くにたち蟄居日記

日本は冬が一番楽しいのでは?

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「斜陽」 太宰治

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 平成二十一年に「斜陽」を再読する意味を考えながら頁を繰った。


 昭和二十二年に発表された「斜陽」は美しい滅びの話である。主要登場人物四名中、主人公の「かず子」以外の三名は自分が滅びゆく運命であることを自覚し 覚悟した上で死に向かう。その「覚悟」の気高さが甘美さを醸し出す。過度の甘さがあるとしたら それは太宰自身が志向し 嗜好した「滅びへの憧れ」の為だ。


 振り返って現在はどうか。


 戦後の日本が生んだ「一億総中流」という時代が終わりつつある現在だ。気が付くと格差と貧困問題が日本を覆う。「一億総中流」という幻想が終末を迎えている。しかし その現在に「斜陽」のような「甘美さ」はない。


 何かが滅びつつあるのかもしれないが 僕らがそれに気がつけていない。気づけぬ滅びを「自覚」し「覚悟」することは不可能だ。従い「滅びの美学」すら生まれていない。
それほど迄に 僕らは自らを見失っているのではないだろうか。

 それが読後感だった。


 朝日新聞が「百年読書会」という催しを開始した。4月は太宰の「斜陽」だったので 今回読んでみた次第だ。

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トラバありがとうございました。

2009/5/3(日) 午後 0:46 くにたち蟄居日記 返信する

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