てつどう

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フォーカスのはなし

被写界深度が深く、手前から奥までピントを合わせやすい 「コンパクトデジカメ」 は
ジオラマの世界を実感的に表現する上で、有利なアイテムではあるのですが
極めて近い地点に被写体が置かれた場合、最小まで絞り込んでもパンフォーカスは実現せず
どうしても、ピントのボケた領域が生じてしまいます。

ちなみに、鉄道模型誌のお仕事にも携わっておられる、鉄道写真家の金盛正樹さんは
F値の極めて大きなレンズを自作したり、画像加工の技術を駆使するなどして
デジタル一眼レフ機でありながら、パンフォーカスに近い世界を表現されているようです。
ただ、一般のユーザーには、いずれも技術的に容易とは言えません。


ですが、「ボケ」を積極的に活かすのも、写真の醍醐味のひとつです。
以下は、敢えて主題からピントを外した(アウトフォーカスさせた)作例です。


https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/15/e1/kiha58_1523/folder/924743/img_924743_28571517_1?1275120087

Caplio GX8 / ricoh

フォーカスは、手前の信号灯に合わせていますが
奥に佇む国鉄形気動車のぼんやりした明かりが、情緒的なムードを漂わせています
フォーカスポイントが非常に近い場合、被写界深度が浅くなる性質を、逆手に取ったものです




イメージ 1

Caplio GX100 / ricoh (画像をクリックすると 拡大してご覧いただけます)

主題はあくまでも、乗客(積み荷?)の「ドコモダケ」ですが
それより少しだけ手前の、「トラ」 の文字にフォーカスを合わせたことで
ドコモダケの輪郭がぼやけ、キノコらしいヌメヌメ感が演出されました。


   *   *   *


以上、アウトフォーカスを活かした作例をご覧頂きましたが
実際の撮影において、デジタルカメラの小さな液晶画面では、

・フォーカスがどの地点に合っているのか?
・イメージ通りのピント / ボケが得られたのか?

これらの判断が難しいと感じることがあります。


露出(明るさ)や、コントラスト(明暗のメリハリ)、ホワイトバランス(色あい)といった要素は
RAW現像を活用することによって、撮影後でも或る程度柔軟に調整することが可能ですが
ピントの位置やボケ具合に関しては、パソコンで展開してみるまで、その成否は判りません

そこで、フォーカスプラケット という手法を用います。
ジオラマとカメラのセッティングが終わったら、まず、オートフォーカスで1枚撮り
次いで、マニュアルフォーカスに切り替え
フォーカス位置を、前後に少しずつずらしながら、数枚収めておきます。

シャッターチャンスの制約に縛られず、幾らでも枚数を撮れるのは、ジオラマ撮影ならではの利点です。


イメージ 2

Caplio GX8 / ricoh (画像をクリックすると 拡大してご覧いただけます)


昨日の記事で、
「複数の被写体を提示する場合、カメラから等距離に配置する」と述べましたが、
そのような「水平の展開/ヨコの絵作り」では、「場面の奥行き感」 が乏しくなってしまいます。

被写界深度との兼ね合いが厳しくなることは承知の上で、
主たる役者たちを、あえて「手前から奥へ」配置すること・・・
黒澤明監督が好んで採り入れた 「タテの絵作り」は
鉄道模型ジオラマの撮影でも、取り組んでみる価値があるように思われます。

その際、「フォーカスブラケット」 という手法は
被写界深度の微妙なコントロールを実現する上で
有効なアシストになると考えています。

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閉じる コメント(6)

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こんばんは。
どのような画(雰囲気)を求めるのかで撮影の手法は変わるもの
ですが、今回のアウトフォーカスは興味深いモノです。
1枚目の写真では仰るように夜のローカル線の雰囲気がよく伝わって
きますし、2枚目では”積荷”の質感が絶妙に表現されていると
思いました。
フォーカスブラケットは仰るように微妙なピント位置を測ることが
できますね。 列車撮影にはともかく、花などの静物を撮る場合、
浅い被写界深度で暈しを利用する際にも有効ですね。
今回も貴重なお話しを拝見させて頂き、有難うございます。

2010/5/29(土) 午後 8:06 [ Adm_Issei ] 返信する

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フォーカスブラケット、にゃんこ撮りでも大口径レンズでは必ず使っています。CONTAXのPlanar85mmF1.4が特にピント合わせがやりづらいです。 削除

2010/5/29(土) 午後 8:09 [ らちあに ] 返信する

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Adm Issei さん >

きっちりピントを合わせることは
手順を踏んで時間をかければ、それほど難しくはないと思います。

むしろ、アウトフォーカスを、いかに効果的に活かすか?
この辺りで、撮り手のセンスが試されるような気がします

2010/5/30(日) 午前 9:32 kiha58_1523 返信する

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らちあに さん>

むしろ、「モデルが常に動く」ゆえに、難しいのではないでしょうか?
その点、ジオラマ世界の役者さんたちは立派です。
1秒でも2秒でも・・・スローシャッターに耐えてくれます(笑

2010/5/30(日) 午前 9:35 kiha58_1523 返信する

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わざとピントをズラすんですね。
二枚目のドコモダケの写真は、「なるほどなぁ」って思いました。

2010/6/10(木) 午前 5:17 けんいち 返信する

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けんいちさん> この種の撮影では、三脚は必須です

2010/6/10(木) 午後 6:05 kiha58_1523 返信する

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