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 「やだあ、おじさん。パンツ返してよ」
 サチは、半ば目を閉じて、男の荒い息を聞
いていたが、慣れているのか、用心深かった。
 男が、ズボンのポケットに、サチのパンツを
丸めて、突っ込んでいるのを見ていた。
 経験があるとはいっても、女だった。
 思わず、女子高生らしい声をまねて叫んだ。
 こういうことをすると分かっていたら、新しい
のをはいて来たのにと、サチは悔やんだ。
 夕べお風呂にはいって、取りかえてからず
っと、はいていたのだ。
 
 「なんだ。サービスしろ。いいじゃねえか」
 男は、初めからパンツを失敬するつもりだっ
たようである。
 男は呆けた顔をして、よだれを垂らしている。
 サチは、しかたなく、頭を切りかえた。
 「じゃあ、ただという訳にはいかないよね、
おじさん」
 「なんだあ、金取るのか」
 「あたりまえでしょ。恋人でもないのに、抱
かれてるんだよ。その上そんなことされるん
じゃ・・・・・・。一番恥ずかしい想いをしなくち
ゃならないのよ。おしっこだって、うんちだ
って付いてるのよ」
 「それがいいんだよ。おじさん、そういうの、
大好き」
 サチは、この変態野郎、と怒鳴りたかったが、
がまんした。
 男は紙幣を一枚、札入れから取り出して、サ
チの口にくわえさせた。
 こいつはよっぽど性根の腐った奴だな、と思
った。 
 男の行為が、激しくなった。
 サチの股を広げさせると、男はサチの両足を
両肩でささえた。
 腰の動きが、あわただしくなった。
 右腕でおっぱいをいじり、左腕でサチの首を
閉めはじめた。
 サチの顔が、上司の顔にダブった。
 彼女の顔が、見る間に赤くふくらんできた。
 「くっ、くるしいじゃないか、何すんだよ」
 男は、我を忘れていた。
 サチは、男の身体を押しのけて、上体を起こ
した。
 ごほっごほっ。
 サチは、ひどくせき込んだ。
  
 

いざなう4−4

 三ヶ月たった。
 好子の体調は、良くなってきていた。
 ある日の夕がた、買い物袋を両手にもって、
狭い通路を通って、勝手口にたどり着いた。
 暗くてまわりがよく見えなかった。
 人影があった。
 好子は一瞬ひやっとした。
 また源さんか、と思った。
 「わるいね、驚かしたかな」
 やわらかなきいさんの声がした。
 ほっとした。
 「びっくりしたよ。そんなとこに立っているんだ
もの」
 「ごめん、ごめん。何カ月も会ってないから、
どうしているのかなと思って寄ってみたんだよ」
 「心配かけてごめんなさい。自業自得なんだ」
 「そんなこと。誰だっていろいろあるよ」
 「そう言ってくれるのは、あんたくらいのものさ」
 木下は、帰ろうとはしない。
 「時間あるんだったら、入って」
 「俺はひとり者だし」
 「そうだったよね。あたしとおんなじ」
 ふたりは、なぜだか笑いたくなった。
 「入って」
 好子は、強くうながした。
 木下の背中を押したまま、暖簾の奥に行った。
 階段下で、ふたりは抱きあった。
 好子は、きいさんに抱きついた。
 きいさんも、それに答えた。
 しばらく逢えなかった寂しさを、一気に晴らすか
のようだった。
 
 ふたりは、ひたいに汗をかいていた。
 木下は、台所の椅子にすわった。
 好子は、右手で彼の肩を抱いた。
 「世間なんか勝手なものさ。気にすることはないさ」
 木下はきっぱりといった。
 好子が急須にお湯を入れた。
 「夕餉のお茶だよ」
 「そうだね。いっぱいいただくか」
 好子は、彼の真向かいにすわった。
 「なんだか夫婦みたいだね、あたしたち」
 木下は、好子の言葉を目を閉じて、聞いていた。
 「いっしょになろう」
 大きく目を開けて言った。
 了
 
 
 
 「おじさん、灯りを消して」
 サチは消え入りそうな声でいった。
 しかたないな、という表情で、ランプのひもを引いた。
 ドアを開けて入るなり、抱きあげられた。
 サチは、男の首に両手をまわしている。
 いやいやをするように、両足をばたつかせた。
 「大丈夫だよ、やさしくしてあげるからね」
 男は、セーラー服の上に、よだれをこぼしている。
 ベッドに身体を投げ落とされた。
 サチは逃げた。
 ドアの取っ手を両手でつかんだ。
 男は、
 「さあさあ、もうだだは、こねないで」
 と言いながら、近づいてくる。
 上半身は裸だ。
 サチは、部屋の隅に逃げる。
 男をきっとにらみつけた。
 「絶対にいや」
 サチの演技は、ここまで完ぺきだった。
 
 「そうか。だったら、どうしてここまで、のこのこついて来たの」
 やんわりと、なだめる。
 「ほんとに、なんにも知らなかったんだもの」
 「そんなふうには、おじさんには見えないけどなあ」
 「ほんとよ。こんなの、はじめて」
 「ほんとだったら、嬉しいけどな」
 お遊びの小休止だと言わんばかりに、男は、冷蔵庫からビールビンをとりだした。
 スポンという音がした。
 グラスに注いでいる。
 ベッドのわきにすわった。
 「どうした、何か飲むかい」
 サチは、黙っている。
 「おいこら、いい加減にせんかい」
 怒声が飛んだ。
 サチのからだが、びくっと震えた。
 さっと、男のそばに寄った。
 「ほら、飲みな」
 グラスの底に手をそえて、むりやり全部飲ませた。
 サチのからだが、かああっと熱くなってきた。
 タバコはやるが、アルコールは弱かった。
 男は四十代前半に見える。
 どこか、名のある会社の平社員のようだ。
 背広の襟に、見たことのあるバッジが付いていた。
 常に、上司の顔色を見て仕事をしているのだろう。
 目上には、弱いが、部下には、強いタイプらしい。
 金を出していることが、強気の理由だった。
 サチの持ったグラスをとりあげ、そのまま倒れこんだ。
 セーラー服の胸元に、両手をはわせている。 
 
 
 
 細身の身体で、よく食べた。
 ステーキとライスを頼んだ。
 スパゲテイも食べた。
 あとはデザートとジュースくらいだろうと
キリオは思った。
 「まだ食べてもいいですか」
 完全に予算オーバーだ。
 キリオは、頭が痛くなった。
 せっかくのエモノだ。
 逃がしてしまうのも、惜しい。
 キリオが下を向いた。
 ルリが、キリオの表情を読み取った。
 
 「あんたさあ、それくらいでいいんじゃない。
あとは、仕事のあとで自分の金でたらふく
食べたらいいんじゃないの」
 「じゃあ、オレンジジュースください」
 高校生かとキリオは思ったが、歳は隠せな
い。うなじから首にかけての肌が荒かった。
 二十歳をかなり越えている。
 ルリは、キリオの脚をつついた。
 テーブルの影で、チョッキをだした。
 キリオは、うなずいた。
 セーラー服を着せてしまえばわからない。
 薄暗がりだ。
 相手は、あせっているおっさんだ。
 高校生だと偽っても、ばれることはない。
 キリオが立ち上がった。
 順番待ちのベンチへ行った。
 ケイタイで、連絡をいれている。
 Bさんにつながった。
 「ひとり確保しました」
 「よし。車をまわす。逃げられないようにしろ」
 
 店を出て、大通りに向かった。
 「何よ。今すぐやるの」
 「いやか」
 ルリが言った。
 「いくら、もらえる」
 人差し指を立てた。
 女はうなずいた。
 「ヤニくれる」
 キリオが、一本、箱から出そうとした。
 女は、箱ごとひったくった。
 「けちけちすんなよ」
 言葉つきを急に変えた。
 経験豊富なすけだな。
 ルリが身構えた。
 「名前をなんと呼ぼうか」
 「サチ」
 ためらわずに言った。
 コンビニの前で、数分待った。
 明るい色のBMwが、歩道わきに止まった。
 「手回しがいいのね。素敵な車」
 キリオが、後部座席のドアを開けた。
 女が乗り込んだ。
 キリオが続いた。
 ルリが、反対側から乗り込もうとした。
 「暑苦しい。逃げやしねえ」
 女は、顔をねじまげた。
 Bさんがバックミラーで女の品定めをしていた。
 ふたりは、竹下通りを歩いている。
 さすがに日曜日だ、
 肩をぶつけあうくらいの人出である。
 ルリは、嫌がるキリオの右腕に、自分の左腕をからませている。
 紺のスーツに、赤いネクタイがよく似合っている。
 ルリは満足した表情だ。
 下から、キリオの顔を見上げている。
 「キリオって、こうして見ると、ハンサムなんだ」
 うっとりしている。
 「やめてくださいよ。そんなことより、まわりをよく見ていて下さい」
 「なんで」
 「なんで、って。かわいい女の子を、探しているんですよ。仕事、仕事」
 「あっそうか。すっかり忘れちゃってた」
 「おお、やだ。忘れてどうすんですか。兄貴に顔向けできませんぜ」
 「わかったよ」
 ルリは、からんだ手を放した。
 
 道端に立ち止まった。
 打ち合わせだ。
 「いいですかい。あねさんは、はじめてですから、ちょっと見ていて下さい」
 ルリは、軒先に陳列してあるアクセサリーを眺めている。
 「やる気あるんですか。真剣にならないといけませんぜ」
 ルリの眼差しが、きつくなっている。
 「わかってる。ギアをいれかえた。準備オーケーだ」
 「おれ、手ごろな子を見つけて、連れてきますから、そしたら相手になってやってください」
 「うまくリードしてくれな」
 「大丈夫です」
 
 芸能人の経営する洋服店の前で、ひとりの背の高い女の子いた。
 あれこれと服を物色している。
 ルックスがいい。
 カットソーに、青いジーパンだ。
 長い黒髪をしている。
 化粧が濃かった。
 大人びているが、キリオは、高校生だと判断した。
 わきに立った。
 「ちょっとすみません」
 女は、服をいじる手を休めない。
 前にまわった。
 女は、回れ右をした。
 小走りに、その場を離れていく。
 ちえっ。
 キリオは、靴で路面をけった。
 
 ルリは、ふたりの様子を見ていた。
 かけて来る女の手をとった。
 路地に連れ込んだ。
 「なっ、何なんですか、急に。大声あげますよ」
 「ちょっと来てよ。話しがあんだからさ」
 女は驚いた。
 相手が女だから、叫びはしない。
 「いい仕事を紹介してあげようっていうの」
 「結構です」
 「あんたきれいだね。どんな仕事してんの」
 「あなたは」
 「あたしは、工場で働いてんのよ。たまに街に出てきてアルバイトさ」
 女は、うふふと笑った。
 「笑ったね。この」
 「だって、正直に答えるんですもの」
 「そうさ。あたしは正直さ。だから、あんたにも、金になる仕事をやろうと思ってるのさ」
 「何よ、それ。まさかエンコウじゃないでしょ」
 「そうさ。そのとおり」
 「オヤジ相手じゃ、気持ち悪い」
 「じゃあ、若いのだったら、オーケーなんだ」
 女は、うつむいた。
 両手で、長い髪をかきあげた。
 「私、お昼まだなの。ご飯食べさせてくれる。そしたら考えるわ」
 「わかった。一緒に行こう」
 キリオのいる場所に連れて行った。
 「あなた、さっきの」
 「あたしの仲間さ」
 キリオは、ルリのやりっぷりに驚いている。
 「お昼、まだだってさ」
 「わかりました。うまい店を知っています」
 三人は、連れだって歩いて行く。
 
 

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