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一般に世間で「喰わず嫌い」と言う言葉があるのなら「乗らず嫌い」と言う言葉はあるのだろうか 乗らず.....と言っても、単なる交通手段に乗ることではない。船や飛行機など、僕の周りにも苦手な人は何人かいるが、その多くが高所恐怖症だったり、泳げなかったりと、どこかで点と線が結ばれる 方程式が出来上がっている。そんな僕の場合は『絶叫マシーン』というものが乗らず嫌いの一つだろうか。 多くの人の中には、この得体の知れない乗り物に金銭を払い、身も心も一体化しているかのようにその瞬間瞬間を楽しんでいる。 しかし、僕は過去の苦い記憶の中にどうしても受け付けられない心の重さが消せないでいた。 そして、そんな話題に触れなければならなくなった理由には、つい先日のオフの日に起きた出来事が 関連してくるのである。 久しぶりの休日ともなれば、僕もそうだが、プライベートタイムを思い思いに過ごすものだが、今回は僕の知らない所で、どうやら極秘の計画が進んでいたようだ。 その極秘プロジェクトこそ、スタッフ一同で行くストレス発散ツアーなのだ 誰が決めたか、ツアーと言っても大々的にバスを借り切って遠くへ出かける訳でもなく、スタッフ一人一人が順番でその当番の行きたい所に皆で行くという、言わば福利厚生とも言えない企画が10年も前から始まっていたのだ。 そして、そのストレス発散の場所として当たり前のように「遊園地」を選んで来る、絶叫系好きの メンバーが集まっているのも隠せない現実なのである。 そして、遊園地ならず絶叫マシーンオタクとでも言えるスタッフ達が考えることと言ったら、目的は 1つで、ただ絶叫マシーンに乗りに行きたいという事だけである。そんな僕は、何度も過去の遊園地 ツアーをクライアントとの打ち合わせだと誤摩化し誤摩化し逃げてきたのも隠せない事実である。 そんな事があってか無かってか、今回だけは何が何でも僕を遊園地に連れて行こうと、僕の知らないうちに企画はどんどん進んでいた 僕は、そんなツアーの事などすっかり忘れていて、いつものように断る理由さえあれば大丈夫だと 安心していたのかもしれない。 そんな中、何処か含み笑いをして近ずいてきた女子スタッフの一人が、帰り際に一言言った。 「モノクロさん?! 明日9時ですからね」
「9時って......何かあったかな.....?」
「嫌ですね.....今回のストレス発散ツアーですよ!」
「え.......聞いてないけど............」
「またまた、清水君からもモノクロさんの予定ちゃんと聞いてますよ」
「今回は、モノクロさん予定ナシ!!って」
いま、思えば3日前に清水が聞いて来た会話にキーワードが隠されていたらしい......
僕は、確かにこのオフの過ごし方を清水に聞かれ、「特にないけれど映画でも見に行こうかな...」 と気持ちのままに答えた事が、まんまと極秘プロジェクトの罠にはまっていた事になる。
清水の3日前からのリサーチによって半ば強引に組まれたツアーに今まさに引きずり込まれようとしていたのだ。 僕は、今更ながらクライアントとの打ち合わせだと、いつもの理由すら言えず恐る恐る聞いてみた 「ほんと、聞いてないんだけど.......何処へ行くの?」 こんな質問すること自体、同じ社内にいながら知らない事が、僕だけなのかという複雑な気持ちと 単なる仲間はずれかイジメとしか取れない空しい思いで一杯だった。 「今年は、チャボ君が担当ですから◯◯◯◯◯ですよ」 僕は、勝手に極秘に進められた事に、どんな手段を使ってでも、その時間さえ逃げれればという答えを 探していたが、突然の事態に上手い理由など見つかるわけもなく、気が付くと犬の遠吠えのようにように社内で吠えまくっていた 「俺.......絶叫マシーン乗れないよ!!」 「本当に、冗談抜きで無理だよ〜!!」 「どうなっちゃうか分からないよ!!」 「何十年も乗ってないから.............ああ。。。無理だな〜」 代わる代わる口から飛び出す言葉のどれをとっても説得力にかけ、僕一人が駄々を捏ねたところで 企画が変わるはずもなかった。 そして、楽しいはずのオフ日が一変して、激動の1日に変わる幕が開いたのである。 過去に乗った事がある記憶を辿りながら、自分で自分に勇気を与え、今更、味わう必要もない 目の前の恐怖に1分1秒時が来るのを過ごしていた。 そして、当日の朝、変な興奮状態のおかげで一睡も出来なかった僕は気が付けば正座で迎えの 車を待って居た 僕の鼓動は高鳴り、気が付けばお迎えの車の中でも周りのスタッフに気が付かれないように右に左に 体を揺らしては記憶を思い起こしていた。 それは、思い起こすと言うよりもこれから乗り込む物体に少しでも慣れておこうとした最低限出来る 僕の心構えだったかもしれない そして、なんとか重い足取りで辿り着いた目の前に、大きな鉄のモンスターが現れた その物体は、今にも僕を未知の世界に導こうと、今か今かとあざ笑うかのように聳え立っていた 僕は、冷や汗でどうにもならない手を何度も拭いながら、いま刻々と迫り来る恐怖に覚悟を決めて 身を任せようとしていた。 そして、直ぐさまもしもの事を考えて、パンツ売り場を確認しながらトイレへと急いだ 「ああ.............本当に嫌だな...............」 「このまま、逃げたい............いや逃げる事なんか出来る訳がない.....................」 出て来る言葉は、こんな言葉しかなかった そんな事を考えていると、昔 子供の頃に母親と乗ったジェットコースターの記憶が少しずつ 蘇って来たのだ あのときの記憶..........
父と母がいて、弟も....................
乗りたくても身長が100センチに満たない弟を、尻目に兄の特権と誇りを胸に母と乗り込んだあの日のジェットコースター.................。 あの日も、こんな天気だった........。 そして、コースターが上昇していくごとに、真下に見える父と弟が小さくなっていく。 僕は、母が若いころに乗ったことがあると言うわずかなコースターの記憶に、子供ながらに期待と興奮の中、乗り込んだことも、必死で鉄の棒にしがみついていた時間の長さも、はっきりと蘇って来たのだ そして僕は気が付かなかったが、後で聞かされた母親自身がむかし乗ったことがあるジェットコースターとは数段違った恐怖を感じていたこと、あの時身軽な僕が飛び出しそうになっていたのを必死で押さえていたことも、思い出しては聞かされていたことの記憶が目の前に積み重なっていった あの時の僕自身の恐怖......... そして母の毎回のように出るあの時の本音...........
あの日から、僕の中に恐ろしいものだという固定観念が焼き付けられていったのかもしれない
「そう、乳製品が苦手だったのも固定観念..........」「だとしたら..............今回も.....................」 僕は僅かな期待と少し単純な理由を、自分自身を勇気つける言葉として見つけた様な気がした 僕は、いまかいまかと待つスタッフのもとに意を決して歩いていくと颯爽とモンスターに 乗り込んだ。 まるで、その姿は愛と地球を守るHEROかのように自分自身感じていたが、そんな時間も スタートと同時に消えて行った 生身の状態で滑り落ちる僕.................
叫びとも絶叫とも言えない声は
周りに聞こえていただろうか...............
HEROになる....................
風になる..........................
右に左に逆さまに..................
やがて僕は「無」になった
「モノクロさん! モノクロさん!!」
僕は、半ば失神していたらしい.............いや、半ば仮死状態だったかのように思える 僕は、あまりの格好悪さと恥ずかしさの中に変な達成感を感じながらスタッフとの距離をあけた そして、観覧車に乗り込むと真下を歩く親子連れを見ながら一人呟いていた。 「あの子達の、今日の思い出が一生の良い記憶であってほしい」と 僕は、僕自身の子供の頃の思い出と重ねながら、一人激動のあとの静動を満喫した1日だった モノクロス
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あんなママさまへ
好きな方には、たまらない魅力があるんでしょうね^^
外から見てると凄く楽しそうに見えるんですが........
僕は、その楽しそうな光景を見ているのが好きなのかも
しれないですね^^
2009/6/8(月) 午前 9:30
みんみぃ〜さまへ
残念ながら、何も変わりませんでしたね^^;
ただ1つだけ分かった事は、子供の頃より恐怖感が
パワーアップしたという事でしょうか。。。。
僕自身、最後の乗車となりました^^;
2009/6/8(月) 午前 9:32
ke*vi*nさまへ
富士急ハイランドですか。。。。。。^^;
事実は今回の舞台はまさにそこだったんですね^^;
子供の頃に始めて乗せられたのも同じ場所だったんですが
何か変な縁でもあるんでしょうかね^^;
2009/6/8(月) 午前 9:42
風来坊さまへ
完全に理性を失うと言うよりは
その瞬間、人間離れしていましたね^^;
どんな声で吠えていたかは分かりませんが
完全なる失態です^^;
変なあだ名が付きそうで毎日、ビクビクしております^^;
2009/6/8(月) 午前 9:46
単身赴任まあ吉さまへ
1分45秒ほど、静かな時間を過ごさせて頂きました^^;
フジヤマに乗りましたが、富士山より高く上がったような
気がした瞬間、もう駄目だと思いましたね^^;
いま、生きてて良かった.....の一言です^^
2009/6/8(月) 午前 9:49
はじめてコメントさせていただきます。
しばし、美しい写真に見入っていました。
実は私も高所恐怖症。
お気持ち痛いほどわかります。
今年娘を連れてディズニーシーへ。
子供が乗るアトラクションでお勧めを聞いて案内されたのが・・なぜかタワーオブテラー???
はめられた!?
乗ってから後悔。自分も失神しそうでしたが娘を抑えるのが必死。
娘は顔面蒼白で泣きもしませんでした。
モノクロさんのお母さんみたいな事、私してしまいました。
2009/6/8(月) 午後 1:59 [ チビタ ]
明日香さまへ
有り難うございます^^
しかし飛んだお薦め案内でしたね^^;
高所恐怖症にはまったく縁のない乗り物ですが......
でも、「母は強し」ですね^^
尊敬します!
2009/6/8(月) 午後 3:44
うふふっ#>▽<#
モノクロサンこんにちは〜
なんだかすごい体験だってのですね
でも達成感を味わえたのなら良し!ですよね^^
お疲れ様でした〜
2009/6/10(水) 午後 3:40 [ - ]
そらさまへ
今回も克服出来るかなと思い覚悟を決めて乗り込みましたが
無理なものはやはり無理でしたね^^;
これが最後の乗車かなっって決断した1日にもなりましたね^^;
2009/6/12(金) 午前 6:44
申し訳ありませんが・・・大爆笑してしまいました。元気をありがとうございます。正座の辺りから私のテンションはマックスでしたよ。
何を隠そう・・・夫がモノクロ様と同じく絶叫系は全部NGで下りてから医務室に運ばれた経験の持ち主・・・次はきちんと断わってくださいね。
楽しいのにな。
2009/6/12(金) 午後 1:11
ハイデさまへ
さすがに医務室までは行きませんでしたが、ご主人さまと
同じ状態でしたね^^; 次回こそ誰も誘いはしないと
思いますが最悪は机にしがみついてでも拒みますね^^
2009/6/14(日) 午前 4:02
足跡からこんばんは



とってもツボです
まずは早速ですが
ぽちっと
(滅多にないです笑)
私は
子供を生んでから 絶叫系がムリになりましたね。
それまでは、○ドを吐くぐらい乗りまくってましたが・・・
このあと他のブログもゆっくり拝見させてもらいますね
突然失礼しました。
2009/6/23(火) 午前 1:31 [ ねね☆野道 ]
ねね☆稲葉さまへ
有り難うございます^^
体質が変わってしまったという事でしょうかね^^;
僕自身、生きて行く上で必要ないものだと思っていた位の
ものでしたから一生慣れる事はないでしょうね^^;
2009/6/26(金) 午前 3:33
おはようございます♪
足跡から辿って来ました♪
私も、絶叫系&高所、苦手です〜(/_;)
前世で、何か因縁があるのかしら?(*^m^*)
2009/6/26(金) 午前 9:22
にゃんにゃんさまへ
やはり駄目な方ですか^^;
何故なんでしょうね.......比較的高所恐怖症の人は
絶叫系が駄目な人が多い様な気がしますが.......^^;
もしかしたら、不思議とそんな法則があって
遠い先祖も同じかもしれませんね^^;
2009/6/27(土) 午前 7:35
ジェットコースター、お嫌いですか?
私は、大好きです。
でも、私は、変わっていて、
ディズニーランドがあまり好きではないんですよ。
モノクロの写真が素敵ですね。
お気に入りのブログです。
2009/6/27(土) 午前 9:17
kedorinさまへ
僕は本当に絶叫系は駄目なんですね^^:
だから子供の頃から遊園地が楽しい場所だとも
思わなかったんですよ^^;
ある意味、大人からすれば子供なのに珍しいと
思われていたかもしれませんね^^;
2009/6/27(土) 午前 9:39
この写真、ものすごく素敵です。
何だか、柄にも無く切ない気持ちになりました、、、、。
2009/7/29(水) 午後 3:41
dee-dee-hairさまへ
ご感想コメント有り難うございます^^
不思議とその写真のイメージでココロを動かされることも
ありますよね^^;
2009/8/3(月) 午後 2:20
あっ☆★ モノクロさん!!
すっっっごいお久しぶり・・・
どうしてらっしゃるのかと思ってました。
2009/8/3(月) 午後 7:08 [ ねね☆野道 ]