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「土手にもどりましょ」
百合子が、さそった。
着ものを身に付けた人形が、百合子がすわっていたところに、横たわっていた。
「あら、このお人形」
悠子が抱きあげた。
頭の先から、足の先までみつめた。
「ひょっとしたら、放送室に置いてあるものじゃないかしら」
百合子は、だまったままでいる。
これから何がはじまるのだろう、と胸がどきどきしていた。
「ゆうこちゃん、その人形、私にかして。とにかくすわりましょう」
「はい、先輩」
悠子は、百合子の左側にすわった。
人形が気になって、しかたがない。
百合子は、人形を自分の右側においた。
人形はあたたかかった。まるで血が通っているようだ。
何かが起きる前触れにちがいない、と思った。
知らない顔をしている方がいいと考えた。
「悠子ちゃん、同じクラスに陽一くんって、男の子がいるでしょ」
百合子は、本論にはいった。
「ええ。とってもおとなしい子ですよ」
「今度のことは、陽一くんとあなたのことが原因なのよ」
「何でしょうね、一体」
「私と陽一君は、今まで話をしたこともありませんのに」
「あなたは、特別、彼に興味はないの」
「ええ。彼が、私を見る目が気になりはしますが」
「そうよね。それは、感じるでしょ」
「はい。女ですから」
「好意をもってくれているのが、わかるでしょ」
「ええ、うれしいです」
「それでいいのよ」
百合子は、誰かが右側にすわっている気がした。
もぞもぞ、何かが動いていたのだ。
ちらっと見た。
青いジャージを着た人形姫が、ほほえみながらすわっていた。
こくりと、頭をさげた。
百合子は、力づよい応援を得た気がして、言葉をつづけた。
「美知の手下が、あなたのクラスにいるの」
「ええ、だいたい見当がつきます」
「その子が、あなたにやきもちをやいているの」
「そんなことって」
「あるのよ。わかるでしょ」
「女ですから、なんとなく。あの子、いいな、くらいは思います。でも、邪魔立てするなんて、
とても許せないわ」
と、百合子の顔を見て、言った。
悠子の色白の肌が紅くそまった。
青いジャージの子が、百合子のわきにいるのに気づいた。
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同時に3小説進行で書くのですか!
凄いですね。ポチ
2011/11/8(火) 午後 9:10 [ kotuko ]
コメントありがとうございます。麻さん。
どこまでやれるか、自分を試しています。油屋種吉は、小説「もう一日を」を書き終えました。よろしければ、お読みください。原稿用紙で、五十枚くらいです。
2011/11/8(火) 午後 9:30 [ けっさん ]
知らなかったです。
同時に進行しているなんて。
すごいですねぇ。
2011/11/9(水) 午後 7:04 [ キャサリン ]
そんなに大したことではありません。
習作だと思って、書いています。もっと書きこまないと、小説にはならないです。
2011/11/9(水) 午後 7:38 [ けっさん ]