繰り返しだ。

 彼女らの起業の主な取り組みとして、

(1)鶏を飼って始めた養鶏・養卵業。
(2)手動型ミシンを買って始めた裁縫・縫製業。
(3)ミネラルウォーター・村では手に入らない食料を扱った「雑貨屋」

 等が挙げられる。

 バングラの貧困撲滅への道のりはまだまだ険しいことに変わりはないのだが、このマイクロクレジットが功を奏し、多くの女性が自立し、貧困から脱却できた。

 焦げ付き(回収できなくなった借金)も少なく、これまで、98%以上の貸した金が返済されている。

 我が国の平均的な金融機関の不良債権比率が6〜7%といわれているだけに、借り手のグラミン銀行に対する信頼度も我が国のそれより上だ。

 いかに多くのバングラ貧困層からマイクロクレジットが評価されているかがこの事実からもうかがえる。

 この功績が評価され、グラミン銀行を代表して、マイクロクレジット考案者であり、グラミン銀行総裁である「ムハマド・ユヌス」氏は、2006年、ノーベル平和賞を受賞した。

 この出来事は我が国でも話題になり、彼が来日した時、各マスメディアへの出演や全国各地の講演会に引っ張りだこだった。

 現在、世界100ヶ国以上でこのマイクロクレジットは実施されており、バングラのように上手く浸透し、貧困層の生活改善に寄与するかどうかこれからの動向が注目される。

 グラミン銀行のバングラ貧困撲滅に向けての取り組みはマイクロクレジットのみにとどまらない。

 仏・ダノン社(http://www.danone.com/)と業務提携し「グラミン・ダノン」という乳製品会社を設立し、栄養価の高いヨーグルトを生産し、栄養不足の子供たちに低価格で販売している。

 また、バングラでは多くの水がヒ素により汚染されている。

 この問題を克服すべく、仏・べオリア社(http://www.veoliawater.com/)と業務提携し「グラミン・べオリア」という水会社を設立し、貧困層に安全な水を提供できるように努めている。

 これらはいずれもボランティア精神旺盛な投資家により支えられており、ビジネスに成功しても元本しか受け取らず、成功に伴う利益は当該ビジネスをさらに拡大する目的で使われる。

 投資家は成功の報酬をお金の代わりに、社会貢献による満足感を通して得ているのだ。

 ユヌス氏は、これから世界が目指すべき姿として、

「利益の最大化を目的とするビジネスだけに市場を使ってきた経済システムの再設計が必要だ。
人間が持つ利己的な部分だけでなく、無私の部分も市場に持ち込めば、真の資本主義が完成する!」

 と語っていた。

 金融恐慌に伴い、他者を顧みず、貸し渋り(お金の貸し出し審査を厳しくしてなかなかお金を貸さないこと)や貸し剥し(返済期日前に借り手に対し貸した金の返済を強要すること)を増やすことで保身を図っている我が国の恥ずべき金融機関の関係者もこの言葉を念頭に置いていただきたいものである。

 慈善活動において世界最先端を行く銀行「グラミン銀行」の動向にこれからも目が離せない!


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