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■ DESIGN 聖夜に届けた記憶のカケラ
街は赤や黄色のイルミネーションが煌めき、そしてどこからともなく聞こえてくるお決まりのメロディー。 今年も1年で一番、白髪に白髭の爺さんが注目される季節がきた。 僕はと言えば、中国から帰社したものの、その後も日本と中国との狭間でサポート業務に追われ 気が付けば、時間と時間との空間さえ感じられていなかった気がする。 そんな時でも、頭の片隅から消す事が出来ないのが、この季節だろう。 今となれば、子供の頃のクリスマスの思い出と言ったら子供ながらに信じきって枕元に置いた 靴下と、2メートル以上もある、祖父が山から切ってきたモミの木が家の中にあった記憶が脳裏に焼き付いていることぐらいだろう。 そして、田舎育ちの僕には、ハイテクなおもちゃや、最新のゲームにはほとんどと言っていいほど 縁がなく、プレゼントにはこれと言って期待感は持てなかった。 それよりも僕は、プレゼントよりサンタクロース自身に会いたくて睡魔に襲われながらも 朝まで格闘した記憶の方が何より印象に残っている事も、実に馬鹿馬鹿しい話しとなっている。 今の子供達には、きっと馬鹿にされ、鼻で笑われる様な事を真剣に考えていた自分が大人になれば 思い切り笑えるのも、ほんの束の間のおかしな話しである。 そして、僕はそんな季節の到来とともに、ある場所に出向く事になる。 それは、大人になった自分自身がサンタクロースになる季節になる時が来たということなのだ。 僕は、今年の夏にも訪問した親のいない子供たちが集まるあの施設に行く事だ。 親の虐待や、いじめなどから精神的に閉ざされた小さな心の扉を開けようと3年前から始めた クリスマスイベント。 親の愛さえ知らずに、そして親自身をも受け入れられない闇の中の瞳に、少しずつでも灯を灯して あげたいと始めたイベントは、3年経った今では、地域のボランティアの協力も得られ20人体制の 大イベントになって来た。 思い思いの交通手段で駆けつけた20人の大人達は、集合時間の6時には、赤と白に統一された コスプレ軍団に生まれ変わる。 20人ものサンタクロースという、異様な光景に自分自身も「はっ!」と気がつく瞬間もこの時だ。 そして僕たちは、前もって子供達に欲しいプレゼントを書いてもらっていた通りの物を精一杯の 気持を込めて手渡しする瞬間は、本物のサンタになりきっているような錯覚にも落ちて行く。 『シンケンジャーの刀とベルト』 『うさもものトランクがほしいです』 『手芸用品』『アンパンマン?』『いも・・・???』 3歳から17歳の、思い思いの欲しいプレゼントは多種多様で用意する前段階で楽しませて もらえるのも、この瞬間だ。 そして、そんな楽しい時間の中から、苦しみが生まれたのも今年のイベントだろう。 40枚近くの、欲しいプレゼントを書いたカードを目で追う中で、僕は1枚のカードで手が止まった 文字とも絵とも言えない、不格好な模様は紛れもなく一言、こう書いてあった。 ’’’『まま』’’’ 『まま?』って。。。。。。。。。。。。。 最初の一言は、ここから始まった。 施設の多くの子供達が、親は健在で会いたい時に会う事が出来る。 だが、不幸にも交通遺児はそう言う状況ではない。 そして僕は、この『まま』を書いた子供の意味 を施設長に問いただした所から悪戦苦闘の日々が始まったのである。 生まれて間もなく両親が離婚してしてしまった美優ちゃんは、父親の顔を知らない。 そして、母親と暮らすも、その母親の虐待という運命を背負いながら3歳まで生きてきた。 そして、その母親も昨年他界。。。。。。 こんな、運命があっていいのかと、心を締め付けられる思いで僕は言葉を失った。 施設の子供の大半が、最低でも片親がいる中で、プレゼントのほとんどは親からの援助でも 賄っている。 その援助が得られない状況と、「まま」というプレゼントを用意出来ない現実に時間が止まった。 そして、迎えたイブの夜。 紅白に身をまとったコスプレ20人衆は思い思いにプレゼントを 渡す為に、子供達の元に散って行った。 希望通りのプレゼントをもらった子供達は、喜び、はしゃぎ、その場で中身を出しては歓声を あげていた。 そして僕は、最後の1つとなった、「まま」と書いた、美優ちゃんのもとへと足を運んだのだ。 おカッパ頭に、大きな瞳、その瞳の中に僕のサンタ姿が映し出される。 僕は、空っぽになった大きな袋から手の平に隠れる程の小さなプレゼントを差し出した。 「はい、美優ちゃん!」
「サンタさんからのプレゼントだよ〜!」
思わず叫んだ小さな瞳に、今はいないママの姿が映し出される
「あっ! ママだ〜!」
僕は、星形の透明なキーホルダーの中に生前の母親の写真を入れて美優ちゃんに そっと差し出した。 美優ちゃんは、それを大事そうに両手で握っては、何度も何度も写真を見ては微笑んだ 「これで、いつもママと一緒だね」
「うん!」
僕は、抑えきれない涙を精一杯唇をかんでこらえながら施設を後にした 辛い経験や、苦しい体験を通って来ても、そしてそれを与えた原因が母親だとしても 子供にとって母親は母親なんだと.......小さな心に記憶として残る母親の面影を ぼんやりとでも追いかけている小さな心と、自分の幼き日のチッポケだが幸せな クリスマスの記憶を、気が付けば重ね合わせていた そして、今でも浮かぶ美優ちゃんの小さな差し出した腕に刻まれた無数の傷跡やアザの数を 今も消す事が出来ないまま、僕のクリスマスの夜は更けていく モノクロスタイル 追伸; 更新がなかなか出来なくて申し訳ございませんでした。 沢山のコメント、温かい激励のお言葉、ひとつひとつに お返しが出来なかったこと......... この場をお借りして『皆様ありがとうございます』とお返し したいと思います。 どうぞ、皆様。 残り僅かな2009年。 悔いの残らぬ様、楽しい思い出を作ってください! |

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